4日目となり、このブログも通常営業になり始めました。本日はナゲッツ、サンズ、ピストンズ、ブルズというチョイス。やっぱり反応が少ないから、人気を稼ぎたいブログ向きではない内容です。
さて、初めに気になるというか、断っていくことが。
クリス・ダン(子供が生まれる)が欠場しているとロクな試合にならなかった昨シーズンのブルズ。マルカネンもいないし、全く期待できないと思っていたのですが、とっても面白い内容でした。ホイバーグ好きな管理人。そしてグリフィンのあのプレーが全然好きじゃないのだけど、ところがピストンズもまた面白い内容になったのです。
これから両チームについて褒めることになりますが、まだ良く分からないけど、ひょっとしたら「噛み合いすぎた試合」なのではないかと思っています。お互いに良い部分を出しやすい相手だったということね。相手がやりたことを阻害出来なかった試合ともいいますが、どちらもチームを上手く作っていきたい段階なので、ある程度は致し方ないよね。
そんなわけで褒めるのだけど、だからといって他のチームとの対戦で再現されるかというと、そんな事はない気がするのでした。あれだなホーネッツを褒めているけど、勝っているのはあくまでもケンバが得点しているから成立しているみたいな。
今回は試合全部見てから書いていますが、正直前半の内容とか忘れ始めているので、トータルでどんな印象だったか触れてみましょう。
〇ローテーション
ダン、マルカネン、ヴァレンタインがいないブルズ。
スターターはペイン、ラヴィーン、ホリデー、ポーティス、ヴェンデル・カーター
ポーティスが好調という事情もあるのですが、どうやらポーティス+カーターをセットで考えている模様。ロペスとパーカーがベンチスタートです。プレシーズンで観たときはこっちがスターターセットでした。まぁプレータイムシェアのチームなので、長く出るのが誰になるかは試合によって違います。
もう少し付け加えるとラヴィーンとパーカーを対角にしている気がします。スピードと突破力のある選手を常に誰かはコートに置いときたいスタイル。
ケナードがいないピストンズ。ケナードいなくてもファン以外は気にしないか。
こちらはスターターは普通ですが、グリフィンとドラモンドは対角での起用。グリフィンの時は+パチュリアも使ってきます。ラプターズはイバカとバランチューナスを同時起用するケースを減らしましたが、ケーシーは両方使いたいタイプ。HCが移籍すると選手の質が違うから「何がHCの特徴なのか」が理解しやすくなる。
まずは噂のドラモンド3P問題から触れていきましょう。
〇ドラモンドとグリフィン
「ドラモンドが3Pを打つ」ことには疑念を抱いていますが、プレシーズンで見た限り、2人のビッグマンがいる中でセンターが3Pを打つことは悪いことではありませんでした。そこで上手くバランスが取れている。ピストンズの問題は今どき、こんなビッグマンを2人同時起用してどうするのかということでしたが、1つの解決策が3Pなわけです。
ただし現状では「ドラモンドさんどうぞご自由に打って下さい」というディフェンスをブルズがしているので、打つ意味があるかどうかというと・・・決まらないし。
大切なのはドラモンドをスペーシングさせる意識があり、それが機能していたことです。ローポストでグリフィンがボールを持つとフリースローラインから3Pライン辺りで意味なくウロウロしているドラモンドですが、ふっと逆サイドのゴール下にカットします。主な目的はリバウンドですが、カットによってディフェンスがポジションを変えるのでヘルプに行きにくいタイミングが発生し、グリフィンが仕掛けるみたいな。
この試合ファールトラブルで23.5分しか出なかったドラモンドですが、しっかりと4つのオフェンスリバウンドをとっています。「3P打ち始めてリバウンドが減る」のが最低最悪な結果であり、ドラモンドはスペーシングしながらも、ちゃんとリバウンドに参加しているので「3P」だけを切り取らないでと言いたいのでした。
グリフィンとの連携改善のために完成度は低いけど、やろうとしていることはちゃんと意図があったよ。ケーシーは3Pを打たせすぎないマネジメントをしっかりとしています。1試合2本までとか決められていそう。
〇グリフィンのポストアップ
もうひとつ大切なのはグリフィンがポストアップするパターンが増えた事。ドラモンドがいたこともありPGみたいなことばかりやりたがった昨シーズンとはちょっと違う。カルデロンに「お前はポスト行け」みたいな指示されていたし。
