卒業証書授与~ケイド・カニングハム殿~

◎戦術カニングハム

ドゥエイン・ケーシーHCで戦ったルーキーシーズン。ピストンズは『戦術カニングハム』になっていきました。チーム戦術に乏しい中で次々に展開していくゲームメイクはチームメイトをカニングハム側へと導いていきました。

そしてケガで長期離脱した2年目。カニングハムがいないピストンズは戦術を失いました。それこそが『戦術カニングハム』だったことの証明でもあります。早々に自らの存在そのものが、チーム戦術になったのは驚異でしたが、勝てないのであれば正解なのかどうかもわかりません。

3年目。モンティ・ウィリアムスがやってきてチーム戦術が植え付けられました。各選手が自分の役割に沿って動き、選手交代しても同じ戦術で戦っていくのはドアマットチームとは思えませんでしたが、28連敗しており、戦力に見合っていない戦術だったことは間違いありません。

そして4年目となる今シーズン。チームは再び『戦術カニングハム』へと戻りました。ある意味では選手の個性に合った戦術とは『戦術カニングハム』になるのは必然かもしれません。3年目の苦戦は、戦術家HCよりも選手を活かすタイプのHCの方が好ましいという結論が導かれたといえます。

それがハッキリしたのはアイビーの長期離脱にもありました。3年目のシーズンで17.6点、3P41%、4.0アシストとセカンドエースとして形になってきたアイビーは、チームで2番目に大事な選手だと認識していましたが、なんと離脱後の方がチーム成績が向上しています。

アイビーがいなくなってからボールがさらに集まるようになり、得点を増やしたカニングハムですが、タッチ数は減っており、よりシンプルに得点へと結びつくプレーが増えていきました。純粋に戦術カニングハムの方が得点力があがってしまったことは、未だにチーム戦術が個人に依存していたことも示しています。また、それ以上にベテランシューターが増えたことで

という状況がハッキリしました。チーム2番目のスコアラーがマリック・ビーズリーで勝てるエースが何人いるでしょうか。マブスが諦めたティム・ハーダウェイJrと共にアップダウンが激しすぎるシューターに気持ちよく打たせられるPGが何人いるのでしょうか。

トバイアス・ハリスと成長したデューレンは別として、ハーダウェイ、アーサー・トンプソンの戦力で6位になることも信じられないし、ベンチメンバーに至ってはカニングハムの控えとなるシュルーダーを除けば、ビーズリー、サッサー、ホランド、スチュワートと頭が痛くなるような気分屋が並んでいます。

ある意味では戦力が充実している上位チームのエースでは、証明したくても証明できない要素ではありますが、これぞ再建チームの核として指名された選手だからこそ味わえるし、より厳しい状況の中でディベロップメントしなければいけない必要性に迫られまくるプレッシャーに打ち勝った証拠です。

ピストンズにとって来シーズンの理想は『戦術カニングハム』ではなくなること。アイビー、デューレン、アーサー、ホランドが成長してカニングハムがいなくても強くなるのが理想です。でも、まだちょっと難しくも見えるので、もう1年は自らの力でチーム全体を引き上げてもらいましょう。来シーズンに4位以内に入ることが本当の意味で卒業かもしれない。

卒業証書授与~ケイド・カニングハム殿~” への5件のフィードバック

  1. この成績でHC交代はありえないと思いますが、タイラージェンキンスでみてみたい!

  2. 現役選手で他の卒業生は
    ヨキッチ
    KD
    ヤニス
    カリー
    ザイオン(卒業と取消の繰り返しかもですが・・・)
    レブロン(今はともかく)
    以外に誰かいますか?

  3. もし、OKCがカニングハムの指名に成功していたら、どの様なチームになったと想像しますか?

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