フィジカルと展開と判断の早さ

◎オーストラリアの話

日本戦でマークの受け渡しミスが多かったフランス。この試合は・・・よくわからんかったが、やっぱりフリーの選手を何度も作っていました。ところがこちらも３Ｐが決まらないオーストラリアのミスに助けられ続けた感じです。

〇オーストラリア
３Ｐ　　６／２８（２１％）
２Ｐ　２０／４２（４８％）
ＦＴ　２０／３１（６５％）

　

２Ｐの確率が悪かったのはフランスのディフェンス力によるところが大きかったですが、３Ｐはオープンを外しまくっていたし、フリースリーに関しては最後のファールゲームでミルズとケイで４本決めたことを考えると、そこまでが悪すぎた。アテンプトはフランスよりずっと多いし。

一方、ランデールの欠場も決まり、高さが足りないオーストラリアですが、そんな事情もあってスイッチを厭わぬ守り方でマークの受け渡しミスなんて殆どなかったし、その中でスイッチしないマッチアップもあるし、本当によくできていたよ。

イングルスは見えてないはずの後ろからスクリーナーが来ても微動だにせず、なんともなくスイッチしていたもんな。もっとパスの上手いチームが相手ならば、さすがにフリーになってしまうシーンも増えたでしょうし、フォールのポストアップに対してはカットプレーを食らっているわけだし、フランス側の問題もあるけどね。

戦術的には整備されていた印象のオーストラリアですが、ＦＧ成功率を見ても噛み合ってはいませんでした。基本的には

・ギディ、ミルズ、イングルスの３人でローテ
・ケイとリースがメインのビッグに、ホワイトとクックを混ぜる
・グリーン、サイブル、エクサムを組み合わせる

こんな感じでしたが、ジョシュ・グリーンがケガしたことでサイブルとエクサムのプレータイムが増えたのか、それともミルズとイングルスのプレータイムが増えたのかはわからなかったです。

ギディ中心の新チーム
ミルズとイングルスの旧チーム

この２つを組み合わせている印象もあり、後者にエクサムやケイを混ぜておきたい匂いもしました。いかにも世代交代を実行しているチームっぽいですが、やっていることに大きな違いがあり、それが上手く回らないからフィニッシュに課題があった印象もあります。

新チーム　・・・　ギディのアタック＋キックアウト３Ｐ
旧チーム　・・・　動き回るミルズにパスを供給

エースが起点なのか、エースがフィニッシャーなのかの違いがあるので、結構難しいよね。特にギディのアタックは素晴らしかったものの、３Ｐを打たなかったケイとクックの２人のビッグマンは合わせ方が難しく、リースとホワイトで３Ｐ２／６でそこそこなのと使い分けをしていくのでしょうね。

いずれにしてもインサイドで強力にフィニッシュする選手がいないので、ギディのドライブは重要です。ミルズの方はランデールのパスがなくなったことも大きいなー。２４分プレーしたリースがオーストラリアのキーマンになりそうでした。

ただ、スペーシングオフェンスにしておきながら、ビッグマンたちはオフェンスリバウンドに飛び込みまくるので、なんと２０ものオフェンスリバウンドを取りました。

〇オフェンスリバウンド
クック　６
ケイ　　２
リース　２
ギディ　２

クックは自分で外して、自分で撮っているシーンがあった気がする。まぁいずれにしても日本がフランス戦でオフェンスリバウンドを頑張ったのに、もっと奪ってしまったオーストラリアで霞んでしまいました。ちなみにフランスのディフェンスリバウンドは２９なので４割も奪っていたよ。

そんなわけでサイズはないけどフィジカルで負けず、そして運動量豊富だし戦術理解も進んでいるオーストラリア。ただし、シュートミスが多くて、自分たちの戦い方の柔軟さに追いつけておらず、まだチームとしては成熟していない。

ワールドカップで優勝するには修行が必要ですが、その修行の間に敗退してしまっては意味がない。フランスに勝ったのでドイツ、フィンランドに連敗ってことはないでしょうが、相手よりも自分たち次第って感じでした。

さて、本日の本題はギディとサイブルだったのですが、ちょっと長くなったので２つにわけることにします。とはいえ、ギディのことも、サイブルのことも十分に知っているから、あくまでも「直接見て感じたこと」をショートに書くだけなんだけどね。