オリンピック イタリアvsオーストラリア

イタリアを中心に観ていきましょう。

ニコ・マニオンを中心にメッリという得点源があるイタリア。しかし、予選でスーパーだったマニオンはドイツ戦でイマイチ。そんな事情もあってかPGのスターターは変更され、0番スピッスです。イタリア語ではなんて読むんだろうか。

このPGからテンポよく両サイドに展開されていき、センターが合わせながらキックアウトパスも使ってコーナーまで広くコートを使えるチームです。マニオンの時はピック&ロールからアタックしていたのでPG変更によりペースがあがっています。ここにポストアップが加わるので、中外・左右とボールが動くので、序盤はこのバスケにオーストラリアが対抗できず、イタリアのパスワークが光ります。

しかし、オーストラリアにはサイブルがいます。交代で登場すると速攻をアシストし、3Pで逆転。いやサイブルの働きどころはそこじゃない。このレベルなら余裕のマルチディフェンダーなので、スイッチしてのインサイドも関係なし。パスワークに振られるならば、スモール気味の対応って感じです。その後でエクサムも出てくるからディフェンスが締まる。でもサイブルはドライブダンクしてオフェンスで目立つ。

イタリアはマニオンとガリナリが登場。すると当然のガリナリアタックが決まります。「このレベルなら」といいつつ、ガリナリを止められずにシクサーズは負けたんだ。

そこまで悪くなかったイタリアなのですが、マズかったのはオフェンスでシュートが外れるとワンパス速攻を出されたこと。またパスを出したのがサイブル。ガードをサイブルにしたことでリバウンドからワンパスになるみたいです。

オーストラリアは今度はエクサムがドライブからダンクをアシスト。サイブル&エクサムのオフェンスでリードを奪っていきます。ならばガリナリで行きたいのだけど、ガリナリだけは意地でもボールを持たせたくないオーストラリア。でも、ここでマニオンのパスからリッチがワイドオープン3P。そしてマニオンがドライブフローターで追い上げます。頑張ったぜマニオン。

1Qは25-25の同点。オーストラリアのペースになりかけたけど、ベンチからNBAプレイヤーが出てくる強みを生かして、追いついたのでした。チームとしてはNBAじゃない選手が上、ベンチから個人技担当のNBA。

この方が機能する説はドイツも示している。ナイジェリアはヌワラに個人技させたっぽく、ドイツはワグナーが短時間で仕事をしたとか。

◎マニオン

2Qはマニオンのプルアップ3Pから。さらにデラベドバからファールドロー。マジで機能しているな。NBAじゃプレッシャーかけられると、ボール捌くのにも苦労していた印象なのに。

さてオーストラリアはシュートがはいらなくなります。ちょっとマズそうになったらファールで止めておくイタリアってのもあって、思うようにトランジションも出ず苦しいぜ。そしてマニオンがイングルスのオフェンスファールを誘発。マニオンで5点差だぜ。渡邊が活躍するようなもんだな。普通か。

で、ちょっと自分で行きまくるマニオン。だからスターターを外されたんだけどね。そしてガリナリが消えている。カリーを消したら再契約はないぜ。やっと出したガリナリへのパスは危険だったしな。ってことで、自分で作ったリードを自分で消したマニオン。

タイムアウトのイタリアですが、またマニオンのドライブでリードします。ついて行けないデラベドバ。4点リードでベンチへ。トータルでは仕事をしたマニオン。いなくなったらパスワークから最後はメッリが素晴らしいパスを通してリッチがフリーでレイアップ。今度はリッチがポストのメッリを狙いながら、ハイポストに来たフォンテッチオのミドル。マニオンがいなくなったら見事なチームオフェンス。

一方でオフェンストラブルのオーストラリア。大エースミルズをイタリアは徹底マークです。

ミルズのオフボールに対して、マークマンはリング側を守らず、インサイドはカバーに任せます。トップに動いてこようとするミルズを捉まえ、とにかくボールに触らせない。大エースすぎるミルズの動きから始まるオーストラリアだけに、なかなか厳しい。この守り方はハーデン対策とかにも似ていますが、アメリカはこういうことをしないだろうね。

さて、苦しいオーストラリアですが、またワンパス速攻が出ます。ここがダメだよイタリア。何本目だろうか。そしてミルズへのパスフェイクから3Pを打つイングルス。簡単そうに決めるけど、普通はパスフェイクからの3Pってリズムが掴みにくいよね。

