スパーズvsグリズリーズ

2022/1/26

サンズとグリズリーズがトップ争いをするなんて2年前では考えられなかったよね。そういう意味ではスパーズが2年後にトップ争いすることもあるのかな。オールスターが近づく中でモラントとマレーの直接対決みたいな。

◎淡々とラッシュ

試合はグリズリーズがインサイドをゴリゴリ押していき、スパーズがアウトサイドから決めていくわかりやすいスタートです。珍しくパスが出てこないグリズリーズは、スパーズが人数をかけてくると止めらてしまうけど、スパーズの方は殆どドライブ出来ないので互角なスタート。

モラントがドライブからのキックアウトでコーナーにパスを振るものの、これを決めきれないグリズリーズ。パスが出てくると思っているのでチェイスが出来ているスパーズ。そんなこんなで、なかなかどちらかのリズムにはなりません。

打開したのはキリアン・ティリー。・・・・いや、また違うキャラなのかよ。せめてコンチャーならともかく、次から次へと違う選手を出しては成功させていくのは怖いよ。どうなってんだよ。

この3Pの後で、モラントがドライブ一閃。だれもカバーに来れなかったぜ。次はスネークからのレイアップ。キックアウト3P1本決まってから一気に攻略していったので、二桁リードになります。

チームが上手くいっていない時にギアをあげ、なんとかしにいったレブロン&ラスも凄いけど、チームメイトの3Pが決まらない中でも淡々とパスアウトし、決まったら一気に自分たちのペースに持ってきたモラントのチームオフェンスっぷりは圧巻。こういう「試合展開を変えていく存在感」みたいなのは、マレーからはあまり感じないかなー。

こういうことが出来るから勝っているグリズリーズ。モラントだけじゃないのが、さらにめんどくさいチームですが、圧倒するというよりも、淡々とやるべきことをこなし、チャンスがきたらラッシュをかけられる。それってすごく大事さ。

どっちも不完全なオフェンスに困り、互角のスタートだったけど、一気にラッシュしたグリズリーズが34-25とリードした1Qでした。最後にホワイトが3Pで二桁ビハインドを避けたよ。

◎わかいひと

JJJのブロックもあり、なかなかインサイドに侵入できないスパーズ。ホワイトのハッスルディフェンスもあって、耐えてはいるけど、オフェンスが苦しい。ランドールに3P打たせても決まらないし、逆にJJJのパワープレーに押し込まれてしまいます。うーん、ランドール勿体ないのか、これが限界なのか。

延々とJJJにやられていくスパーズ。はずれてもリバウンド取られてザイアーの3Pなので点差が15点になってしまいます。唯一、マレーだけが強引なアタックでファールドローしてにゃんとか繋ぐ。

そしてゾーンにするとリバウンドを拾ったのが、またもマレー。モラントは何でもやるように見えて、役割分担されているけど、マレーは全部やるのが仕事になってきたね。

ゾーンになったので対人を守らなくてよくなったらランドールもヘルプでクラークを潰しますが、JJJにボールが入るとファールで止めるしかない。なので点差は変わらず。つらみ。

マレーが下がって、他のスターターが出てくると、今度はJJJにマークされているケルドンが3Pを連打。立場が逆転してしまったJJJ。さっきまでマッチアップでインサイド圧倒していたのに、今度はアウトサイドでやられてしまう。

そしてインサイドディフェンスでパートルが存在感を見せると、スパーズのペースになってカウンターからヴァッセルのレイアップ。流れが出てきたぜ。問題は速攻のパスを倒れこんでスティールしちゃうモラントと、ドライブでタフショットを決めきってくるモラントに困っている事だけだ。

頑張ったのはパートル。モラントのドライブをブロックすると、カウンターからホワイトのフローターで残り2分半で3点差にします。レイカーズは「ADさえいればいいけど、ADタイプの控えがいない」だったけど、こうやってみると、やっぱりランドールのところさえどうにかすれば・・・そういう人材もいるはずなんだけどな。

スパーズは今年のドラフトで豊作っぽいビッグマンをとればいいんだろうね。ダンカンとか、ダンカンとか、ダンカンとか。そういう感じの選手をさ。いるのかどうかは知らん。

残り1分。スパーズお得意の「エンドラインスローインからヴァッセルのミドル」が決まり1点差。なぜかこのスローインはヴァッセルに打たせるんだよね。そしてベインのドライブをパートルが豪快なブロック。なんだけど、ファールコールされたのでチャレンジのポポビッチ。前半残り36秒でチャレンジって珍しいけど、ここで上回りたいんだろうね。

