ピストンズvsマジック

2022/1/28

YouTubeでライブした試合の雑感です。まとめバージョンを書いてみよう。

◎揃ってきたマジック

マジックはフルツとアイザックは開幕から出ていないものの、それ以外の若手たちが戻ってきました。サッグス、アンソニー、ワグナー弟、オケケ、WCJ、バンバという若手に、ロス、ハリス、ワグナー兄なんかが並ぶので、選手層的にはなかなか。そんなこともあって、この試合はマジックの総合力にピストンズは歯が立たなかったような展開となりました。

従来はコール・アンソニーが個人アタックを繰り返し、ベンチからはロス最優先のプレーをするので、選手がそろっていようがなんだろうが関係なかったのですが、アンソニーはコントロールを重視し、バランスの良い配給をしていきました。

そのアンソニーが復帰してからボールに触る機会が減り、評価を落としていたワグナー弟ですが、むしろウイングとしてオフボールで動き、パスを受けてのアタックが効いていたので、従来のイメージと違い、選手層を利用して、それぞれの武器でアタックしています。ってことで、選手がそろって意味が出ていた。

他にもディフェンス担当のオケケもアグレッシブに点を取りに行っており、不思議なくらいにチームとして機能しています。これでフルツとアイザックも戻ってきたら、色々期待できるじゃないか。それとも渋滞してしまうのか。

ただし、マジックのオフェンスは基本路線が1on1であり、ちょっと前に流行しかけた「1on1が5か所あるから、バランスアタック」という状況です。見事な連携というよりは、それぞれが個別に勝負し、キックアウト3Pを組み合わせていく戦い方です。カーライル路線のHCだと考えれば納得ですが、将来的にやっぱりドンチッチが欲しくなるのかもしれません。

いずれにしても、マジックはつまらないのかと思っていたら、何故だかバランスアタックになっていたので、楽しめる試合になったのでした。

◎カニングハムのポジション

ヘイズがスターターにいないので休みなのかと思ったら、ベンチから出てきたピストンズ。カニングハムとコーリー・ジョセフのガードコンビになったのですが、これが「最近のピストンズは良いよ」から離れ始める要因にもなっていました。

いっつも迷っていたようなヘイズですが、最近はカニングハムとワイドに広がる形から、パスを回したり、アタックしたりとバランスをとれるようになって迷いが消えていました。それは言い換えれば、カニングハムとヘイズの2人が共にPGでもあり、SGでもあるコンボガードスタイルです。ここに好感を持っていたんだ。

しかし、本日は純PGなジョセフがいたので、結果的にカニングハムはスコアリング担当のSGみたいになりました。パスを受けてドライブし、キックアウトパスで3Pを生み出すのは通常と同じではあるのですが、その前にオフボールで動いてボールを貰いにいったし、カニングハムの特徴であるドライブだと思ったら、すぐさまスクリーンに行き、そこからカットプレーをするような万能性が減ったというか、パターンがわかりやすくなっています。

それでもフリーの状況を作れていたので、カニングハムには点を取るチャンスがいっぱいあったし、ハーフスピードでディフェンスをずらしていくのが上手く、その点では見事でしたが、自らがシュートを外しまくりました。

〇カニングハム
8点
FG3/17

ぶっちゃけ、これが大きく響いてピストンズは負けました。面白い試合だと思っていたのですが、カニングハムが壊してしまったし、その原因は点を取らないといけない微妙なバランスのポジション構成にあった気がします。ってことで、ピストンズはコンボガードを集めるべきだろうね。ブルース・ブラウンとかさ。

さて、それでもアタックしていったカニングハムからパスが出てきたのですが、ピストンズはシュートも外しまくりでした。これも気になるわけで、結局はカニングハムに何を求めていて、周囲にどうやって活用させるのか、いまだにロスター構成が決まっていないんだろうねーって感じです。まぁ1年目だから、ここからなのか。デッドラインどうするのかな。

〇カニングハム
パス数 71本
アシスト 4

マジックに比べたら、連動していく動きが仕込まれているのですが、そのフィニッシュはまだまだです。若手チームなので、ここから伸ばしていこうでいいのですが、まだまだ揃えるべき選手が多くいるわけでした。

