2018/10/22 クリッパーズvsロケッツ

イングラムがハーデンになんかしてレフリー睨み付けてテクニカル、引き離した間にロンドがクリス・ポールにつばかけてクリス・ポールが目潰しのように小突いて、ロンドが殴り返して、どうしても乱闘に参加したかったイングラムが後ろからクリス・ポールに殴りかかりました。

クリス・ポール2試合、ロンド3試合、イングラム4試合の出場停止です。短いと思うけど、4試合は世界平和のアーティストに次ぐ長さだとか。

◉クリス・ポールがいないこと

そんなわけでクリス・ポールがいないのでゴードンがスターターです。カーメロがベンチスタートを受け入れたと言うことで話題ですが、スターターにする必要性はゼロだけど、スターターにしない理由もないよね。別にエニスでもカーメロでもどっちでも良いと思う。ましてやクリス・ポールがいないなら、ゴードンはベンチスコア用にとっておいて、カーメロ+MCWとかもアリな気がするけどね。

ダントーニはちょっとした拘りに厳しいタイプなんだ。割と柔軟になったけど、譲らないポイントが明確に存在する。昨シーズンはいろいろテストしていた前半戦だった。

クリッパーズはベバリー+ブラッドリーコンビを起用してきます。悪夢のディフェンスコンビはハーデンにハイプレッシャー。クリス・ポールがいないからかなり効果的な作戦です。作戦というか日常だろうけど。

 

序盤はゴードンで得点していきますが、ベンチに戻るとハーデンはブラッドリーとベバリーに襲われます。ファールコールされたベバリーがレフリーでなくハーデンに因縁をつけようとするなど煽りまくりますが、ハーデンは意識しないアクション。ディフェンスしないし、熱い気持ちが足りないハーデンだけど、その逆もある事は忘れちゃ行けないよね。ケンカ早いのはクリス・ポール。

そんなわけで出場停止の影響は4Q辺りに響いてきそうなのですが、ブラッドリーも謎のケガをしたので、そこでSGAことシャイ・アレキサンダーが登場しますが、やっぱりベバリー&ブラッドリーほどの圧力はないのでした。頑張ろうSGA。裏でトレ・ヤングが大活躍したよ。

カーメロがベンチから出てきてもハーデンでしか攻めないロケッツ。次から次にディフェンダーを用意しハーデンを徹底マークするクリッパーズ。そりゃあハーデンといえども効率が落ちてくるよ。ってことでロケッツは得点が伸びません。

 

◉選手任せで良いクリッパーズ

開始から見事な連携を見せるクリッパーズ。あれ、そんなチームだったっけ。と思っていたら、選手交代と共に連携が消えていくから偶然の産物だったっぽい。クリッパーズのことは「連携できる選手を集めている」と考えていますし「選手任せのHC」とも考えています。だから連携は確かに存在するけど、それは選手の質に過ぎないってことで。

それでもハーデンオンリーのロケッツと違い、層の厚さが尋常ではないクリッパーズなので、攻めてくる選手が次から次に変化していきます。ゴータットが出ているとカペラがヘルプで止めまくりますが、じゃあガリナリがカペラのいないところで攻めるし、トバイアスが個人技で打ってくるし、ベンチからハレルやルー・ウイリアムスが出てくるし。

選手任せにすることでパターンが絞れないし、それを交代で操っていくので良い循環があるのがクリッパーズ。本当に誰が攻めてくるのかわからない。ロケッツはカペラしかリムプロテクターがいないので何とかしたくてもカペラがいないと無理。

フリースロー時にバーアムーテがダントーニと仲良くお喋りしているけど、戻ってきて欲しいだろうな。タッカーとカペラ頼みが進むロケッツ。タッカー頼みって1年前なら何の冗談かと思うよね。オフェンスでも適切にシュートを打っていくタッカー

カペラの存在には悩まされるけどSGAがカーメロを翻弄したり、ファールを引き出したりとディフェンスの弱点を狙うことも忘れないのでオフェンスは好調なクリッパーズ。しかし、謎采配が登場します。カペラが出ているのにマルヤノビッチ。

裏のスペース使いたいとか、スイッチするロケッツだからミスマッチを使いたいと言えばそれまでだけど、走って走って走りまくるカペラなので、戻りきれないマルヤノビッチは速攻の餌食になっていきます。ディフェンス力だけでなく、速攻を決めれば、リバウンドも押し込んでくれるカペラ。このカペラっぽいセンターは他のチームにも登場してきているのだけど、久しぶりに観ると本家はレベルが違うね。ペリメーターディフェンス、リムプロテクト、そして速攻と各プレーに参加する機会が段違い。ここ重要で参加する「機会」が優れているよ。イージーシュートしか打たないって普通は出来ない。

