20180418 ブレイザーズvsペリカンズ

◉前半の攻防

 

〇爆発力と粘り強さ

ペリカンズには爆発力があります。ブレイザーズは爆発はしないけど粘り強さがあります。

そんな特徴を出すかのように5点くらいをポンポン奪っていくペリカンズと、それを3分くらいかけて取り返すブレイザーズという攻防が続きます。シュートが決まるペリカンズなので決まれば連続得点ですが、ディフェンスが強いブレイザーズはそう簡単に打たせないし、落ちればリバウンドをしっかり確保します。

しかしブレイザーズはシュートはあまり決まりません。だから少しずつとりかえすという感じです。1Qは25-23とペリカンズ2点リードですが、オフェンスチームとしては物足りなく、ディフェンスチームとしてはとられすぎなので互角と言った感じです。

 

〇アンソニー・デイビスvsヌルキッチ

アンソニー・デイビスとヌルキッチのマッチアップは面白く、意外と負けないヌルキッチがいます。しかし、それはあくまでもまともに勝負したときの話で、少しでもマークがズレればアンソニー・デイビスの楽勝だし、ヌルキッチがズレた状態でもらってもプレッシャーに負けます。

そしてもうひとつの問題はヌルキッチのいない時間が苦しいのですが、ここに返ってきたハークレスが違いを生み出します。正確に言えばハークレスでは勝てないのですが、アミヌやエド・デイビスと一緒にコートにいることでお互いにスイッチが怖くないし、高速ヘルプを期待できるのでチームとして対応できます。

ハークレスはオフェンスでも個人でフェイダウェイを決めれば、1人で走って速攻を決めます。待っていたぜ!ハークレス!!

 

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〇ギャップがあるブレイザーズのインサイド

1Qは互角だったものの、ベンチメンバーが増えた2Qでラッシュしたのはブレイザーズ。その理由はより走れるからでした。ハークレスのタフディフェンスと高速ヘルプでアンソニー・デイビスを困らされると少し手段が乏しくなるペリカンズ。ホリデーがベンチなので打開する選手が足りません。ソロモン・ヒルもいまいち。

その間にドライブからのエド・デイビスへの合わせで得点していくブレイザーズ。これがスターターのヌルキッチだとこのスピード感がないので、ペリカンズはギャップに苦しんでいる感じです。上手いけど合わされてからでもブロックに行けば間に合うヌルキッチと、下手だけど合わされてからでは間に合わないエド・デイビスのギャップ。

 

〇ペリカンズのディフェンス

とはいえ、守る事なんてペリカンズの辞書にはありません。クラッチタイムに守れば十分という辞書です。アンソニー・デイビスの高さで守り切れたときには、そのまま速攻で決めきってしまうので、外れるの待ちで問題ない感じに振り切っています。シクサーズは見習おう。

1Qの逆で5点のリードを奪うのに時間がかかるブレイザーズと5点のビハインドくらいワンチャンスなペリカンズという展開でやっぱり互角だよね。

 

〇ザック・コリンズ次第

ペリカンズは基本的にブリッツ気味に守ります。リスクだらけの守り方ですが、まぁリスクとか関係ないし、ちゃんと守る方が疲れるし、フリーにしちゃえば打ってくれて展開早くなるし。

だからハンドラーのリラードとマカラムはシューとが打ちにくく、周囲は打ちやすいからある意味論理的かもしれません。そんなフリーでザック・コリンズが決めてリードしますが、外して逆転されもします。

 

〇ホリデーvsアミヌ

ホリデーが戻るとペリカンズ優勢になります。アンソニー・デイビスの恐怖を気にしながらホリデーを止めるのがとっても苦しそうなブレイザーズ。ホリデーを気にするとアンソニー・デイビスにプットバックダンクを決められます。

でも今度は空けられるアミヌが決めまくってブレイザーズリードになります。事情としてはほぼペリカンズ事情の展開なわけですが、アミヌの3Pで勝つのはブレイザーズのパターンでもあります。前半で4本の3Pを決めたアミヌ。でもゴール下のダンクは全て失敗するスーパーっぷり。

 

そんな感じで最後はマカラムが3Pをねじこむけど、何故かターナーがロンドをフリーにして3Pを決められて59-54でブレイザーズがリードします。ロンドの3Pが決まらないなんて昔の話です。

ブレイザーズのペースだけど、このスコアはペリカンズが求めている展開です。

 

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リラード&マカラムがこの試合も前半の3P1/8です。それがなければ大量リードだったはずですが、それが決まっているならブレイザーズじゃないかもね。

ペリカンズは14点のホリデーがとにかく素晴らしい。隙をついたカットプレーに常にアンソニー・デイビスへのパスを匂わせるドライブで嫌らしく巧みに得点しています。

 

ハークレスとコリンズが後半も働けるかが勝敗をわけそうな雰囲気です。ペリカンズのベンチはダリウス・ミラーが決めているくらいなので、差をつけるチャンスはそこにありそうなブレイザーズ。

 

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◉後半だよ

 