パスワークに苦しむオーストラリアは、スモールラインナップに移行します。ところが、思いっきりプットバックダンクを食らってしまいリードはイタリアのまま。さらにポロナーラがサイブル相手のポストアップでスピンムーブを決める。すげーな。ポロナーラって選手はNBAでも面白そうな素材だ。

それでもイングルスの3Pで残り1分で追い付いたオーストラリア。そこで終盤にアイソ担当ガリナリの出番。デラベドバ相手のドライブを当然のように決めます。今日は災難だなデラベドバ。オーストラリアに戻って正解かもね。次はボールを持たせまいと守ったニック・ケイがファールを取られてフリースローのガリナリ。

最後はミルズの3Pが外れ、イタリアが1点リードで折り返します。なおオーストラリアは最後に10秒だけジョシュ・グリーンが登場。後半もスモールやりたそうだから、出番あるかな。

◎強度を上げたオーストラリア

後半はマニオンをスタートにしてきたイタリア。ポロナーラの3Pとマニオンのドライブでリードを広げます。さらにマニオンは3P。ノッテいるぜイタリア。

一方で全くノッテいないのがミルズ。やっとオフボールで振り切ってロング2Pを決めたけど、2本目はリングにかするだけのミドルになってしまいます。べインズがプットバックやブロックで助けてくれ、なんとかビハインドは縮めていく。

オーストラリアはマニオンにボコられているデラベドバを下げてエクサムに。これでエクサムがスティールし、逆転に成功します。さらにフォンテッチオの凡ミスをひろったミルズの速攻でタイムアウトのイタリア。

ガリナリ投入で解決を図りますが、オーストラリアにボールムーブを封じ込められていきます。圧力を増したオーストラリアディフェンス。そして大エースミルズのドライブからランドールのダンク。ランドールはポロナーラのパスをブロックし・・・たんだけど、拾いなおしたポロナーラは3Pをヒット。なかなか突き放せないオーストラリア。イタリアは粘り強いオフェンスリバウンドから1点差に迫ります。

スモールにしてワンパス速攻も狙うオーストラリアと、オフェンスリバウンドを高さで奪っていくイタリア。この時間帯はハイプレッシャーは効いているけど、リバウンドはイタリアに出ています。ナイジェリア戦と違って、べインズの価値がデカいな。

戻ってきたデラベドバはトラベリング。いかんぜ。そして狙われているからかダブルチームをしたらガリナリがフリーで3Pに。でも決まらず。ニック・ケイのブロックもあって、イタリアも逆転のチャンスを逃していきます。

ラスト1分。オーストラリアはイングルスの3Pが決まらず。それでもサイブルがターンオーバーを誘発するディフェンスでもうワンチャンス。これをミルズがシュートモーションのドライブで抜き去り、最後はケイのゴール下で3点リードで終わります。もうイングルスとミルズは出っ放し。本日もプレータイム長し。

◎大熱戦

1on1をブロックしたサイブル。ここからトランジションに走るもイタリアも戻りが早く打たせません。そしてマニオン投入で再びvsデラベドバを作りたそうにします。ガッツリ狙われたデラベドバ相手にリッチがミスマッチのポストアップからキックアウトし、3Pで追い付くイタリア。イングルスのパスからケイが3Pでお返しするも、ボールムーブからリッチがフリーのゴール下。

オーストラリアの基本はミルズのオフボールからアウトサイドで広げる事。とにかくこれを阻害されているのが痛く、イングルスはともかく、3Pを狙ってこないエクサムなんかは空けて守れるので、イタリアのインサイドディフェンスが固くなっていきました。そこが苦しいので、なんとかミルズが3Pを打つも決まらず。

一方でマニオンがミスをし始めたイタリア。だって、デラベドバが下がってエクサムとサイブルになっているんだもん。狙い所が足りないぜ。ミルズは狙えないっていう不思議な状態だけどさ。

そう思っていたらイングルスを休ませるため再びデラベドバ登場。ところがポストアップで狙おうとしたリッチがオフェンスファール。ディフェンスで取り返し、ここで決めれば汚名返上!ってところでデラベドバもフローターをミス。

イタリアはマニオンを下げた方が良さげ。オーストラリアはここで突き放したい。ランドールがファールドローに成功し、リッチが4つ目。このフリースロー2本目をミスするのですが、ニック・ケイがオフェンスリバウンドを拾うと、ランドールの3Pに繋げて8点リードになります。

ってことで、マニオンの前半の活躍が効いたイタリアだけど、終盤にマニオンでチームプレーが減ったマイナスを食らってしまいました。起用法が難しいな。なぜかガリナリが出てこないし。

