さようならシクサーズ’25

◎衰えと離脱

エンビードがボロボロなのが目立ちすぎた今シーズンですが、56試合が経過した段階での主な欠場数(出番がなかった試合も含む)を見ていくと

こんな感じなので確かにエンビードはマズいけれど、大ケガで離脱してしまうエースは他のチームにもいます。それよりも続くベテラン陣の多さこそがシクサーズのロスターにおける問題だったといえます。そんなカルチャーがあるせいなのか、ルーキーのマケイン君までシーズンエンドになるっていう悪夢もついてきてしまった。

マキシー 24歳 、コンシル 23歳、 ヤブセレ 29歳、 ウーブレ 29歳
この4人はシーズンを通して働けており、30代の5人に欠場が多かったことが問題でした。そもそもエンビードとポール・ジョージがコアメンバーにいるからには、エネルギーのある若手を増やしておくべきだったとも言えます。

もちろん、そう簡単に選手を集めることはできないのですが、マケインを当てたようにドラフトでの指名は悪くないセンスをもっているのがシクサーズなだけに、謎の若手を連れてきてもどうにかなったんじゃないかっていうね。実績のあるベテラン枠はラウリーだけでよかった気がします。

幸いにしてグライムスをトレードで手に入れたので、マキシー、マケイン、(ボナ)なんかと共に来シーズンは若手をロールプレイヤーとして活用することが大事。もうオジサン補強は辞めた方がいいし、エンビードがいない前提でのプレーも用意すべきだよね。

◎エンビード問題

ケガでボロボロということもあり、運動量の少なさが際立ったエンビードですが、元々なんだよね。今シーズンはハーデンに次いで2番目に動かない選手でした。

つまり、ケガの影響はデカかった反面で、ケガがなくてもプレーモデルとしては変わらなかったということでもあります。この運動量のなさを周囲がカバーしてあげる必要があり、それはベテラン揃いでは難しかったともいえます。シモンズやサイブルの仕事が軽視されていたよな。

エンビードがいるかいないかで、何かの数字が大きく変わることは致し方ないというか、他のエースも同様なのですが、シクサーズの場合はエンビードがいるとディフェンシブになり、いないとオフェンシブになりました。チームスタイルが大きく変わってしまうため、戦術面で成長していくチームにならなかった事情もあります。

ちなみにオン/オフで大きく違うのはオフェンスリバウンドとセカンドチャンスになっており、エンビードがいると「セカンドチャンスが少ない」、いないと「セカンドチャンスが多い」となります。ドラモンドがいた事情もありますが、ゴール下の戦いに参加しないエンビードになっており、ペイント内得点も大きく減ってしまいます。

普通に考えたら逆な気がしますが、それもまたエンビード流でどうするのかを考えなければいけないラインでした。例えば3Pラインの外にいたがるエンビードなのだから、ポール・ジョージはローポストを活用しつつ、リバウンド参加するようなやり方もありますが、殆どの試合を欠場しているエンビードのためにシステムを用意するわけにはいかないしね。

昨シーズンはニック・ナースがやってきて、シクサーズの戦い方は大きく変わり、エンビード自身も様々なプレーが混じるようになりました。しかし、エンビードが離脱し、戻ってくると「いつも通りの」エンビードになってしまい、シーズンで培ってきたことはなかったことに。

そして今シーズンは「変わる」ことすらもできず。これが来シーズンに繋がっていくのかすらもわからない状況です。どんなに個人で点を取ってもチーム戦術において効果的に絡めていなければ意味がないわけで、エンビード自身が「何をするのか」を見直さないといけません。

同時に今のプレースタイルならば体重を落とし、膝への負担を減らすべきです。
逆にセンターとしてのインサイドファイトを増やすならば、プレーの幅を狭めて、力強さを手に入れなければいけません。単にケガをしないということではなく、いろいろと見直さないとねぇ。

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