薄くて厚いセルツ

◎抜け目ないのか

いずれにしても２人を１人にしてバージョンアップを狙ったような今オフのセルツ。ものすごく結果論なので狙ったとは言い難いけどね。ただ、結果論で言えばゴール下系統のセンターはいなくなったので、よりスモール戦略に磨きをかけることになるオフェンス

アウトサイドまで全員で追いかけるのも難しければ、便利にカバーしてくれるスマートがいなくなったことで、ポジション通りに守るシステムが必要なディフェンスと。ある意味で明確かもしれません。「際」の強みよりも、オーソドックスに戻ってきたぞ。

５アウトの３Ｐオフェンス
エースキラーとリムプロテクターのディフェンス

構図というか、流れる方向性はこんな感じ。しかし、これを実行するのに７人の主力が５人に減ったのは「選手層が薄くなった」と感じさせることになりました。

・・・が、むしろホリデーのトレードによって初めに思ったのは

これでブリセットやバントンの出番が増えるのか！？

ということでした。うーん、抜け目ないというかなんというか。安いサラリー担当の選手たちを地味に補強していたんだよね。それが効いてきたんじゃないかっていうホリデーの獲得劇です。

バントン
ラマー・スティーブンス
ブリセット
ミハイルー

セルツがオフに連れてきたのは、なかなか面白いメンツでした。ミハイルー以外は普通に試合に出ていたメンバーなので、１人ならともかく３人もつれてこれたのはデカい。これぞ「セルツ」というネームバリューだし、派手補強だった「レイカーズ」とは対照的な地味補強だけど、すごく良い補強でした。

エースキラー　ラマー・スティーブンス

キャブスのハードワークとエースキラー役をしていたはずなのに、あまり評価されていなかったラマー・スティーブンス。でも、とても優秀なディフェンス担当であり、トランジション担当でもあります。

マンマークでハンドチェッキングとチェイシングで追い込んでいくホリデーの役割は「ホリデーがいないとできない」ケースに陥りがちですが、そこに守り方は違えど、もう１人エースキラーがいるならば話は変わってきます。そういやホワイトはオールディフェンスチームだったけ。インテリジェンス。

相手ガードを消しに行く役割の選手が３人いるならば、ホリデー次第にもならないわけで、ましてやブラウン＆テイタムが主役ならば、ラマー・スティーブンスとホワイトの方が相性が良いかもしれません。

スモールのＰＦ役　ブリセット

セルツがスモール戦略を強めるのであれば、リバウンドに強く、フィジカルに戦えるブリセットは適役のウイングです。ハードワーカーとして戦いまくり、トランジションに走りまくり、強気なプレーでアピールしまくります。３Ｐ精度以外はグラントとそん色ないどころか、より走れるぞ。

ポルにしても、ホーフォードにしても、ブリセットと組ませてバランスが悪くなることはないはず。インサイド側は明確に薄くなっていますが、その薄さを戦略として使うならばブリセットの補強は理にかなっています。

デカいＰＧ　バントン

もう１人のバントンはラプターズのイカれたビッグラインナップでは控えのＰＧをやっていた６－７です。ＰＧとしての能力はいまいちですが、セルツの場合はテイタム＆ブラウンが主役なので、ＰＧとして組み立てる能力は大事じゃないしね。

どっちかというとバントンには「不明確な役割」として便利屋扱いするのが向いてそう。スモールと見せて「小さくないスモール」にも出来るし、単純にウイングの控えにもなれば、場合によってはホーフォードのようなプレーメイクへの関りも試したくなります。