https://stats.nba.com/player/947/
パッと目を引くのはFG%の低さです。ちょっと40%前後ってのは苦しすぎます。決まらない理由はいくつかありましたし、キャリア後期のナゲッツ時代は45%くらいまで上昇しているように、使い方次第な面はありました。
その意味ではナゲッツ時代を観るのは面白いかもしれません。あぁカーメロ。
01年に話を戻すとオフボールでの連続した動きから打つパターンは、ちょっとアイバーソンには練習不足だったのかも。というか流行系じゃないからね。
それ以上に気になるのはアテンプトの多さです。平均25本以上打っており、フリースローも非常に多い。このアテンプト数は現在のハーデンすらも上回ります。オフェンスの回数が10回近く多い現在よりも多く打っているアイバーソンってのはゲーム3の前半そのままでした。
シクサーズの当時の総アテンプト数は79本でしたから、ほぼ3本に1本がアイバーソンによるものでした。プレータイムが長かった時代ってのもありますが、ゲームレポートのとおり「豊富なアイバーソンカット」と「ワンパターンに思えてくるオフェンス」という構図です。
現在のハーデンはアテンプトは多いですが、ほぼ3Pだし、ハンドラーとして自分が3P打つか、それともドライブしてパスするかみたいな感じです。
しかしアイバーソンはオールドスクールなSGとして、オフボールからボールを受けて、シュートなりアタックなりをするのですから、それでも3回に1回打っているってなかなかの異常性です。
〇オフェンスレーティング
チーム 101.9
アイバーソン 102.4
そしてもちろんチームの平均を上回ります。ていうか40分出ているんだからチームの平均に近いに決まっています。問題はEFGですが、チーム平均より低くなります。
〇EFG
チーム 46.8%
アイバーソン 44.7%
〇TS
チーム 51.8%
アイバーソン 51.8%
ただしフリースローが多く、しっかり決めるのでTSはチーム平均そのもの。アイバーソンのFG%は問題がありましたが、それはトータルでチームのオフェンスには響いていませんでした。
ここ大切ね。上回ってもいなかった。
しかし、ラリー・ブラウンがアイバーソンをSGに置いたのはターンオーバー率の低さにあったと思います。01年アイバーソンは驚異のターンオーバー率8.8%です。
ボールを持つ機会が多くシュートを打ちまくっていたアイバーソンですが、実はターンオーバーしないことでオフェンスを成立させていました。それって失点を減らしたのかもね。
アイバーソンの限界がシクサーズの限界
これは正しい認識だし、TSは同じ値だし。しかし、ミスが少ないエースならば周囲が少しでも高い確率でシュートを決めてくれる選手ならば、チームオフェンスは向上するはずです。
01年シクサーズでアイバーソンよりTSが高かったのはラトリフとムトンボ、そして意外にもマッキーでした。クーコッチも一応ね。ビッグマン2人はムトンボがケガであまり出ていなかっただけなので、実質的には1人です。
これが03年シクサーズになるとアイバーソンがTS50.0%に低下した上、ターンオーバー率も9.5%まで悪化してしまいます。しかし、チームのTS52.0%と01年とそん色ありません。
〇03年TS
アイバーソン 50.0%
マッキー 49.7%
コールマン 52.9%
バンホーン 55.6%
スノー 54.6%
トーマス 53.9%
マッキーがアレですが、チームとしては見事にアイバーソンを上回るメンバー構成にすることに成功しました。つまり「アイバーソン中心」の構図は01年も03年も同じですが、
「アイバーソンが決めないといけない01年」
「アイバーソンが囮として機能する03年」
こんな感じに色が違うと考えることもできます。01年ゲーム3では前半はアイバーソン一辺倒ながら、後半はフェイスガードされるアイバーソンがボールをもたなくてもシクサーズは追い上げていきました。でも明らかにオフェンス力は足りなかった。
ここに一つの転換を求めた理由がありそうなのでした。そして実際に(マッキー以外は)見事に数字として変化が出ているわけだからラリー・ブラウンすげー!!