カペラによってロケッツが追いついた前半残り3分から変な展開に。カペラに変わってハーテンステインというルーキーが登場したので、そこからぶち抜いていくトバイアス。ハーデンのおサボりも見逃さず。

オフェンスもハーテンステイン。パスを邪魔したり、ゴール下を押し込んだり。攻守に1番弱いところをクリッパーズが利用するような展開だけど、成功したようなしていないような。クリッパーズの1点リードで折り返します。

前半はクリッパーズペースだったけど、カペラが何とかしてしまったことと、3Pが1/10で決まらなかった感じかな。ハーデンは20分プレーしていて、結構マズいのですが、途中からあまりプレッシャーをかけられなくなったクリッパーズでした。理由は多分、カペラが走るからマークが遅くなったこと。トランジションが流行する理由だね。

カペラの主役っぷりが大きく、20点以上とると負けない伝説が覆されそうな匂いがプンプンしていた前半でした。

◉センターが必要なロケッツ

ボードに当たっているのにキャッチしてアリウープを完成させるカペラによってロケッツがリードを奪い返します。スターターはどうやらロケッツの方が良く、ハーデンとゴードンが揃っているとプレッシャーをかけられないクリッパーズ。うーん、なんでこんなにゴータットを起用するのだろうか。ハーデン、ゴードン、カペラの3人の関係性だけでシュートチャンスを作ってしまうロケッツ。ゴータットがプレッシャーには出てこないことを理解しているやり方。

それでもやっとブラッドリーがスティールに成功し、ゴータットもリバウンドで取り返します。トバイアスとガリナリのスターっぷりも出てきて一歩も引かないクリッパーズ。ガリナリにスピードで振り切られるカーメロってどうなんだ。

カーメロとジェラルドの3P、MCWのディフェンスとベンチメンバーでリードを奪えたロケッツですが、またも登場してくるハーテンステインのミスと全体的なスピード不足を利用して、SGA、ルー、ハレルでラッシュするクリッパーズ。

うーん、頭が痛くなりそうなダントーニ。ハーテンステインを起用しないといけない理由は、センター不足のチーム事情だけでなく、どうしてもあちこちでスピード負けしているからリムプロテクターがいないと苦しいことだと思います。個人を止めきれないならブロックが必要だよね。

SGAをブロックしたり、しっかりとゴール下でフィニッシュしたりと別に悪いことばかりではないハーテンステイン。おそらく昨シーズンのチームなら、こんなに穴が目立たなかったはず。

 

そんなロケッツからやってきた機動力インサイドのハレルがブロック連発し得点を許さず。ラストプレーでハーテンステインのルーズなパスをスティールし残り1秒で&ワンを決めました。9点リードで4Qを迎えることになったクリッパーズ。離脱中のクリスよりもハレルが欲しいであろうロケッツ。

◉縮まらない、離されない

この試合はゴードンの3Pが5/8と光っていて、本当にそれで保てている感じのロケッツに対し、6本全て外したルーがあまりにも決まらないクリッパーズになっています。それだけロケッツはハーデンのいない時間でも何とか出来ているし、クリッパーズはもっとリード出来そうなところがオフェンスで進みきれない感じ。

というわけでクリッパーズがリードを保ったままハーデンが戻ってきますが、どちらかというと離されないままで戻ってこれたロケッツかな。

一方でクリッパーズは主力はトバイアスしかコートに居ない状態で4Qも6分が経過します。もっとも誰が主力なのかよくわからんけど。長くコートに残り続けているハレルを下げたら負ける気もするし。そう思っていたら、どうみてもお疲れのハレルが攻守にミスをして残り5分で6点差の勝負です。

ハーデンとマッチアップするのはルーキーのSGA。ドライブも決めるし、ディフェンスも良いし、ドンチッチやトレ・ヤングがいなければもっと注目されていそうなのに。シュートをミスしてもハレルが拾い上げてダンクで10点リードに。しかし、あっさりとジェラルドが3Pを返します。時間も使わせず3Pを打たれる、もったいないクリッパーズ。

そして主力の時間と言いつつも、あんまりメンバーが変わらず。単に長くなっている。ガリナリにアイソレーションさせて、逆にハーデンもアイソレーションしてくるわけだから点差が4点まで縮まります。ガリナリでアイソはないだろ。

しかし、トバイアスが3Pで返した後で驚きのプレーが。ハーデンのレイアップをブロックしたのはなんとルー・ウイリアムス。そしてカウンターでハレルがダンクを決めて残り1分40秒で9点差に戻します。

 

