ジャパン流PGをリジェクト

◎リジェクト

そんなスクリーンの逆へドライブするシーンの多さを嘆くtweetをしてみたら、こんな質問が来ました。

『スクリーンはまずリジェクト狙え』って教える指導者もいますよ 初めて言われた時は驚きましたが、、、 スクリナーも逆つかれちゃうし

なんともビックリ。スクリナーを呼んでいるのに、リジェクト優先なのか。で、検索してみたところ、やっぱり???な動画が多く出ていました。と同時に「まず」という言葉の解釈の問題にも見えてきます。ちょっと話を外してみると

「ボールを持ったら、まずシュートを狙え」

ってのは正しいよね。フリーで打てるなら打とうぜ。
だからといって「ハーフラインでドフリーだ。シュートを打とう」ってのは期待値の低すぎるプレーチョイスなのでバカだよね。
また「まずはシュートを狙うべきだから、ディフェンスにプレッシャーかけられているけど放り投げよう」なんてタフショットチョイスも判断が悪すぎるよね。

仮に「まずリジェクトを狙え」だったとしても、リジェクトした結果としてヘルプディフェンスにブロックされたら意味ないし、それどころか自分のマークマンにコースを防がれたらマジで意味がない。だったらスクリーンをちゃんと使えよ。

ってことで「成功率の低いリジェクト」をやりまくっても何の意味もありません。リジェクトは立派なチョイスですが、それはディフェンスの体形を見て適切なチョイスとしてリジェクトを選んだ時だよね。

ドライブコースが空いていてゴール下まで行けるならスクリーンを使わずにリジェクトすべきだよね。リングへ一直線のコースだもん。そういう意味での「まず」ならいいけどさ。「まずは」リジェクトしたけど失敗したよ、ってのはダメじゃん。

また「まず」というのには違う意味もあります。それは動画をみてみよう。TCUの動画ですが、スクリナーとなるビッグマンがインサイドからアウトサイドにスクリーンに出てきたとき、
・相手のビッグも外に出るのでインサイドが空いている
・相手のビッグが外に出る動きなのでカウンタードライブになっている
なんていうシーンです。つまりこれは

になっています。その意味では「まずは」リジェクトというのは理にかなっています。

で、マルチネスはこの手のチョイスは好んで使いそうです。ダブルポストから組み立てるけど、スリッププレーも多いし、エルボーにいたビッグマンがスクリーンに行こうとする瞬間に、ハンドラーにカウンタードライブさせるのは狙いまくってそうだ。

しかし、実際には中国戦はカウンタードライブではなく、スクリナーがセットされてからのリジェクトドライブになっており、相手ビッグをゴール下から外せていないのでブロックを食らってしまいました。23点を奪った瀬川ですがFG35%なのでチョイスが良かったとは言えないんだよね。

他にもリジェクトには、ちゃんとスクリナーを活用し、クロスオーバーでマークマンのバランスを崩す使い方もあります。これは「まず」ではない使い方ですね。ディフェンダーがスクリナーを強く意識したと判断して生まれるリジェクトです。

ってことで、リジェクトは有効なプレーだし、それはチームとしてインサイドを空けるためのセットオフェンスの一部でもあります。しっかりとスクリーンがセットされてからのピック&ロール単体で見ればリジェクトをチョイスする確率は低くなるはずです。

ジャパン流PGをリジェクト” への1件のフィードバック

  1. 日本バスケ(バスケだけに限りません)がストロングスタイルしかできないのは、育成年代で上の世代と対戦する機会が少ないってのが大きいのではないかと思っています。
    ヨーロッパのクラブだと優れたタレントは10台前半のころから上世代のチームに混じってプレイするのは普通ですからね。
    ルビオやドンチッチクラスになると15前後でトップチーム昇格して20代30代の選手と戦っています。
    若い頃から単純なフィジカルとスピードで圧倒できない上の世代相手に戦っていれば自然とそれ以外の方法で攻略する術が身についてきます。
    アメリカもストリートの文化が残っている地域なら年齢関係無くプレイするのは普通ですし。

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