◎スチュワートとライルズ

その点で最も強化したいのが、インサイドの押し込み担当でした。スチュワートはスピードもパワーもあって良い選手ですが、35分プレーするのに耐えきれる選手なのか難しいし、ディフェンスが間に合っている状態で押し込みまくれるタイプでもありません。

スチュワートが個人としてステップアップし、スタークラスになってくれるならばOKですが、それは期待しすぎな気もするので、もう1枚若手のビッグマンが欲しい。その時、スチュワートと似たタイプになると同時起用は難しいので、交代態勢をとるか、同時起用を取るかで選ぶべき選手も変わってきます。キャブスがアレンとモブリーをとったみたいにね。

その一方で、控えセンターをしていたライルズの時間帯にピストンズのオフェンスは改善しました。3Pラインの外に構えるライルズなので、ゴール下にスペースが空き、マジックのヘルプディフェンスを大きく減らしたわけです。スチュワートが同じことしかできないこともあって、その差は大きかったです。

今は良いけど、勝ちたい時期が来たら試合終盤にスチュワートを下げて、シュータータイプのビッグマンを使うことも考えた方が良さそうです。その点からもスチュワートと同時起用できるようなビッグマンが適切なんだろうね。

そんなわけでカニングハム中心になった試合の中で、目立ってしまったインサイドのフィニッシュ力。ドラフトに向けて強化ポイントもわかりやすいぜ。で、それってジェレミって話もあるし、オリニクって話もあるので、一応いまも揃えているわけだけど、デッドラインでどうなるんだろうね。

◎WCJとバンバ

逆にビッグマンのところで圧倒したのが、この試合のキーポイントだったのがマジック。

今シーズンはバンバが「使える選手」になっているのがサプライズですが、スチュワートがインサイドに立っていてくれるので、カニングハムにドライブされてもバンバが待ち受けて止めていました。これが全てな試合な気もしたぜ。

バンバはセンターとしてみた時に、ハイポストなんかでボールを持つと展開力に欠けるのが悩みで、合わせに行くのもイマイチ。ところがWCJとの同時起用では、コーナー担当になるので360°の視野をキープする必要がなく、飛び込んでのダンクも3Pもあって機能しています。

逆にWCJはディフェンスではベイ(ウイング)を担当し、オフェンスではハイポスト近辺のセンター役になりました。そこから展開してくれるので、マジックのオフェンスはバランスアタックになったのでした。まぁイメージはWCJを使わないコール・アンソニーだったので、そこら辺も驚いた。

このツービッグ体勢が機能した事が勝因なわけですが、バンバの3Pだったり、WCJのパッシングは伸ばしていく要素としてわかりやすいので、方向性としてもOKです。ちょっと両チームのビッグマン問題が対照的な試合となったのでした。

マジックはオケケやアイザックもいるので、ワンビッグでも対応できそう。ってことで、再建に踏み切ったばかりなのに、選手は揃っている感が強い試合でした。健康を保ってチーム力を上げていくってのはわかりやすいね。

◎再建は続く

足りない要素としてゲームメイクの問題があるので、簡単ではないのですが、そういう部分を差し引いて再建チーム同士の試合を見ると、特徴が出てきて面白いよね。最近はピストンズの方が良かったイメージですが、直接対決で印象が逆転してしまったよ。

明らかに選手が足りていないピストンズと、選手の頭数は足りているマジックってのもあって、どっちが先に勝てるようになるんだろうね。

ビッグネームはカニングハムですが、そのカニングハムのパスをサッグスが読んでいるのも面白かったです。モンスターというよりは、IQなカニングハムなので、そこでサッグスにやられてしまったのは痛かった。

サッグスの方もカニングハムのようにSGになっており、オフェンス面はニャンとも言いにくい状況でした。その分だけディフェンスでの読みの良さを見せており、カウンターを演出しています。もっとサッグスの良い部分を見てみたい気もしたし、バランスアタックできているんだから壊さなくてもいいし、選手層が充実していた分だけマジックにも悩みはあるよね。

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