それでもハーデンがドライブで押し込みますが、さすがに時間を使うクリッパーズ。ルーの3Pは決まらないけどリバウンドを2連続で抑え、シュートは決まらないけど時間ばかりが過ぎていきます。これもまたロケッツの弱点ね。地味だけどロングリバウンドをアリーザが抑えるのを何度観たか。

折角時間を消費したのに、ハーデンの3Pに対しファールをするハレル。4点プレーが完成し、引き下がらないMVP。残り30秒で3点差に。

 

クリッパーズはルー。マークがタッカーだったのでカーメロに変更してアウトサイドから打ちますが決まらず。この試合のルーはFG3/16。トバイアスもいるし、ハレルのインサイドだってあるし、スクリーン使ってガリナリだってあるのに、なんでルーなのか。息子じゃないだけマシなのか。

同点のチャンスが残ったロケッツは当然ハーデンで勝負するも、3Pの前にハンドリングをミスして体制不十分で打ったためエアボールになったのでした。ちなみにガリナリがファールしていたと思うけど、ハーデンは3Pラインを踏んでいたので3点差だからどっちでも良かったわ。

これでカペラ伝説が終幕しました。

 

◉ロケッツの事

クリス・ポールがいないから何とも言えないけど、どちらかというとマーキース・クリスとネネイがいない方が響いていました。でもさ、ビッグマン不足は昨シーズンはそこまで困ったっけ。困る理由はディフェンス面でどうにもこうにもって事なので、トータルで苦しんでいると言った方が正確かな。

ルーズボールとかロングリバウンドとか、ロケッツは50/50のボールを確保するイメージが強いチームでしたが、そこで完敗した感じ。カペラもタッカーもいるのにね。

それに比べるとオフェンス面はスムーズ。攻撃力不足に映るかもしれないけど、ロケッツの場合は3Pばかり打つくせに割と安定しているのが売りだから、クリス・ポールがいないことを考えたら悪くないよね。

ただし、それじゃあ単に昨シーズンよりもディフェンス力が下がって弱くなっただけじゃないかと。その代わりにオフェンス面のプラスが欲しいわけだし、クリス・ポール不在の試合だからこそカーメロの機会が多くなるはず。

本来求めているのは、こういったカーメロで打開するプレーが多くなることだと思うのですが、やっぱり現状は単なるシューター。それもディフェンスの悪いシューターね。ミニマムサラリーだからロケッツ的には問題ないだろうけど、ジェラルドとどちらが良いかと問われたら微妙なレベルだよね。

ここでちょっと面白いのは、「ロケッツに来てカーメロが機能している」という人もいるけど、実際には単なるシューターなのに対し、サンダー時代のカーメロは1on1の機会も多く、ある意味カーメロらしさを発揮する機会は今よりも多かったです。シュートが決まらなかったのはサンダー関係ない理由も多い。

だけど「ロケッツに来て機能している」というのは、オフェンスシステムの中で役割が定義され、スムーズなシュートを決めていることに由来しているわけです。なお、どちらのチームもハンドラースタートを徹底だから、ウォーリアーズなんかとは意味が違うよ。

サンダーのカーメロとロケッツのカーメロだと、サンダーのカーメロの方がカーメロらしいと思うけど、機能しているのはロケッツのカーメロだと言うこと。でもそれならカーメロである必要がない。カーメロって何回書いたかな?

 

ロケッツって2年前は今日のチームとあまり変化ない中で56勝しています。だからクリス・ポールがいる分だけ57勝と予想しているのですが、ここまでクリッパーズの「量」に押し込まれるのだから、リーグ全体のレベルアップとロケッツ対策の方が進んでいる可能性もあるのでした。

ちなみにロケッツ対策で最も有効なのはハーデンにオールコートプレッシャーを与える事。普通のチームは出来ないけどブラッドリー、ベバリー、SGAがいるクリッパーズです。

 

ハーデン 31点 FG11/26

ゴードン 21点 FG7/18

カペラ 23点 FG11/14

ターンオーバーはチームで12しかないし、主役の3人はプレッシャーの中でも、まぁちゃんとやった感じ。ということは脇役陣の課題が多かったと言うこと。脇役にディフェンス力を求めた昨シーズン。オフェンス力を求める今シーズン。さて機能するのかどうか。

そしてカペラが20点オーバーだと負けない伝説が終幕した理由は「脇役」だったはずが「主役」にならざる得なかったから。カペラのプレータイム34分の得失点差は+10。40分のハーデンも+5。頑張ろうベンチ陣。カーメロは△18なのでした。

 

◉勝ったから良いけど

なんとか逃げ切ったクリッパーズですが、前述の通り、最後の方に不調のルーにやらせたり、ガリナリにアイソレーションさせたりとかなり怪しいプレーコールだらけ。それをハレルを中心にした7つのオフェンスリバウンドで乗り切った感じ。