〇ムーアとターナー

後半になってもホリデーが止まりません。ターナーはそのマークのために出ているのですが、無力になっています。ブレイザーズと言えばレイトスイッチですが、ここでミドルを打たせたいのですが、ペリカンズはホリデーのカットイン時にゴール下を空けているので、フリーになるケースが増えます。

当然そこにはヘルプが行きますが、それに合わせるのがムーア。この人は本当に合わせる達人です。ブレイザーズはアンソニー・デイビスを気にしているので、視線がムーアから消えてしまいます。決して大きくないムーアなのですが、インサイドで簡単に得点するのは完全にディフェンスの視界から消えているからです。

 

ブレイザーズでその役割をすべきなのはターナーです。アミヌが決めている中でマークが寄っていて、一番フリーになっているのですがイージーシュートへの積極性が足りず、打っても外してしまいます。この2人の差が次第に大きくなり始め、ローテーションが混乱してきたブレイザーズ。アンソニー・デイビスを止められなくなっていきペリカンズが逆転します。

 

〇エースと仲間達

次第にペリカンズのリードが大きくなっていきます。しかし、これがペリカンズの爆発ではなく、粘れなくなったブレイザーズ事情です。

ペリカンズはアンソニー・デイビスと仲間達です。でもエースはフィニッシュ専門なので、全ての選択権は仲間達にあります。そんな仲間達がエースを活かしたり、囮にしたりとしっかりこなせるのがペリカンズの強さです。そんなチームは他にありません。

同時にエースのアンソニー・デイビスもいい奴です。仲間達のプレー選択に文句をいうことはほとんどないし、リバウンドやスクリーンもしっかりやります。ベン・シモンズ的なロールプレイもちゃんとやるスーパーエースです。だから効果的に得点していきます。

 

ブレイザーズはリラード&マカラムと仲間達です。積極的になった仲間達ですが、プレーの選択権はリラード&マカラムにあります。仲間達が決めるようになって強くなったのですが、それはあくまでもガードの判断次第。それが自分達で打ちまくり外すようになります。

ワガママが許される形にしているブレイザーズなので、そのプレー自体は否定してはいけません。しかし、決められないならば単なるおバカなチームと化すのも事実。そしておバカになってしまってペリカンズの11点リードになるのでした。

 

そしてアンソニー・デイビスが何をしても全てブレイザーズが悪いことにされていきます。ポートランドのファンはアンソニー・デイビスにはブーイングしないけど、レフリーに大ブーイングです。ハークレスは何もしていなくてアンソニー・デイビスが肘を振り回したのに、ディフェンスファールって誤審レベルじゃないよ。

 

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〇ルーキーとベテラン

 

今季凄いのはルーキー達の大活躍です。シモンズ、ドノバン・ミッチェル、テイタム、アヌノビーとプレーオフでも変わらぬクオリティを発揮するルーキー達。ザック・コリンズはそんな大活躍は出来ません。しかし、ロールプレイヤーとして自分の役割を果たそうと必死で、打つべき場面で躊躇わず打ち、3Pで貢献します。

イアン・クラークはシュート能力と優勝経験を買われてペリカンズにやってきました。しかし、タフショットが増え、スクリーンファールをしてしまいます。

別にクラークに限らず、この手の話は結構あって、ベテランの方が余計なプレーをしてチームを混乱させたりします。よく言えばその場での判断力があり、悪く言えばコンセプトと違うわけです。

 

ブレイザーズはそんな雰囲気をたっぷりと醸しだし、前半のシンプルなボールの繋ぎ方から、1人ひとりがアクションする時間が長くなり、リズムもなにもありません。コリンズだけがシンプルという苦しい展開で3Qが終了します。

87-78とペリカンズの9点リード。ホームで連敗とか笑えないぜ!

 

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〇全力のペリカンズ、休ませるブレイザーズ

ペリカンズはアンソニー・デイビスもホリデーも起用し続けます。そのため勢いは止まりません。

しかし、ブレイザーズは休ませていたマカラムが1人で気を張り、リラードはベンチで戦況を眺めます。この判断は当然ペリカンズが有利に進みます。しかし、それもシーズン通りでしかないし、コリンズのように打つべき場面で躊躇わず打って、決めたり外したり。

そんな中でマカラムが連続で決めていきます。チームを救うマカラム。

 

戻ってきたリラードも休養を経て頭を冷ましたか、シュートを決めていきます。休みをもらいながら、その間にチームはギリギリで点差を守っていきました。そして戻ってきたエース達の活躍で残り6分2点差になっています。

ビハインドの中でも、不利なコールばかりの中でも冷静さを失わないテリー・ストッツのお仕事。

あとはエース達のお仕事という雰囲気になっていきます。

 

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◉クラッチタイムだよ

 

凄いメンバーで望むブレイザーズ。リラード、マカラム、ハークレス、アミヌ、そしてコリンズ。ケガ明けのハークレスとルーキーのコリンズを使い、なおかつスキルが足りなそうな3人同時起用だぜ!