管理人がグリフィンを嫌いなのは、あのトップから仕掛けるパターンに意味がなく、大体潰されるか、3P打って終わるかだから。そしてインサイドでも囲まれてからパスを出すから、全然機能しなかったこと。ほぼリバースによる戦術グリフィンの問題。
しかし、この試合のグリフィンは違う。ケーシーによる戦術グリフィンは、グリフィンが最も強力になるローポストでボールを持たせ、前述のドラモンドのカットプレーなんかを混ぜながら、視野を広く保たせ、ディフェンスがよってきたらすかさずパスアウト、ヘルプのポジションが悪ければ自分でアタックを判断出来ていました。得意のスピンムーブからのダンクも、ちゃんとジャレット・アレンがヘルプにいないことを確認して実行したのだと思います。
特にパスがちゃんと出たので、5アシストになんと0ターンオーバーです。ヨキッチのスーパーな活躍に消されているけど、グリフィンもまた素晴らしい内容でした。
33点 3P5/7 12リバウンド
ドラモンドの逆パターンで3Pを打つこともありますが、以前のような選択肢がないから打つ雰囲気ではなく、状況判断で打っています。無謀なドライブもなく、ボールを持ちすぎることもない。本当に動きが良かったのでした。
クリッパーズファンには是非、見比べて欲しいピストンズのグリフィンでした。まぁでも3Pが決まったから無謀なドライブしなかった疑惑もちょっとあるから信用するのは、まだ早いかもしれない。
33/12/5
Blake had himself a nice little night in Chicago. pic.twitter.com/TKQH426F8x
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) October 21, 2018
〇ブルズのヘルプディフェンス
そんなグリフィンの活躍を促したのが、ブルズのディフェンス。ここら辺が噛み合わせだった疑惑です。
割と早いヘルプを用意し、ダブルチームも積極的に仕掛けます。カーターの見事なブロックなんかも飛び出しますが、インサイドへの収縮が早すぎて、アウトサイドのオープンが出来ていたのも事実。それを見逃さなかったグリフィンなのか、わかりやすすぎたブルズなのか。
ピストンズは40本の3Pを打ちますが、オープンで打っていることが多く、ローテーションが間に合っていません。ただ、間に合っていないけど誰も向かっていないことも少なかったから、これまた何とも言えないのでした。今シーズンのブルズはルーキー2人とパーカーを獲得し、ビッグマンが増えたのでヘルプの力を減らさずにアウトサイドにチェックに出ると予想していました。
現状はマルカネンの離脱で現実になっていませんが、狙いたいのは3Pを打たせるけどフリーにはしない形なのではないかとポジティブ予想です。現時点では単に打たれすぎ、決められすぎ。その原因はヘルプのタイミングが早すぎることです。
That vertical 😮
Block brought to you by @WendellCarter34: pic.twitter.com/XYLHxgpfVB
— Chicago Bulls (@chicagobulls) October 21, 2018
〇トランジション
ブルズのもうひとつの問題は、トランジションディフェンスで止めるのが遅すぎて、ピストンズのハンドラーがスピードに乗ってボールを運んできてしまうことが多く、それに対応するスピードがないからガンガン抜かれてしまったこと。要するに腰が引けすぎていた。
その逆でピストンズは狙っていたのだと思います。ドラモンドも割と切り替えが早く、前への推進力がありました。今シーズンはガードを多く補強しており、グリフィンも含めてボールプッシュできる選手が多いので、トランジションの速さを求めたいのかもしれません。
ただし、それは得点に繋がったかというと、ちょっと微妙。
〇ザック・ラヴィーン
速くて得点になったのがザック・ラヴィーン。いやー、良かった。すごく良かった。また観たいと思ってしまったよ。素晴らしいぜ。ウルブズはバトラーとトレード提案すれば良いのに。
以前は強気に打ち過ぎていて、なんか独りよがり感のあったラヴィーンですが、周囲をしっかりと見回しながら、オフボールで動き回ったり、スクリーンをしっかり使ったり、自分のスピードでディフェンスに囲まれる状況を避け、適切なドライブとパスの判断が出来ていました。ここが強引なシュートでなくなったのが素晴らしい。