〇4Qのスタッツ

ロケッツ FG55% 1TO

クリッパーズ FG38% 7OR

要するにロケッツの4Qのオフェンスは文句をつけられないくらいのレベルで、クリッパーズは本当に勝ったのが不思議なくらいの内容でした。助かったって感じ。

 

気になるのは単にプレーコールだけでなく、SGA、ルー、ハレルが4Qほぼ全部プレーしたこと。彼らはベンチスタートで3Q後半もプレーしているから、出ずっぱりでおそらく16~18分くらいありました。そんなの何の意味もないよね。

大した問題ではなく、後半にスターターとベンチを逆の順番で起用すれば良いだけなのに、わざわざベンチから主力級を出して、疲労するほど長くプレーさせてどうするのか。

このローテーションが選手層の厚いチームゆえの問題であり、リバースが上手くやるのだと思っていたのに見事に裏切られたのでした。本当に勝ったから良いけど、これで逆転されていたらHCの責任以外の何物でも無い。おそらく選手の組み合わせを考えてのユニットで、それは否定するような組み方ではなかっただけに、こうなる事は試合前からわかっていたのでは?

ルーとハレル。シュートが決まらないのにラストプレーを任せたように、リバースが最後にコートに残すことを選択するであろう2人の選手の適切な休ませ方を考える必要があるのでした。

 

これで2勝1敗のクリッパーズ。負けたのは初戦のナゲッツ戦で、そこではフリースロー42本も献上しました。

この試合のロケッツに与えたのは15本のみ。そして自分たちは26本全て決めました。ファールコールに左右されるシーズン序盤戦はフリースローを決めたら勝てそうな。

 

2018/10/22 クリッパーズvsロケッツ” への9件のフィードバック

  1. 現代離脱してるブランドンナイトですが、彼が戻ってくることでロケッツにどんな影響をもたらしてくれるのでしょうか。そして次のジャズ戦もクリポが出ないことで何か変わりますかね?

    1. ナイトは長期離脱なので、トップフォームで戻ってくるかも不明です。クリスのために手元に来た選手というくらいなのではないでしょうか。
      メディカルチェックはあったはずなので、出れないのを承知で獲得したかと。

      CP3というか、単純に選手層が足りてないですね。フェイバーズを止められる気がしません。
      オフェンスで打ち勝てるのかどうかという勝負になりそうです。カーメロが決めまくらないと。

  2. 西はロケッツとサンダーが遅れましたかね?
    ロケッツはちょっと守れなくなってるし。
    サンダーは弱い相手に負けてるのはマズイ気が。

    1. ロケッツはまぁ別に。立て直す必要はありますが、ケガ人も多く、そんなこともあるよくらいで。
      サンダーはマズい。あれはマズい。ウエストブルックがいない状態があまりにも酷すぎました。ディフェンスが崩壊したのが何故なのか?

  3. メロをセンターに据えてスモールラインナップはどうですかね。
    ディフェンスはスピードで振り切られる心配はないし、3pもうてるので。
    レイカーズのクズマのような感じで機能しないですかねー

    1. クズマはちゃんと自分の良さをオフェンス面で出しまくっていましたが、カーメロはどうかな。

      正直、別にカーメロが悪いのではなくて、ピック&ロールに使ったりして外から打たせるパターンを使えば良いと思うのですが、下手なのか何なのか試合では全くやらないです。そこがダントーニの小さな拘り。
      センターに据えるのはどうかと思いますが、オフェンス面ではセンター的な役割をこなせばよいのになぁ、と思っています。

  4. レイカーズ戦、乱闘騒ぎのときただ突っ立ているハーデン…相変わらずでした笑

    メロどうにかハマって欲しいですね。。。

  5. 待望のロケッツ評!

    ありがとうございます。

    ポールはなんであんなに喧嘩っぱやいですかね。いいヤツなのに。
    カリーもメンタルが弱点。
    相手のエースともめて、消すもしくはプレーを雑にする。作戦としては正しいのかも。

    見てる方は面白くないけど。

    新人センター君は良いところにいるし、高さのディフェンスはできるし、けどなんかやらかしてますね。慣れてくればカペラの代役になれますかね。

    こーして、新人やカーメロが横の動きでブチ抜かれてるのみると、ワタナビとっとけば!と、思ってしまいますが。怪我したアジアンセンターがいる限り無理ですね。

    1. ロケッツは中国とのパイプ強いですから、戦力にならない日本人は不要でしょうね。

      新人センターは個人としては悪くないですが、あれもこれもフォローさせられて、ロケッツらしくないというか。タッカーもヘルプで目立たなくなってきたのは、1人目が抜かれすぎなのかな。

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