しかし、これが大正解だからテリー・ストッツ有能です。外しまくるブレイザーズなのですが3人が外からリバウンドに飛び込んでくるのでオフェンスリバウンドで同点に追いつきます。守ってももうよくわからないからスイッチとヘルプの雨あられ。

 

それでもホリデーが確実に2点を決めれば、ハークレスがリングの上を転々とする3P。ミロティッチがリングに全く触れない3Pでペリカンズ2点リードに。残り2分。

ホリデーVSコリンズの状況を作り、3Pで5点リードになります。リラードがミスで追い込まれるブレイザーズ。ここにきてもコリンズ使うのか!?

ムーアがフリースローをもらいますが、ミスしてしまいます。ところがリバウンドをキープして時間が減ってしまう中、ロンドがコーナーから3Pを決めて40秒8点差になってしまいます。このとき、ブレイザーズはオフェンスのためにカニントンを起用していました。

 

あぁ、何故そこでリバウンダーをいれなかったのか。悔やまれるテリー・ストッツ。

 

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タイムアウト明けのブレイザーズはタップシュートで0.2秒しか使わずに2点返します。

プレッシャーディフェンスが成功しかけますが、ルーズボールがことごとくペリカンズに出てきます。結局ファールゲームにいくしかなくなり追いつけなくなったのでした。

 

いや、本当に引くレベルでレフリーが酷かった。最後もノーファールでプレッシャーかけているのにファールコールされるし。

レフリー酷い話はよくありますが、それって大抵は「どっちのファールかわからない」みたいな状態だったり、「それがファールかよ」くらいの感覚です。ブレイザーズが触れてなくてもファール吹かれて、ペリカンズが出したのにペリカンズボールになって、目の前のレフリーが何もコールしないのに遠くにいるレフリーがコールして。

ペリカンズはそんなコールなくても十分に勝てそうな試合だっただけに、それがレフリーに守られて勝った感じなので、後味悪いです。

 

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一番読めない対戦だったはずが、まさかのアウェーで2連勝のペリカンズ。それも自分達のゲームって感じじゃなくてブレイザーズが逆転するパターンを守り切っての連勝です。

ペリカンズのディフェンスが良いのか、リラード&マカラムが悪いのか?

それはおそらく両方なのでしょうね。

 

〇ダミアン・リラード

17点 3P1/7

〇CJマカラム

22点 3P3/8

 

ちゃんと仕事したよテリー・ストッツと仲間達。アミヌ、ハークレス、コリンズで7本の3Pを決めました。ある意味、彼らをオープンにするペリカンズの作戦は失敗しています。

 

〇ペイント内得点

ペリカンズ 50

ブレイザーズ 46

〇ベンチポイント

ペリカンズ 11

ブレイザーズ 36

 

スタッツを追っていっても悪かったのはリラード&マカラム、あとターナーくらい。働くべき選手が働かずにホームで連敗という笑えないブレイザーズです。

なお、ヌルキッチは足を痛めました。15分の出場に留まりましたが、ベンチには座っているので次の試合は出てくるかな。

 

 

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〇ペリカンズ

FG 51%

3P 50%

 

ブレイザーズに苦しめられたものの、オフェンス面では自分達を保ったと言えるペリカンズ。特にホリデーは予想以上に圧倒してきました。いったいどうしたことなのか。

これでかなり楽になりました。昨季のブルズじゃあるまいし、実力差が小さい両チームで2勝+ホームコート3試合のリードはかなり大きいです。

 

セカンドラウンドが見えてきたペリカンズ。もうウォーリアーズしか見えていないのか!?

だとしたらベンチメンバーもう少し使った方が良いよ。多分、いくつか相手に合わせる場面が出てくるはず。オカフォーとかマギーに当てときゃ止めてくれるよ。

 

触れることがあんまりないよ。

 

20180418 ブレイザーズvsペリカンズ” への4件のフィードバック

  1. さすがにホームで2連勝は予想してませんでした。
    でも、ここ乗り越えてもウォーリアーズからのロケッツorサンダーorジャズなんて、西は厳しすぎる、、、

    1. 激戦のウエストなので、どこが相手でもグダグダな感じで負けるのだけは許されないですし。
      2連勝しても終わった感じもまたしないんですよね。

  2. どうしようもありません。完敗ですね。良くも悪くもリラードのチームで、試合終盤まで不調でも何とかするし、何とかしてきたのがリラードでしたが、これだけミスをしてはどうしようもない。酷いレフリーはいつものことで、ブーイングすればするほど酷くなる。POにホームコートアドバンテージの笛はないけど、あまりに酷い笛でした。
    最後はコリンズでなく、ヌルキッチ怪我ならディビスを使って欲しかった。
    ハークレスは戻って1人だけ頑張った感じになってしまいました。FGは5/5だし、ディフェンスも出来ていたし、ちゃんと走っていたし。Gコンビが駄目なら負けたHOU戦のように回りをもっと上手に使えば違った展開だったでしょう。
    Home連敗は流石に終わりましたね。残念です。

    1. 最後はデイビスで良かったはずです。逆にコリンズ空けられてましたからね。

      まぁリラードで負けたのだから、何も言えないって感じでした。

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