チャレンジが成功しジャンプボールに・・・ブロックしたボールはエンドラインを割っていたのにジャンプボールになったのでタイラー・ジェンキンスが怒ってるぜ。でも、結局はグリズリーズボールになって、モラントのドライブが決まります。最後はマレーの1on1をモラントが止めて、グリズリーズが3点リードの前半でした。

うーん、スターターは悪くない。ガードを多く揃えたのも形になってきた。でも、致命的にビッグマンが足りない。アダムス、JJJ、クラーク、ティルマンと揃えているグリズリーズとは対照的だね。他にもカイルみたいなウイングもいるしさ。近年のスパーズにおける最大の謎が、わかりやすく前半のビハインドに繋がりましたとさ。

◎MVPモード

後半もJJJのダンクから。JJJも落ち着いたプレーを続けられるようになってきたのかな。前はポテンシャル溢れるけど、続かなかったもんな。しっかりとインサイドで決めきり、マレーのゴール下を連続ブロック。ノーファールでね。トランジションからフックショットを決めたところでスパーズがタイムアウト。

しっかりとボールを動かし、両サイドを使っていくことを確認したようなスパーズは、コートを広く使い始めます。ピック&ロールに対してアダムスが良いショーディフェンスをしたけど、そこからサイドへ展開し、ポジションを取り切れなかったアダムスに対して、パートルがリバウンドをプットバック。さらに連続パスからヴァッセルのコーナー3Pにもなって、オフェンスが復活。

こうしてリズムが出てくると、ウォーカーのドライブからパートルのゴール下合わせなんかも出てきたスパーズ。そしてスパーズにリズムが出てくると、ドライブからのタフレイアップを決めてくるモラント。この試合繰り返されている流れです。逆転できそうでいて、モラントに止められてしまう。

カウンターでメルトンからモラントへのアリウープが決まりそうになるも、これを後ろからマレーが止めます。ところがカウンターアタック発動しようとしたら、メルトンに奪い返されてしまい10点差。

タイムアウトを挟んでギアを挙げるモラントは、次々にドライブで切り裂いていきます。タフに決めきることもあれば、鮮やかなハンドリングでパートルをおびき出してのアリウープパス。強引に突っ込んでのファールドロー。MVPモード。

〇3Qのモラント
13点
FG6/8
4アシスト

これで一気に行きたかったところですが、モラントが下がるとスパーズが反撃。ウォーカーの3P、ケルドンのミドルと外から決めていきます。すると残り1分で何故か戻ってきたモラントからクラークのフローターが決まり、8点差で3Qが終わります。

モラント劇場だった3Q。なお、マレーは3Qだけで6アシスト。個人としては立派に対抗したんだけど、ちょっと強かったモラントさん。

◎存在感

再びベンチメンバーの時間なので悪い予感のするスパーズ。でも、マレーもパートルも出ています。逆にここでリードを奪いに行ったのか。狙い通りJJJにやられないように奮闘するパートル。そして空中でファールを受け着地に失敗したJJJが股関節を痛めます。ファールではあるけど、こういうプレーで正しく着地出来ないとケガするぜ。

それでもJJJは強く飛び込んでレイアップを決めますが、スパーズもマレーがタフミドルを決めると、ホワイトが鮮やかなレイアップ。これでタイムアウトはグリズリーズ。スパーズ的にはスターターを起用して勝負をかけただけに、流れが出そうなら早めに切っておこう。

ところがタイムアウト明けにベインがボールを見ていないクラークにパスを出してターンオーバー。そしてここにきて起用されたユーバンクスがフローターを押し込み、マレーのドライブで3点差にします。上手くいかなかったグリズリーズ。さらに同点を狙ったマグダーモッドの3Pが・・・決まらず。

しかし、JJJを必死で守り、リバウンドに食らいつくユーバンクスが、まさかのプットバックを決めて残り7分で1点差に。いやー、ビッグマンが活躍すれば何とかなりそうだったけど、それがユーバンクスで成立すると、何が正解か全くわからないぜ。個人的には得意技を持つ良さげなセンターをスターターにして、割と万能なパートルがベンチから出てくるのが理想だと思っているけど、どうなんでしょ。