そしてアイバーソンのアテンプト数は02年が28本近かったのに、03年は4本近く減っています。シクサーズのオフェンス改革はミスの少ないアイバーソンを活用しつつも、囮にして他の選手が輝くスタイルの導入でした。
ただし、もちろんそれはディフェンス力の低下も招いてしまい、次第に力を落としていったシクサーズでもあります。とはいえ選手も年を取るわけだし、どこかで変化は必要だったのでしょう。
◉レイカーズも見てみよう
今回はアイバーソンなので敢えてのTS%で比較しましたが、その意味ではレイカーズも見てみましょう。そもそもチームとして53.5%とシクサーズを上回っていますが、思ったほどではありません。
ただレイカーズの場合は主力選手は軒並みチーム平均より高くなっています。
〇TS
シャック 57.4
コービー 55.2
フィッシャー 53.4
フォックス 56.2
グラント 51.1
オーリー 48.9
あれだけ高確率のシャックでしたが、フリースローが決まらないので一気に落ちます。ハックするわ。
一方でシュート外しすぎと怒られるコービーがフリースロー決めるので高い数字を残しました。まぁ今なら高くないのだけどね。
そして気になるのは下の2人です。レイカーズはPFが弱点になっていました。グラントはともかくオーリーがこんなに悪いなんてね。スーパースターズをのちに結成したわけですが、上手くいきそうにない要素はこのころからあるわけです。
01年のゲーム3はシクサーズがスモールラインナップにしてハイプレッシャーディフェンスを展開し、シャックが退場したところで勝負あったと思われましたが、そこからオーリーのみのスーパースモールを選択したレイカーズ。
空いたインサイドをフォックスとコービーが使い、トドメはコービーのキックアウトからオーリーの3Pと超論理的な形で締めくくっています。
だけどプレーオフトータルでみてもオーリーの確率なんて大したことありませんでした。だからこそビッグショットボブなわけです。まぁそれは置いといて。
まさか01年の段階で1センター4ガードシステムをシクサーズが採用していくとは思いませんでした。それにスーパースモールで答えたレイカーズでしたが、あくまでもシャックのファールアウトで生じた形に過ぎません。
序盤から相手の手の内を読んだ攻防が続いていましたが、次の一手を持ち合わせていたのは常にラリー・ブラウンの方でした。その論理性は極めて優れており、オフェンス力不足でなかなか追いつけなかったものの、論理的な勝利を得る寸前まで行きました。
ところが、誤算が起きたのがシャックのファールアウトだったわけです。これはもう不運としか言いようがない。
「たられば」を言っても仕方がないけど、言いたくなるのが過去の試合。脅威だったはずのシャックを走る展開に持ち込んで無効化に成功したシクサーズ。しかし、コートにいるから無効化にメリットがあり、いなくなっては自分たちの良さをレイカーズ側が潰しに来たということでした。
無情な展開だったと一夜明けて思うのでした。
この記事いつアップしてくれましたか。たまたま検索して見つけたんですが。
勝つ見込みなしなんて言われていたけどやはり第3戦まではわからないシリーズだったんですよね。シャックを5ファールで飼い殺しにしといた方が良かった。
思うがままに書いた状態なので、翌日に確認してから連絡しようかと思いましたが、その前にみつかっちゃいましたね。
あまりデータがない時代なのですが、費用対効果があったと思って頂きたく、それなりに分析ちっくにしました。
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データの種類が少ないのは仕方ないですね。ターンオーバー率が低いのは興味深かったです。ターンオーバー減らそうって批判されていた人だけど、実際は多くのポゼッションを任されかつ成立させていたってことですから、平均個数は当てにならないっていう。
アイバーソンの運動量データがあると、シュート精度との関係性がありそうなんですけどね。
あとはチームシューティングがあると、コートの使い方とかわかるのですが。
1on1はやってはいるけど、現代を見慣れた私たちからすると、あからさまなアイソレーションが少ない事が面白い部分でした。
アイバーソンで検索した人が、たまたまこの記事見つけてくれたら面白いかな。でも、それには前後の記事もないと意味わからないか。
ブログに載せるのは『AI3ミーハーだなぁ。』と思われるかもしれないけどアイバーソンの評価がまた違うものになるかもしれませんね。
現代のアイソレーションはシューターの隆盛とスペーシングでこれ見よがしですよ。アイバーソンの頃はアイソと言ってももっと狭かった。ステップバックミドル専用。
シュートスポットの○×ですよね。なんかありそう。この時代も試合中出てたし。狭いところ入っていって迷ったりタフになるのも%への影響大きいと思います。
アイバーソンのスピードを聞きたい。速過ぎますか。実は評判ほど感じないんです。(迷いなく侵攻するときの)一挙手一投足が円滑だとは思うんですが。