◎左右より前後
まずはSGAがボールを持ち、アイソを仕掛けるハンドリングを考えてみましょう。
目の前のディフェンダーを抜く時、あなたならどんなプレーをするのか。いや、ケンバなら何をするのか。基本的には「抜くのは右側か、左側か」という選択肢の中で、キラークロスオーバーを使ってディフェンダーを左右に動かし、スキが出来たりバランスを崩させたところで突破を図ります。リングに向かって最短距離で進みたいものの、ディフェンスを抜くためには左右どちらかに少し膨らんでドライブするのが一般的です。
見事なドリブルフェイクでディフェンスを左右に振り、料理してしまうケンバのハンドルは見事です。
SGAはプルアップ3Pの選択が少ないこともあり、ディフェンダーは少し距離を空けて対応するのですが、SGAが左右に大きくディフェンダーを振り回して突破するというケースは珍しいです。SGA自身はフロントチェンジやバックチェンジを上手く使いますが、ハンドルを始めたところで左右の切り返しでディフェンスのバランスを崩してのフィニッシュってのはね。
これに対してSGAはリングへの最短距離を進みたいかのように、ディフェンダーの正面に向かってドライブすることすらあります。
ディフェンダーがコースに入ってくればバックチェンジなどを使って左右を切り替えて同じようにリングに向かっていく、それにディフェンダーがついてくれば再び切り返して・・・みたいなことをやります。これが1つの「ヌルヌル」にみえてきます。
ケンバの狙い
左右の切り返しやフェイクを使ってディフェンダーのバランスを崩す
⇒バランスが崩れたところで突破(プルアップでフィニッシュ)
SGAの狙い
縦へのドリブルにディフェンダーがついてきたら左右を切り替える
⇒ドリブルフェイクでディフェンダーを抜く気持ちは薄い
印象としてはこんな感じです。でもこれだとSGAはディフェンダーにくっつくけど、抜くことは出来ない形になるはずです。「ヌルヌル」っぽいけど、「ヌルヌルで抜いてしまう」にはなりません。
SGAはディフェンダーのバランスを崩しての突破はしませんが、突破してからディフェンダーのバランスを崩すプレーを多用します。そしてハイライトを見ていくと、リングに向かって最短距離を進むようなSGAのドライブに対して、ディフェンダーも左右についていくというよりは、リングへ向かって下がるような守り方を強いられています。そこからのステップバックについていけない。つまり
ディフェンダーは左右には振られていないが、前後に振られてバランスを崩している。
SGAのハンドルはディフェンダーを翻弄するような超絶スキルは見えないし、鮮やかに抜いているようにも見えないのですが、前後の動きで見事なまでにディフェンダーを翻弄しています。
シェイ特集二連投嬉しいです。
前脚ではなく後脚でのブレーキという表現はわかりやすいですね。何回もシェイのハイライトを見返したのに自分では言語化できてませんでした…
将来的にはオラジュワンのドリームシェイクのように、シェイの技全体が体系として広くNBA全体に広まりそうな予感がします。
SGAのハンドルについての言語化、すごすぎです。日本で同じような分析ができる人いないんじゃ、、。
プレイオフでマブスが見事なSGA封じ(もといサンダー封じ)のチームディフェンスをみせましたが、SGAを
マンツーマンで抑えられるディフェンダーはいないんですかね?来シーズン、研究も進んでいるはずなので、台頭に期待です!
とても参考になりました。
このSGAと対極にいるのが、PORのスクートなのかなと。
シーズン中試合見てても、さぁドライブするぞ!が画面越しでもバレバレな感じで早いけどやっぱり止められてましたね。。
そういえばマカラムもヌルヌル系ですよね。同じチームならもうちょっとスクート成長できたのかなと思う今日このごろです。