ラヴィーンの場合は速いと言うよりも優雅に抜けていくイメージで、この日の相棒のペインや速くはないけど優雅なマルカネンとちょっと似ている。加速と減速がスムーズなイメージかな。あと、ストップが少なく遅くても常に動いている感じ。
クラッチタイムには同点となる3Pを沈め、2試合連続の30点オーバーとなる33点。FG12/22と高確率でターンオーバーも3つのみ。ただし、最後の1つは試合を決める奴だった。2点差で迎えたラストプレーでグリフィンとのアイソレーションになると、ドライブで抜けるところを3Pを選択してミスしました。
同点ではなく逆転を好んだわけで、この失敗が次にどうなるのかも注目しましょう。次も観たいラヴィーン。これでダンもいるわけだから非常に楽しみ。
ただし、ラヴィーンが速いしハンドリングで抜け出すことは理解していたけど、ピストンズのディフェンスもどうなんだ?あまりにもソフトに抜かれすぎている気がするのでした。
Another more than solid game by @ZachLaVine, scoring 33 points tonight against the Pistons: pic.twitter.com/B8NgSsVAuj
— Chicago Bulls (@chicagobulls) October 21, 2018
〇スクリーンとニセスクリーン
ラヴィーンが抜け出していく理由のもうひとつにブルズのスクリーンがあります。管理人はこのスクリーン戦術がお気に入りでホイバーグに注目していたのですが、マルカネンというシュータービッグマンがいないと、機能性がかなり落ちる。3Pを使うから裏への抜け出しも増えるわけで、ちょっと苦しいよね。
そう考えていたら、この試合のブルズはフリップを頻繁に使っていました。いわゆるスクリーンに行くと見せかけて、リングにダイブするのですが、実はフリップだけでなく「スクリーンに行くフリ」が頻繁に混ざっていました。これはルール改正でスクリーン周囲のファールコールが厳しい事も関係しているかもしれません。
スイッチするのが一般的になってきた中で、スクリーンとみせかけてしないパターンが多く混ざってくるとディフェンスは判断が難しくなります。「判断が難しい」ことをさせるのがホイバーグであり、同時に自分達は「柔軟に判断する」ことを求めています。
ラヴィーンが抜け出すことが多かった理由は、割と柔軟に判断出来ていて、なおかつ速いからディフェンスが後手を踏むことが多いためです。非常に面白いブルズのオフェンスは、現代的なものをもう一歩先に進めようとしています。
「マルカネンがいないブルズなんて」と思っていたけどラヴィーンが良くって、スクリーンのパターンが増えてきてと、観たい要素が沢山出てきたのでした。なお、実際に試合を観ると期待を裏切られることも多いことは忘れてはいけない。
〇クラッチタイムのピストンズ
試合はそんな両チームの思惑が一致してか、お互いにスムーズなオフェンスを披露し、一進一退の攻防が続きます。
ピストンズ 3P18/40
ブルズ FG51%
3Pが非常に良く決まったピストンズに対し、ドライブからペイント内で高確率のシュートを決めたブルズ。オフェンスが良かったのか、ディフェンスがあれだったのか。いずれにしても噛み合った内容。
〇ターンオーバー
ピストンズ 9
ブルズ 12
それでいてお互いにミスも少なく、多くがトラベリングやオフェンスファールと言ったカウンターに繋がらないミスでしかありませんでした。だから大崩れしなかったし、ラッシュにもならなかった。よく言えばムダなミスがなかったし、悪く言えばミスを促すディフェンス力がなかった。噛み合った。
そんなわけで終盤勝負になります。なお、ドラモンドは終盤になって退場。
ここでピストンズはイシュ・スミスをPGにして、レジ-・ジャクソンはコーナーに置きます。ハンドラーに判断力を求めるラプターズらしい選択は、イシュによる見事なコントロールと、グリフィンを使ったアイソレーションで機能していくのでした。概ね好評なこのパターンはレジ-・ジャクソンをSGにすることも好評なのですが、本人は超つまんなそうにしていた。毎試合やると不満が爆発するかもね。
残り1分でグリフィンの3Pが決まり5点リードしたピストンズ。しかし、この次のブルズのオフェンスはフロントコートに入った時点で何故かレジーがファールゲーム。5秒しか消費せずになんなく2点をとって3点差にするブルズ。まじで意味わかんないピストンズの判断は一体なんだったの?
