ディフェンダー MPJ

ブルース・ブラウンがペイサーズへの移籍を選び、ジェフ・グリーンもロケッツへ。ナゲッツはコアメンバーは変わらないものの、サポートキャストが減り、それを補充するのが難しいままオフを過ごしています。当然、例によって若手が台頭することが期待されますが、ジェフ・グリーンの代役として期待されたチャンチャーが大ケガとなってしまい、なかなか厳しいぜ。

ナジやクリスチャン・ブラウンがいて、ペイトン・ワトソンへの期待もあるのでガードとビッグはどうにか考えられる。問題はウイングなわけですが、それはもうMPJがなんとかしようぜ。

チャンピオンリングを手にしたナゲッツにおいてMPJはサードオプションでありながら、5番目の選手でもあり、試合終盤にコートにいないことも多く、得点以外の面で仕事のクオリティを向上させる必要があります。

特にディフェンス面でのクオリティを向上させるべきですが、だからといって「MPJはディフェンスが悪い」という認識も間違っています。酷すぎるディフェンダーだったMPJは気が付けば便利屋タイプのディフェンダーとしてナゲッツのディフェンスシステムを支え始めており、だからこそナゲッツは優勝へとたどり着きました。

◎かつてのMPJ

かつて・・・といっても2年ほど前。MPJのディフェンスは酷いものでした。いや、ひどいんじゃなくて酷すぎました。208センチのサイズがあるのでリバウンド面で仕事をしており、何もできないようなタイプではありませんでしたが

・引きすぎのディフェンスで簡単にプルアップを打たれる
・スイッチ対応が極めて悪い
・オフボールのポジショニングが酷すぎる

なんかどこかで聞いたことがあるようなディフェンス力だったので、狙われることも多く、それ以上にポロポロと裏を取られたり、簡単にキックアウトされたり、いるのかいないのかよくわからない人でした。

オフェンス面の良さでMPJを使うけど、ディフェンスの面の酷さでベンチに下げざるを得ない。カンファレンスファイナルまで行った20年プレーオフでは特にその傾向が強く、明らかに相手にターゲットにされていました。

被FGアテンプト
20-21シーズン 11.6本
22-23シーズン  8.8本

しかし、2年が経過するとMPJは「狙うべきディフェンダー」ではなくなりました。被FGアテンプトが下がっている通り、MPJ相手に仕掛けることはメリットにはなっておらず、プレーオフでも集中砲火されずに終わりました。

相変わらず抜かれることは多いのですが、腰がひけて距離を取った守り方ではなくなり、そして左右の切り替えしへの弱さから抜かれていくものの、スルスルっとついていけば後ろからブロックする高さを持っており、一風変わったディフェンダーになっています。

コースを止める読みの良さやフィジカルの強さ、ハンドチェックの上手さなどはないため、「厄介なディフェンダーだ」と思われることはないでしょうが、抜いてからも気を抜くことが出来ず、スピードも高さもあるMPJ相手にジャンプシュート系を打つには、かなりの神経を使います。嫌というかメンドクサイタイプに見える。

これらの特徴がMPJの被FGアテンプトを減らしています。被FG成功率そのものでは良い数字を残していないし、スティールが多いわけでもない。だけど「打たれなくなった」のは面白い特徴です。

ちなみにナゲッツで狙うべき相手といえばマレーとヨキッチになるのですが、ひどすぎたディフェンダーのマレーは積極的にブッカーやバトラーのマークを請け負っており、フィジカルに戦えるガードディフェンダーとして弱点ではなくなっていました。レブロンのラストオフェンスを止めたのもマレーのヘルプだったしな。酷すぎるディフェンダーを改善させるナゲッツの謎。

ディフェンダー MPJ” への1件のフィードバック

  1. ライバルチームで明確に戦力アップしたとこがそうないですし、ナゲッツの連覇は多いに期待してます。

    ここまで劇的にインテリジェンスの向上が見られるのは中々レアなケースな気がしますが、その他の選手でMPJのようにインテリジェンス・判断能力が成長した例もどこかで聞いてみたいです!(YouTubeライブ中で話すことない時などに是非!)

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