〇ペイント内得点
58.4(1位) ⇒ 46.3(25位)
得点面で最大の問題はペイント内得点が減ったことです。これが不調に繋がっていますが、最大の問題はモラントの欠場です。だから仕方ないといえば仕方ないじゃん。昨シーズンのペイント内を見てみましょう。
〇昨シーズンのペイント内得点
モラント 14.4
JJJ 10.0
ベイン 8.4
クラーク 7.8
アダムス 7.5
昨シーズンとの差はほぼモラントの得点分であり、復帰したモラントが19.5点という意味の分からないペイント内得点を記録していることもあり、この問題は7割は解決しました。これはいいでしょう。でも、残った3割は解決する匂いがしていないんです。
それは直近のキングス戦でも強く出ていたのですが、個人での突破部分は戻っているのに対して、合わせ担当の部分が全く機能していないこと。ビヨンボが4.7点を記録してはいるものの、ハンドラーのアタックに引き付けておいてのビッグマンフィニッシュが足りていません。
グリズリーズはペイント内得点がリーグ最多でしたが、特徴としてはゴール下ではなくショートレンジを決めていく部分にあります。言い換えればショートレンジを決めることでディフェンスを引き出し、ゴール下でセンター合わせも多くありました。この細かい駆け引きが出来ていない形です。
〇ゴール下アテンプト
29.6本(5位) ⇒ 24.4本(25位)
〇ペイント内アテンプト
(ノーチャージエリア外)
21.8本(1位) ⇒ 19.1本(5位)
得意の部分はそこまで減っていませんが、ノーチャージエリア内は大きく減っています。合わせのアリウープダンクの本数をみてもいいです。
〇アリウープ
1.62本 ⇒ 0.75本
豪快なコンビプレーは半分に減ったってことでした。スタッツ以上に相手にダメージを与えるプレーが出ていないし、これを警戒しない分だけ相手のディフェンスは前に出て守りやすくもなっています。駆け引き部部分で選択肢が少なくなってしまっている。
大部分はモラントの復帰で解決するペイント内得点ですが、プラスアルファはモラントでは解決しない。合わせからの柔らかなフローターマスターのクラークの復帰が近いみたいようで、本当にクラーク待ちです。本当はJJJにこの仕事もしてほしいんだけどな。
〇3Pアテンプト
34.2本 ⇒ 38.8本
〇3P成功率
35.1% ⇒ 33.2%
結果的にグリズリーズは3Pに頼る部分が増え、そして確率は悪くなっています。モラントが戻ってきたことで3Pアテンプトを減らすことに繋がりそうですが、逆に成功率はさらに落ちてしまうのか。ここでもオフェンスリバウンド力の低下によってカウンターのリスクを上げてしまうのも苦しい部分です。
インサイドを支配できなくなった苦しさをカバーできていない
グリズリーズは戦術のあるチームで、それが大きな成果に繋がっていました。しかし、今シーズンはモラントだけでなくケガ人続出により、戦術面をハッキリと打ち出すことが難しくなりました。だからといって残ったメンバーでできる形にシフトもしていない。
「選手の個性に合わせたチーム作り」
「コンセプトに沿った選手を揃えたチーム作り」
グリズリーズは後者であり、よくわからないルーキーを連れてきては戦力にしてしまうタイラー・ジェンキンスの強みでもあります。それが崩壊しているのが今シーズンです。
キングス戦では序盤に3Pを決めまくり、好調なスタートを切りましたが、スペーシングが出来たところでのインサイドアタックを決めることが出来ず、ずっと3Pに頼る形になりました。モラントのドライブや、スマートのポストアップでペイント内を攻めていったものの、そこにディフェンスが出てきたらキックアウト以外の選択肢がありませんでした。
もう1枚ゴール下でのあわせを強く出せれば、あるいは突破したモラントのシュートミス(FG4/12)をチームで押し込むことが出来れば(OR1本)、違った展開も待っていましたが、このインサイドプレーがないことでオフェンスが完全に硬直してしまいました。
「モラントが決めきればいいじゃん」でもあるので、あとはエース次第です。しかし、今のグリズリーズは10勝22敗なので、勝率5割になるには残り50試合を31勝19敗しなくてはいけません。勝率62%なので今のキングスくらいは勝たなければいけません。割と大変だぜ。
もちろんまだ試合数は足りていないですが、スキル的な問題でスマートのオフェンスでの役割、2ビッグと組む上でDFの強みが出るのかという辺りが気になりました。
基本的に我慢強いフロントだと思いますがこれは時間が解決するのかどうか個人的には微妙な気がします。
もともとシュート力がないのはわかっていたことなので、オフェンス面ではタイアスのようなゲームメイクを期待されていましたが、パスのタイミングとかもあっておらず、フィットしていないですね。
ディフェンスはもっとスモールを活用すべきだと思いますが、あまりにも酷くて、そっちに振れないのかな。モラント戻ってきたことでJJJのワンビッグも試しやすくなると思います。ダメなら売ってしまえ。
個人的に一番気になるのも速攻の部分ですね。そもそもフィニッシュまでいけず、変なターンオーバーで終わる回数が多すぎる気がします。モラント復帰のタイミングでは、勝率5割とPIが目標だと思いましたが、キングスとクリッパーズとの差をみると、今年は無理そうです。
ただアダムスの復帰を待つシーズンにするのは非常にもったいないので、JJJのリバウンド増に取り組んで欲しい(もうブロックはとりあえずいい)・・・が、ケガが怖い。ジェンキンスは、修正に時間がかかるHCだと思うので、もう少し経てば、もう少し勝てるようになるとは思いますが、フロントの判断に注目したいです。
さくさくっと速攻でも打ち切るのが良さでしたが、迷いがありますよね。
JJJは総合力をつけないと一芸さんになりそうなので、修行のシーズンかもしれません。
ジェンキンスのやり方もばれてきているので、次のステップを求める時期かもね