アメリカが負けたこと

◎期待外れ

しかし、大会が始まる前はスティーブ・カーへの期待は大きく膨れ上がっていました。それはオールスターみたいなロスター選考をせず、全体のバランスを考えたわき役やディフェンダータイプを揃え、さらにオプション担当も加えておいたことです。

攻守と役割のバランスを考えた起用法
試合展開に応じた柔軟な起用法

大会前は本当に期待できたよ。エースタイプはアントマン、イングラム、バンケロ、ブロンソンの4人だけだったもんね。

ところがフタを開けると4人のうち3人がスターターに並んでいるし、JJJ⇒バンケロの交代で4人を並べることも。だったらエースタイプを並べろよってね。

案の定、貧乏くじをひかされたのはイングラム。コーナーでしっかりとストレッチ役をこなし、ダムダムすることなくテンポよくボールを捌き、そしてパスが戻ってくることは稀で点が取れず、批判のターゲットにされていました。ちゃんとチームのために動いているイングラムが批判されたうえでスターターから外されたのはよくわからんかったぞ。

ハート 17.6分
JJJ 16.5分
ポーティス 11.9分
カム・ジョンソン 11.5分
ケスラー 6.7分

ミカルの22.5分を除き、ディフェンス&ハードワーク&ストレッチ担当のわき役ベースの選手はプレータイムが短く終わりました。期待していた主役系とわき役系のミックスは中途半端だったし、ハリバートンとリーブスはスターターの3人よりプレータイムが長く、起用する順番も間違えたんじゃないかってくらいでした。

特にケスラーについては何のために呼んだのか。リトアニアとドイツというサイズのあるチームに対してゴール下で負けないためのオプションだったはずが、苦しい戦いぶりになったら起用せず、見事にリバウンドで負けるというね。

〇リバウンド
リトアニアのオフェンス 18
アメリカのディフェンス 18

ドイツのオフェンス   12
アメリカのディフェンス 21

ボッコボコにされていたリーブスのところに起用できるディフェンダーは何人もいたし、苦しかったゴール下の戦いで対抗するためのオプションもあった。でも使わなかった。ちゃんと選手を揃えたことを誉めるべきか、使わなかったことを咎めるべきか。

よくわからなかったスティーブ・カーですが、いずれにしても

チームとして戦えるロスターを選び、いつも通り個人技で戦おうとした

こんな印象なので「期待外れ」という評価になります。アメリカっぽい負け方なので「ダメすぎる采配」ではなくて「期待外れ」なんだよね。

また、こんな評価をしたくなるのはセカンドユニットでハリバートン中心に、オフボールで仕事をする選手を並べていると魅惑のオフェンスをしたからでもあります。前述のとおり、なんだかんだとオフェンスにおいてはスペーシングして個人技を上手く使えているので得点は取れていましたが、セカンドユニットが凄すぎて、個人技のスターターが物足りなすぎたっていうね。

アメリカが負けたこと” への6件のフィードバック

  1.  ご無沙汰しております。

     ”30年経ってもストロングスタイルを続けてしまった”とのご指摘の通りですが、もっと長期でみれば、88年にサボニス中心の旧ソ連に負けるまでは、NCAAのスターでほぼ構成されており、かつ当時のストロングスタイルでした。従って現在はだいぶ丸くなったようにも感じられます。私が年を取ったからでしょうが。良くも悪くもNBAは米社会を象徴しており、今後のアメリカ社会がそう大きく変われないが、しかし世界情勢にあわせ徐々に変化しているという時代の変遷を鏡のようによく映していると思います。
     ところでシュルーダーは今大会を機にIQを向上させ、グレードアップでこそうですか?(ちょっと非現実的なような?)

     長々と書いてすみませんでした。

    1. シュルーダーは代表になると割と改善します。各チームに加わっては契約延長されないように、長くあることで何か起こすんでしょうね。

      アメリカについては昔はわからないのですが、今みたいに事前情報がないならばストロングスタイルで良かったんですよね。
      今回はストロングじゃないロスターだったのに、結局はストロングなのが残念でした。

  2. いつも楽しく拝見させていただいてます。
    いつ頃からか一つの記事が何ページかで構成されるようになりましたが、ページを遷移するナビゲーションのデザインが悪く、意図しないページを誤ってクリックしてしまい、非常に腹立たしい思いをすることが多いです。
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    1. 本当はそうしたいのですが、アップしてから1ページずつ作業する必要があります。
      割と予約投稿してることも多くて一律に対応できないんです。

      スマホでみてると不便ですよね

  3. アメリカ代表の中でも個人的にすごい良いなあと感じたのはキャムジョンソンでした
    以前whynotさんも仰っていたようにハリバートンとの相性が良いと感じましたし、要所要所でのスイッチディフェンスの適切な動きやオフボールでのポジショニングやスクリーンで味方を活かす働きかけなどもっとプレイタイムを割いても良かったのでは?と考えてしまいます
    アメリカ代表のセカンドユニットのハリバートン主体のオフェンスを観て、「あぁ、ネッツにこういうガードが欲しい…」と思うとともにクールッツの記事も後押ししてまたあのころのネッツのベンチリアクションのハイライトを見返してしまいました

    1. キャム・ジョンソンを使わずにガードだらけにするの意味わかんなかったですね。そもそもロスターに加えないならともかく、役に立つことを知ってて選んで使わないのは、もう何がなんやら

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