グリフィンのシュートが外れ、ラヴィーンがポーティストのピック&ロールから3Pを沈めて残り24秒で同点になります。伏線として、それまでのオフェンスでラヴィーンは、ピック&ロールでポーティスをしっかりと使っており、パーカーなんかも決めていました。しかもこの試合はドライブ中心だっただけに、十分にフリが効いた段階での3Pはピストンズには祈るしか出来ませんでした。
ピストンズは再びイシュがコントロールし、2人のスクリーンを使ってからグリフィンを狙ったと思われるセットを用意します。しかし、ここでディフェンスの穴を見つけたイシュが自ら切れ込んでレイアップを決めたのが決勝点に。
Your game-winner, courtesy of Ish Smith. #PistonsNow pic.twitter.com/BY89wHHJEh
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) October 21, 2018
両チーム共に面白かった試合でした。工夫が溢れているし、独りよがりなプレーも少なく、チームとしてちゃんと判断しようぜ、という空気感があります。だけど両者がやっている内容は全く違う。そして噛み合ってしまった気がするのでした。
殆ど差が無かったけれど、ブルズは連敗でピストンズは連勝スタート。小さな差が積み重なって結果として大きな差になるだけに、両チームの立ち位置を示しているような結果でもあります。こういう形で勝ち運をもっているケーシーだし、ニック・ナースに負けていられないことを示してくれました。
グリフィンのスマートなプレーぶりが続くなら、ラヴィーンの優雅なドライブが続くなら、次の試合も楽しみなのでした。
ラヴィーンは途轍もない身体能力を正しく活用できるようになってきました。ウィギンスも見習ってほしい…
ラヴィーンはブルズのシステムに適合しているのも大きいです。ルビオが長く持つのも、連動性がないのも能力を活かしきれなかった要因かと。
いわゆるケガした事で、抑え気味でプレーしているのも良いのかもしれません。ただピストンズのディフェンスもね。
ちゃんとジャレッドアレンがいないことを確認して、がウケました。
次回対戦時はガツンとかましてリベンジハイライトして欲しいです。(アレンに奮起してもらうためにも)
まぁちゃんとヘルプにくるロペスの逆を取っていたので、ジャレット・アレンの影はグリフィンを改善させたかもしれません。
今年のラヴィーンはドライブの精度の向上だけでなくジャンプシュートの安定性も格段に向上していると思います。オールスター選出に期待したい…
グリフィンもラヴィーンもこのまま行けば!
昨季後半あたりからのイシュは鋭いドライブに結構正確な3Pが加わったことで、インサイドメインなスター達とうまく共存できてる感じがします。スタンリーとケナードが合体しないかな〜。
そしてパチュリアいいですね、これもHC交代の影響でしょうか。
パチュリア良いですか?
個人的には演技が成功しているとしか。
ただパチュリアレベルの選手が「よく見える」というのはチームの中で機能していると言うことです。
その意味ではケーシーが使いたい選手として、上手く融合させているということかと。
久々にブルズの試合見ましたが、ラヴィーンの印象が全然違いました。こんなオフボールで動いていたっけって感じです。
裏を取ったりもしていてかなりよかったです。
ディフェンスはダブルチーム積極的にいってグリフィンに捌かれてましたね。
ヘルプのタイミングさえ掴めればそれなりには機能しそうですが…
現時点ではまだまだですね。
ずっとグリフィンはポストで使えと思っていましたが、やっぱりグリフィンはこの形が活かされると思いました。
ギャロウェイ、バロック、スタンリーなどもいますし。
ラヴィーンはもっとサボるイメージですよね。でもスクリーンの連続と、リアクションオフェンスなので動かないと行けないし、動き方もチームで指示されていると思うので、それがラヴィーンの悪い部分を消しているのだと思います。
ディフェンスはダブルチームに積極的だけど、ちょっと観ないタイミングなので、うーん何を目指しているのかって感じです。
ポジティブに言えば多くのことを試していて、新しい要素が次々に出てくるブルズですし。勝つほどの戦術にはなっていないのです。
グリフィンはオールスターレベルに帰ってきましたが、その理由がポストプレー中心にしたことで「プレーのパターンを減らした」なので、ケーシーの力が大きかったですね。
ギャロウェイはもっと決めないと!!
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
このブログでホイバーグの戦術を詳しく書いてもらっており、ここの記事を見てから試合の見方が広がりとても良かったです。
ブルズファンとしてはとても楽しみなシーズンでありながら、とても裏切られそうで、そういうところも好きなので、またプレビューいただけると助かります!
長々と失礼しました。
ホイバーグのオフェンスはとても好きなので、ちょくちょくブルズは観ることになります。
ただ毎年ケガ人が多いし、マネジメント出来ているのか怪しいし、ディフェンスは一向に改善しないし。
たまに観ていて嫌になることもあるのでした。
こういう接戦を勝ち抜けないと、批判されそうですね。