トルコに敗れてグループ2位での決勝トーナメント進出になったセルビアとヨキッチ。相手はシェングンだったので、ネクストジェネレーションとの戦いでもありました。シェングンはプレースタイル的にもヨキッチみたいになっていくことが期待されますが、その一方でどうしても追いつけないであろう点が「インテリジェンス」。
ここについては、史上類まれなレベルのヨキッチなのでシェングンがどうのこうのではなく、そもそもヨキッチレベルに試合の流れを読み、ディフェンスの動きを読み、ふとっちょな身体を有効活用してプレーする選手はいないので、誰も追いつけない領域だったりする。
だからこそ、オリンピックでも「ヨキッチがいるだけでアメリカと互角」とすら思える内容でした。っていうか、セルビアが勝ってよかった準決勝。なんだけど、今回のユーロバスケではボグダノビッチが離脱したこともあって、内容が悪いセルビア。トルコ戦もそんな流れを強く感じました。
『ヨキッチがいれば何とかなる』といいつつも、なんとかなっていないのが今回のセルビア。ラトビア戦でラスト11点全てヨキッチが奪ったりと、ヨキッチ自身は相駆らわずなんだけど、ヨキッチの個人能力に頼り過ぎっていうかさ。そう、ヨキッチの『インテリジェンス』が、あんまり発揮されていないんだよね。
局所的に言えば、プレーを読んだり、敢えてフリーにしていた選手にパスを出させて奪ったりと、十分にインテリジェンスはあるんだけど、チームとして考えると例えば次のようなプレーが起こるわけですよ。
◎vsラーキン
この試合、セルビアはラーキンを要警戒していました。フェイスガードで守り、ボールも持たせたくない。そのディフェンスがやりすぎでバックドアカットを食らっているのはバカみたいにも見えました。特にヨキッチがハンドラーがドリブルを止めたのをみてプレッシャーをかけたのに、バックドアカットでゴール下フリーでレイアップを打たれたガードディフェンスは、どうしたもんかい
そしてインテリジェンスって意味では、このシーンがとても気になりました。トランジションの流れからマッチアップがラーキンvsヨキッチになってしまうので、セルビアディフェンスはダブルチーム気味にラーキンへ行きます。
この時、完全にスイッチしてもいいんだけど、それはヨキッチ側からは出来なくて、23番グッドリッジがラーキンに襲い掛かることでスイッチが成立します。まぁやらなかったわけよ。それでも中途半端な位置取りでラーキンを悩ませたまではよかった。
ラーキンからサイドにパスがでると、すかさずゴール下のマッチアップに戻るヨキッチ。ところがグッドリッジまで何故かラーキンを放置するという。ワイドオープン3Pになってしまいました。これが意味わからん。
このシーンはそこまで『インテリジェンス』を感じるシーンではないのですが、それでもヨキッチの部分で言えばラーキンに対しての中途半端な立ち位置で成立させてしまう事や、ラーキンのパスと同時にスペースを埋めてミスマッチ解消の動きをしているのは流石・・・といえばサスガ。
でもって、これがナゲッツだと見事にオフボールスイッチを連発するのが日常です。
サイドにパスがでる
⇒1枚がずれてマッチアップする
⇒ローポストのマッチアップはヨキッチが戻っている
これがスムーズに行われるから『インテリジェンス』と言いたくなるわけです。無言の連携。
でも、セルビアの場合はこうして何も起こらないというか、ワイドオープンの3Pが生まれてしまいます。ここにインテリジェンスなんて何も存在しないよね。ただの連係ミス。そもそも曖昧なものだし、個人で成立させるのは難しい要素でもあるので、ヨキッチが凄いのか、ナゲッツが凄いのか・・・まぁナゲッツのディフェンスは大したことないわけだけどさ。
てなわけで、今大会のセルビアをみていると例によってヨキッチの異次元のプレーは混じるんだけど、それはヨキッチが個人としてやっているものにすぎず、チームとしては微妙。『オフェンスの教科書』とでも言いたくなるのがセルビアだったのに、そういう連携も足りないんだよね。