戦術はない。規律もない。競争もない。一貫性もない。ハードワークもない。唯一あるのは若手有望株と指名権だけ。地獄のような数シーズンを経てHC交代したロケッツは、サイラスがチームの中心として育ててきたKPJが問題行動を起こしてくれる運も味方し、全く違うチームに生まれ変わった23-24シーズンとなりました。
驚異の追い上げを見せたシーズン終盤は、プレーインに行けなかった悔しさよりも、来シーズンへの大いなる期待を膨らませてくれるものでした。HC効果で劇的に変わったわけですが、そこにあったのは極めてシンプルなことでして
戦う気持ちを持ち続ける
シーズンを通して、試合を通して、1Qを通して、1ポゼッションを通して、1プレーを通して。目の前の相手とシンプルにファイトすること。これだけは絶対に失ってはいけないことです。へらへら笑ってプレーすることはなくなり、ファイトするってことは安直なシュートを減らしもしました。
ヴァンブリート、ディロン・ブルックス、ジェフ・グリーン、ランデールとベテランを補強しましたが、彼らが若手の良さを引き出したかといえばそうではない。なんだったら、普通に若手のプレータイムを奪っただけでもあります。ただし「目の前の相手とファイトする」という点では間違いのない補強でもありました。
〇TS%
ヴァンブリート 56.3%
ブルックス 54.7%
ジェフおじさん 59.5%
ランデール 56.3%
揃いも揃ってこんなもん。ジェフおじさんを除けば、ベテランに期待されるような精度・安定感をもっていたとは言い難く、アップダウンする若手の助けになった感じはありません。でも、みんなが目の前のプレーに一生懸命であり、手を抜いてしまうベテランではなかったよね。
ベテランは評価されがちですが、若手に比べると走るのをさぼったり、激しいコンタクトプレーをしなかったり、何より「勝てるチームでプレーしたい」とワガママを言ったりするのですが、ロケッツが集めたベテランはチームが大きく負け越していても下を向くようなタイプではありませんでした。ここについては間違いないぜ。
ってことで、カルチャーを真逆に転換することに成功した今シーズン。地獄のような時代は過ぎると同時に、実はファイトしないタイプの若手も消えていきました。ある意味でHC路線に沿った選手だけを残したわけで、誰が実質的にGMやっていたのか気になるところです。
スマートが来たのに戦う姿勢が薄らいだMEMは、持ち直すことが出来るでしょうかね。
一度そこそこの成功体験をしてる、かつエースも準エースも調子づきやすいタイプなので、下手すりゃHOUより難しそうです。。。
スマート、勿体ない。