モラントのドライブもブロックしたユーバンクス。でも、オフェンスリバウンドからのやり直しをフローターで決めたモラント。まだ同点にはさせません。マレーに返されても、ユーバンクス相手の1on1からプルアップ3Pで突き放すモラント。ザ・エース。

タイムアウトのスパーズは、ヴァッセルのミドルが外れるも、自らリバウンドに飛び込んでファールドロー。さらにアダムスのオフェンスファールで再び同点のチャンスを得ます。するとマレーがモラントのチェックを受けながらのフェイダウェイで遂に同点!こっちもエースの仕事。

グリズリーズは封印していたようなモラントとアダムスのツーメンゲームにしますが決めきれず。ところがこぼれ球がきたJJJの3Pで再びリードを得ると、メルトンが速攻でファールドロー。先手にならないスパーズ。

お互いにディフェンスを頑張り、時間を使わせ、ミスショットになった後で、ヴァッセルのミドルで残り2分2点差。でもモラントがドライブからムリヤリリバースにもっていってファールドロー。スパーズはマレーのレイアップミスをパートルがプットバック。

モラントはフローターを外すも、再びセカンドチャンスが落ちてきます。やり直してオフェンスはパートルへ飛び込んでのファールドロー。どうみてもファールしていないんですけどね。チャレンジは前半に使ってしまった。モラントのMVPモードに騙されたレフリー。

残り1分4点差。ヴァッセルのオフボールを使おうとするも上手くいかず、ホワイトの3Pがミス。ってことで、時間を使うモラント。残り9秒からオフェンスを仕掛けると、またもファールドロー。首を振っているホワイトだけど、これは、まぁギリギリでファールかな。コールされなくてもおかしくない程度のファール。

これで残り36秒6点差となり、グリズリーズが逃げ切ったのでした。まぁあれだね。モラントがえぐかった。それはプレーそのものもあるけど、存在感があった。素晴らしいディフェンダーだけどレフリーに知られていないパートルとの存在感の差だった。スパースからするとやってられない負け方でした。

◎ゲームプラン

トリプルダブルのマレー。41点のモラント。どっちも見応えがあったけど、試合を決めるのは点を取る選手だっていうオールドスタイルなゲームでした。そこがモラントの進化でもあるので、純粋にモラントは誉めようぜ。1年前はここまで点を取りには来なかったけど、プレーインとプレーオフがモラントを変えた。

お互いに3Pの確率が悪い試合だったので、ドライブからのフィニッシュ力がモノを言いました。ある意味でガードだらけのスパーズとしては、ゲームプランとしてマズかった展開でも、勝てそうなところまで戦えたのだから手ごたえはあるよね。

なかなか面白いゲームでしたが、やっぱりスパーズの戦力不足は否めない。JJJのところが両チームの差になりましたが、PF系統が重視されている今シーズンなので、スパーズは乗り遅れているのか、ザック・コリンズへの期待が大きいのか。

モラントがハイパーなのは置いといて、JJJがこのレベルで安定したプレーをするならばグリズリーズは更に楽しみです。本日はFG9/14に6ブロック。ファールは2つだけ。FG成功率とファールが課題の選手ですが、今シーズンもいまだにFG41%なんだよね。

またモラントがハイパーな割にはワンパターンではなかったのが面白いラインで、ウイングのようにも使う事で、上手くバランスをとるようになっています。この変化はモラント離脱後からなので、シーズン中の修正も上手くいっています。ゲームプランとしてパターンを増やせているからこそ、好調を維持できるんだろうね。このままトップへと躍り出れるのかな。

スパーズvsグリズリーズ” への3件のフィードバック

  1. ヤコブが1番安定してるビッグマンなんでスターター起用は変えられないんだと思います。そこそこサイズがあって点が取れる選手が1人いればもっと勝てそうなんですけどね…

  2. >こういう「試合展開を変えていく存在感」みたいなのは、マレーからはあまり感じないかなー。
    マレーがオールスターになるために足りないのはまさにそれですよねー。ツーウェイプレイヤーとしてなかなかのいい選手だと思うんですけどイマイチ突き抜けない感があります。

    ガード偏重と言うのかサイズ軽視と言うのか、チームには謎すぎる方針を早く変えてもらいたいです。もしスパーズにJJJがいればかなり違ってくると思うんですけどね。次ドラフトでもガードを指名しようものなら「この暗闇の先には明るい未来がある」とはさすがに信じられなくなりそうです。

  3. 現状のスパーズに足りないプレイヤーは明らかなんですが、そのポジションはサマニッチが担うはずだったんです。

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