グリズリーズは持ち直せるのか

M. Smart – J. Jackson Jr. – X. Tillman – D. Bane – Z. Williams
６８分

ケガが多い関係でグリズリーズの５人ユニットにおいて最もプレータイムが長いのが、この５人です。これがどうこうではなく、タイラー・ジェンキンスは多くのメンバーを使いすぎていることで連係が改善しない面もあります。

昨シーズンまでのメンバーだけでコートに出てくると、パス回しがスムーズになり、なんで勝てないチームなのか不思議に思うことすらあります。スマート、ローズ、ビヨンボと従来の特徴と異なる選手が増えた感もあるので、ちょっと停滞気味。

モラントも戻ってきたんだし、チーム内の連携強化のためにも昨シーズンまでのメンバーを優先して起用するとか、新メンバーはある程度ユニットを固めて起用するとか、やればいいのになーとも思います。やらないんだろうけどさ。

〇速攻での得点
１８．０（２位）　⇒　１２．３（２５位）

昨シーズンのモラントは３．９点なので、やっぱりモラントが響いていますが、リーグ最高レベルの速攻チームが急激にしぼみました。さすがにモラントいなくても、ある程度稼げるだろうと。

〇６秒以内の３Ｐ
６．９本　⇒　４．１本

その最大の理由はトランジション３Ｐが劇的に減っていることです。リバウンドキープに苦労していることは想像できますが、４割減というのはリバウンドだけに理由を求めてはいけないよね。この３Ｐを躊躇うことなく放つことが、リングへダイブする選手へのマークも減らしてくれるので、思い切りよく打ててない、あるいは簡単なパスが出てきていないことがわかります。

〇６秒以内の３Ｐ
ベイン　　２．１本　⇒　１．５本
ケナード　１．５本　⇒　１．１本
タイアス　１．１本　
ブルックス１．１本　
モラント　０．７本　⇒　０．８本
スマート　　　　　　⇒　０．７本

残っているベインとケナードも減っていれば、いなくなったタイアスとブルックス分を補えていないこともわかります。パスを出す方がワイドに振ることが出来ていない問題もあれば、オープンになるためにオフボールでの動きが足りない面もあります。

多少ムチャであっても強引なスピードアップをした方がよさそうです。アーリーオフェンスでワイドに展開しての３Ｐを増やさないとグリズリーズの強みが出てこないというか、コンセプトを表現しにくくなります。ガード陣がパサーでもあり、シューターでもあるのが大事なので、とにもかくにも走り出すこと。

ユニット構成はバラバラですが、何をするかは統一されているのがグリズリーズ。ハードワークを欠かさないことで速攻で差をつけるのがグリズリーズスタイル。モラントが戻ってきてハーフコートが少し改善していますが、センターが足りていないのだから、せめてトランジション増をしないとさ。

ビッグマンを活用してオフェンスリバウンドやペイント内のあわせで加点していきながら、トランジションで３Ｐを活用してアドバンテージを奪う

前半と後半がアンマッチなのに、両方とも達成しているのがグリズリーズの強さでした。前半が失われたのはわかるのだけど、後半まで失われては苦しい。攻守は一体なのでインサイドの不安が走り出せない理由にもなってはいますが、それはそれとして

スモールラインナップ的な強みへハッキリとシフトした方が良い

そんな風に見えます。ビヨンボでお茶を濁すのではなく、ＪＪＪやアルダマがいる良さにシフトした方が良いんじゃないか。ディフェンスでいえばセンターだって守るスマートもいるわけだしさ。

モラントで解決することは多いよ。だけど、それだけで勝てるようなリーグじゃないぜ。カニングハムのハイパフォーマンスが簡単には報われなかったピストンズじゃん。

そしてプレーインが見えないならばトレードに出るのかも注目されます。タイラー・ジェンキンスがＨＣになってから初めての停滞となる今シーズン。後ろに下がったことで崩壊するチームもある中で、どんな選択をしていくのか。それとも勝ちまくってプレーオフへと滑り込むのか。