◎ヘルプ担当ギディ
もうひとつ、わかってはいたけど、実際に見ると印象的だったのはゴール下ヘルプでした。
オーストラリアはスイッチを厭わないし、ビッグマンがアウトサイドに引き出されることもあります。ピック&ロールに対してショーディフェンスが基本だしね。当然、ゴール下にダイブするゴベアが空くシーンが出てくるのですが、これが殆どギディがヘルプで潰していました。
また、この時にパスコースを消すポジション取りができるほど、フィジカルコンタクトを苦にしていなかったです。ゴベアの前に簡単に回り込むし、後ろにいてもポジションを取らせない。
終盤になると、ほぼゴール下でヘルプしているんじゃないかってくらい、ギディがリムプロテクト役でした。プロテクトはしていないけど、パスカットやボールをたたき落とすハンドチェックで解決していた。3スティール、6リバウンドを記録したギディ。
3人目のカバーリングと、ゴール下へのパスを消すポジショニング、しつこいぐらいにヘルプにきていたギディでした。まぁこれもサンダーっぽいな。
そんなわけでオフェンスだけでなく、ディフェンスでもスモールラインナップを完成させる役割になっていたギディ。もしもギディがいなければ、インサイドの不安がデカすぎましたが、カバーリングで助けてくれるので、攻守にわたって戦術的には完全にギディのチームになっています。
ギディの課題は当然シュート力。3P3本全部外したし、2P4/11と微妙。ここのフィニッシュさえ改善すればオーストラリアは優勝できそうですが、それって「ドンチッチになれ」ってことだから、さすがに今大会の間では難しいだろうね。
オンボールだけでなく、ディフェンスヘルプ役としても、戦術の核になっていたギディ
本気でオーストラリアはギディ中心の未来を描いている模様。ダイソン・ダニエルズも控えているんだけど、ワンポイントディフェンダーとしてしか出てこなかったし、ベン・シモンズはいないしさ。
しかし、単なるラッキーというわけではなく、ビッグマンが足りていないオーストラリアの戦い方において、ビッグガードのギディの意味合いは非常に大きかったのでした。
◎勝利を呼び込む
そんなギディのハイライトは試合終盤にリードをもたらすためのアタック・・・を外したらリバウンドはゴベアがキャッチ・・・したのを後ろから強引に奪い取ったところでした。そこからミルズのミドルに繋がったぜ。
「ゴベアがとったリバウンドを、後ろから奪い取る」
実はこういうプレーって「勝負強くシュートを決める」以上の価値があるよね。
普段から狙っているようなプレーではなく、むしろ試合の途中であれば無駄なファールをする必要もなければ、そもそもギディが積極的にオフェンスリバウンドに絡む必要もない。しかし、この場面で、
試合終盤の勝負所で普通では考えられないようなプレーを決めてしまう
ある意味で非常識なプレーで勝利をもたらしたギディ。スキルフルで鮮やかなプレーが売りに見えて、実はコンタクトプレーを嫌がらないし、ハードワークで試合に影響力を与えたエース。
大活躍したのはフォーニエでしたが、ギディの存在感が際立った試合でしたとさ。
勝負どころでの考えられないようなプレー、コンタクトプレーを嫌がらずハードワークで試合を支配する…サンダーの中心選手はそういうマインドになるよう育てられているんでしょうか?
あのタイミングでリバウンド後のボールを取られてしまうゴベア側に問題を感じました。ギディがすごいのは分かるけど、ここで取られるからなんか信用できないんだよなーという印象です。
https://www.seattletimes.com/sports/uw-husky-basketball/washingtons-zone-defense-has-stifled-opponents-all-year-will-it-work-for-the-huskies-in-the-big-dance/
この記事に詳しいですが、大学時代のサイブルはフォワード→ガードにディフェンス時のポジションを変えたことでディフェンダーとしての才能をさらに開花した記憶があります。不思議な身体能力の選手だと感じます。
サイブルがとんでもない範囲をチェイスしまくる姿を見るのは本当に好きなので、一ファンとしてはNBAでも代表並みのディフェンス仕事を任せて欲しいなと思ってしまいます。。