卒業証書授与~ケイド・カニングハム殿~

◎ディベロップメント

インテリジェンスこそがカニングハムをカニングハムにしている最重要能力であったとしても、それを十二分に発揮するためには、全ての面でハイレベルなスキルを身に着ける必要がありました。「相手は3Pへの警戒が薄い」とわかっていても、3Pを決める能力がなければ宝の持ち腐れです。

その点でカニングハムにとって重要なディベロップメントは得点面でした。3Pの確率の悪さも問題でしたが、2Pの確率もいまいちでTSでさえ50%しかなかったのがルーキーシーズンでした。それが相手にとって無視できないレベルの3Pとガードとしては非常に優秀な2Pへと進化したのが4年目です。

特にドライブからの得点率はルーキーシーズンの53.4%から71.9%へとジャンプアップしています。ドライブの得点で上にいるのはSGAのみとなりました。

頭がいいだけで点が取れるなら苦労しないし、頭が良くても普通レベルの得点力でもダメです。リーグ屈指のプレーレベルを持っているから選択肢が増え、それがチームとして多彩なオフェンスへと繋がっていく。ドライブが優秀だけど、ドライブで点を取るのが仕事ではない。

得点力と比例するようにアシストも増えてきた4シーズン。6.1のリバウンドも含めてトータルスキルの高さこそがカニングハムの武器です。NBAレベルでも1人で全てをやれるスキルセットで9回のトリプルダブルも記録しました。

アシスト増に比べれば問題ないものの、相変わらずターンオーバーが多いのが今後の課題です。もっとディベロップメントできる要素があるし、ミスをしないハリバートンと比較されていくことにもなります。しかも『インテリジェンス』といっているのに、ミスが多いというのは理にかなっていません。

今シーズンは309のターンオーバーがありましたが、そのうちパスミスが半分以上を占めており、最大の課題は「パス」になります。特に緩いパスが多く、受け手に優しすぎるパスを改善しなければいけません。

カニングハムが指名された2021年ドラフト組は、ディベロップメントに悩む選手が多く、カニングハムに続くスターは8位指名のフランツ・ワグナーになっています。

NBAは進化しなければ置いていかれるリーグ。様々なスキルを身に着け、使い分けるカニングハムであっても弱点をさらしておくと、そこを徹底して狙われ、良いプレーをしても勝てないというジレンマへ陥りがちです。

見事なまでの戦術カニングハムでピストンズをプレーオフへと導いた4年目。だからこそより対策されるのが5年目。対策されても簡単に打ち破れるのが『インテリジェンス』という武器。卒業証書が間違っていないことを明確に示してほしいです。

卒業証書授与~ケイド・カニングハム殿~” への5件のフィードバック

  1. この成績でHC交代はありえないと思いますが、タイラージェンキンスでみてみたい!

  2. 現役選手で他の卒業生は
    ヨキッチ
    KD
    ヤニス
    カリー
    ザイオン(卒業と取消の繰り返しかもですが・・・)
    レブロン(今はともかく)
    以外に誰かいますか?

  3. もし、OKCがカニングハムの指名に成功していたら、どの様なチームになったと想像しますか?

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