ヌルヌル系の極み
なんていわれているらしいSGA。そもそも「ヌルヌル」の定義が定まってはいませんが、一般的にアイソアタックで点を取れる選手は
・スピードで振り切る
・フィジカルで強引に突破する
・鋭角な切り返しで置き去りにする
といったスーパーな身体能力や超絶ハンドリングスキルを使うわけですが、SGAの場合はある程度のスピードとスキルはみせつつも、ディフェンダーと競り合ってのドライブから、なんだかよくわからないけどヌルっと抜け出してしまうという特徴があります。
前回触れたとおり、そこには隠れた判断の良さや、前後に揺さぶるステップワーク、止まってからのターンアラウンドといったフィニッシュに繋げる要素も多分に含まれています。ただ、第2回は「ハンドル」の部分に特化して考えてみましょう。なお、今回はスタッツとして捉えやすいものがないので、ほぼほぼ映像を見ての印象を言語化していく作業です。
◎ケンバ
ところで、印象を言語化するにあたって比較対象があると分かりやすくなるのですが、SGAのハンドルを見ていると、SGAを評価するのに適した・・・つまり対比しやすい・・・選手としてケンバが思いつきました。ということで、まずはケンバのハンドルを堪能してからSGAのことを書いていきましょう。
ケンバの見事なハンドル・ムーブは「ヌルヌル」な要素が一切なく、ハンドリングのお手本のようなスキルセットで突破しています。その要素をいくつかポイントとして言語化してみましょう。
①ふり幅が大きいクロスオーバーとアジリティ
②フェイクとなる大きなドリブルからクロスオーバーで小さなドリブルに移行して加速
③ストップモーションからの加速
④ドライブから腰を落として急ブレーキ
⑤急ブレーキから次のプレーへのキレ
とりあえず5つにしておきましょう。いわゆる「ディフェンダーを振り切る」ためのスキルと身体能力がケンバをスターにした要因です。左右へ振ってのクロスオーバーもあれば、ストップモーションを使っての前後のチェンジオブペース、そして急加速と急ブレーキでの翻弄。そのためにグッと腰(重心)を落として切り返しをしています。
③あたりはSGAもやっているのですが、概ねこれらは「ヌルヌル系」とは離れたハンドリングスキルです。いってしまえばSGAのプレーというのはケンバと比較すると
キレ・タメ(急ブレーキ・急加速)に乏しいハンドル
と定義できるかもしれません。SGAのプレー解説として「前後に揺さぶるステップワーク」がありましたが、それは切れ味鋭いドリブルではなくて、SGAの体重移動の上手さです。このことはハンドリングにも繋がってくるものでした。
シェイ特集二連投嬉しいです。
前脚ではなく後脚でのブレーキという表現はわかりやすいですね。何回もシェイのハイライトを見返したのに自分では言語化できてませんでした…
将来的にはオラジュワンのドリームシェイクのように、シェイの技全体が体系として広くNBA全体に広まりそうな予感がします。
SGAのハンドルについての言語化、すごすぎです。日本で同じような分析ができる人いないんじゃ、、。
プレイオフでマブスが見事なSGA封じ(もといサンダー封じ)のチームディフェンスをみせましたが、SGAを
マンツーマンで抑えられるディフェンダーはいないんですかね?来シーズン、研究も進んでいるはずなので、台頭に期待です!
とても参考になりました。
このSGAと対極にいるのが、PORのスクートなのかなと。
シーズン中試合見てても、さぁドライブするぞ!が画面越しでもバレバレな感じで早いけどやっぱり止められてましたね。。
そういえばマカラムもヌルヌル系ですよね。同じチームならもうちょっとスクート成長できたのかなと思う今日このごろです。