◎オフェンス
オフェンスについても軽く触れておきましょう。現状バックス最大の問題は3Pが入らないことで、グリズリーズ戦も9/42と散々でした。特にキャッチ&3Pが決まっていないのですが、主力はプリンス以外軒並み酷い確率です。
〇キャッチ&3P
チーム 28.6%
ブルック 29.6%
トレント 26.9%
リラード 20.0%
カナートン29.4%
ポーティス28.6%
これらはキャッチ&3Pだからプルアップ連打しているわけじゃないし、シュートが決まっているチームは決まっているチームで信用していないので、この確率もそのうち改善するでしょう。チーム全体のリズムが悪すぎて悪循環なだけかもしれない。少なくともここが改善すればオフェンスはよくなっていくはずです。
グリズリーズはジャズ、ロケッツ、ブルズ、ネッツとオフェンス力に懸念があるチームとの対戦で守れておらず、特に3Pへの対処がマズいものがあります。えぇブーデン系列なのでバックス同様にペイント内失点は少なく、外からやられているわけです。
しかも、この試合ではイディ、JJJ、アルダマとビッグが3人並ぶスターターになっており、バックス側はパッシングとポジションチェンジでマークを剥がし、3Pというのが攻略の近道だったはずです。それでいてモラント同様に固められているはずのインサイドで無双したヤニスによって、ペイント内得点も58を記録しました。相手の強みを攻略しているのだから、もっとイージーなオフェンスになってもよい状況だったわけです。
・意図があるオフェンスの組み立てではなかった
一方でビッグを並べたグリズリーズに対して、ヤニスの強引さが上回っただけで、チームとして意図のあるオフェンスを構築したとはいえないからこその数字でもありました。グリズリーズのビッグたちはヤニスへの恐怖を感じながら、外へチェイスする必要がない守り方ができました。
プルアップ3Pを決めていくリラードという武器がある以上、ハイピックから崩しておくのが鉄板だったように思えますが、オフェンスのスタートが3Pラインになっており、自分たちからスペースを消していました。
また、例によってヤニスに対してブルックがスクリーンに行く、ビッグ&ビッグのピック&ロールというヘンテコ武器を使いましたが、グリズリーズからするとヤニスvsイディとなり、よりゴール下を固める形になっています。ヤニスはドライブしますが、さすがにイディだってわかっているのでゴール下で待ち構える形になり、何度もヤニスは足を止めてしまいました。
そこから決めきったヤニスがFG17/22だったので問題にはなりませんでしたが、ヤニスにミドルを打って欲しいドン引きディフェンスをすればOKのイディだったので、下手したらヤニスがゴール下でイディの高さにつかまっていた可能性すらあります。どっちにしろチームとしては点を取れなかったんだけどさ。
これらのことは「相手を考えたオフェンスをしていない」わけですが、そんなストロングスタイルは昔からの話なのでリバースだけの問題ではないのでしょう。でも、もっと問題なのは
・ブーデンとグリフィン時代の使いまわしオフェンスのみ
に見えたことです。プレーオフでの敗戦からオフの間に何を反省し、どういう要素を加えたかったのだろうか。開幕からチームを率いるのだから、リバースはリバースらしいシステムを増やせばよかったのに、使いまわしばかりで劣化したとしか思えないものでした。
結局、リバースはクロフォードやルー・ウィリアムス、ついでにマキシーみたいに個人でどうにかしてくれるタイプに丸投げって感じ。それが嫌だったハーデンはスターがいなくなったクリッパーズで若者たちと一緒に楽しくやっている。
リラードはリラードなので個人でもなんとかしてくれるけど、本当は個人技突破が得意なわけじゃないので、もっとリラード用にオフェンスをカスタマイズしないといけない。ワンスクリーンでプルアップ3P決められるリラードはどこかに消えたままなんだよね。
バックス、ナゲッツ、ヒート……
現状維持で取り残されるのか、風通し良くするのか見ものです
ナゲッツとヒートは繰り返す中でチーム力を上げてきた経緯もあるけど、バックスはトレードでなんとかしてきたので、動く話ばかりになりますな