これでオーストラリアが試合を決めるかと思われたのですが、タイムアウト明けのミルズがレイアップをミスするとカウンターからフォンテッチオが3P&ワン。4点プレーでお返し。試合は全く分からんぜ。さらにメッリも3Pで続く。

オーストラリアは終盤はケイとランドールでリバウンド勝負。ミルズが決まらないので困っています。そのオフェンスリバウンドからイングルスの3Pで取り返す。残り2分半7点差に戻して再びイタリアがタイムアウト。ガリナリは起用しない。

ここでも溜め過ぎたマニオンからボールムーブにならず、最後はマニオンのタフ3Pがミス。オーストラリアもミルズの3Pがミス。でもまたオフェンスリバウンド。ただイングルスの3Pまでエアボール。リバウンドで時間を使う事だけは出来たところで、ランドールからサイブルに交代。スモールで3P警戒になったら、トナットがドライブファールドロー。1分半5点差。粘るイタリア。

ミルズがvsメッリを決められず、逆にマニオンがドライブを決めて3点差。追い上げたイタリア。残り30秒でミルズがヘジテーションからレイアップをねじ込むも、マニオンがミドルで返し3点差に戻す。

ファールゲームか迷いのあったイタリアは、抜けてきたイングルスにファールせず。で、イングルスがパスを繋いでサイブルがボールを持ったところでファール。ラッキーじゃん。でもちゃんとフリースローを決めたサイブル。熱戦を制したのはオーストラリアでした。

◎使い果たしたオーストラリア

ともに1勝ずつの試合で勝てば決勝トーナメントがほぼ決まります。一応、2勝1敗で9チームが並んだらいけない可能性もあるけどさ。普通に考えたらないでしょ。

そこで全てを出し尽くしたオーストラリアと、余力を残したイタリアって感じでした。実際のところはわかりませんが、ガリナリを使わなかったこと以上に、マニオン起用でチームオフェンスを減らしたのが印象的なイタリアでした。まぁ単純にプレータイムってだけだな。

〇ミルズ
35分40秒
16点
FG6/17
5アシスト

〇イングルス
33分22秒
14点
3P4/9
5アシスト

ヤバいくらいにプレータイムが長かったベテラン陣。そして「ミルズを止めろ」が成功していたイタリア。ここが接戦になった最大の要因でしたが、オーストラリアは代役を立てられませんでした。こういう時ってミルズがベンチに下がると「ターゲットを失ってディフェンスが乱れる」ってことがあるだけに、もう少しジョシュ・グリーンへの信頼が高かったら面白かったです。結局10秒しか出てこなかった。

そして23分で2点のデラベドバ、4アシストだけど0点のエクサム、3分で3本打ったけど決まらなかったゴールディンなども含めて、守りやすくしてしまいました。セカンドエースが足りないし、得点力の低い選手が並んでしまう事がある。

優勝候補のオーストラリアですが「ミルズを止めろ」対策にかなり弱みを出しています。マジでこれはドンチッチの優勝もあるぞ。どこも弱みを持っているから、どうなるかわからない。

〇ポロナーラ
22分37秒
12点
3P2/6
7リバウンド

〇フォンテッチオ
28分29秒
22点
FG10/17

イタリアはこの2人が運動量もあって非常に良かったので、両サイドに素早くボールムーブしてディフェンスのズレを作っていくのが重要でした。そこにガリナリを組み合わせるのに、少し苦労している感じはあって、あまり動かないガリナリなので、ポジショニングどうしよう。みたいな。

〇ニコ・マニオン
24分14秒
21点
FG9/15
7アシスト

そしてスーパーエースをしていたマニオン。だから今日はマニオンの日であり、それでいいんだけど、マニオンだとスーパーエースしちゃうから7アシストのわりにチームオフェンスになりませんでした。これがルビオなら両立させるけど、アメリカのPGあるあるだな。NBAナイズされているのかもしれないマニオンですが、ウォリアーズでパス回せないのは厳しいな。

イタリアは最終戦がナイジェリア。これまた難しいグループだな。ドイツやオーストラリアとは全く違うチームなので何が起こるかわかりません。それはナイジェリアも同じでドイツ相手にも守れなかったもんな。アメリカは守れるのに。

ということで白熱のグループBはオーストラリアが抜け出すことに。最終戦でオーストラリアはミルズとイングルスを休ませる気がするので、一体どんな結果が待っているのかわかりません。

都合の良いことにオーストラリアの試合は、イタリアとナイジェリア戦の後なので、ナイジェリアが勝てばフル休養モード、イタリアが勝てば得失点差が開きすぎない程度のコントロールでOKです。ナイジェリアに大勝していてよかったね!

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