フィジカルと展開と判断の早さ

◎ヤブセレとゴベア

さて、本題に入ると「フロアレベルでみると違いを感じるのか」という点では、やっぱりフィジカルな戦いの部分で画面越しとは迫力が違うし、フィジカルがどれだけ重要なのかが見えてきます。

誰もがフィジカルの強さを感じさせる中でも異次元だったのはヤブセレ。ヤブセレの近くにいると何もできなくなるもんな。ルーズボールとか、飛び込むことすら許してもらえないほど、ヤブセレに吹き飛ばされてしまいます。ミルズとマッチアップしていた時は、子供と相撲取っている力士みたいな。

一方でゴベアの弱さも出ていました。画面では「強くない」程度だったけど、直接見ていると「弱い」ように見える。ゴベアのアタックは誰も動かないし、イングルスに自分からあたったのに吹っ飛ばされているし。で、これってゴベアの身長だと、どうしても起こってしまう現象にも見えました。背の高い選手って重心が他の選手より高いから、押し込みたくても押し込めない。

同じことはフォールにも言えるけど、フォールは体重もある。ただ、ゴベアの方がはるかに動けるわけで、ゴベアがゴベアであるためには体重増やしても意味ないしな。難しいよね。

そんなこんなでゴベアのことで苦労していなかったオーストラリア。この件についてはギディの凄味でもあるので後述しよう。

◎レフリーの話

フィジカルが目立つほど、あっちこっちでスクリーンによるコンタクトが発生し、オフボールムーブから間髪入れずに仕掛けていく試合は、迫力もあったし、俯瞰で見るよりもはるかに「早い」です。この「早い」っていうのは、3mくらいのクイックネスや細かいアジリティではなく、

スクリーン⇒ポップ⇒ダイブ⇒スクリーンみたいな連続プレーの「早い」であり、これが複数個所で実行されているのに、平然とパスが出てくる「早い」判断力でもありました。俯瞰ならば全体が見えるけど、フロアレベルだと目の前しか見えないしね。

この連続プレーと判断の早さにレフリーはついていけないんだろうな、というのが感想です。次から次に展開されるし、それは多少のフィジカルコンタクト(ファール)があっても次のプレーにつなげていくからでもあります。で、ファールを見逃していくんだけど、誰かが倒れたらファールコールしてしまうっていうね。フロッピング祭りになりがちなFIBA国際大会。

まぁ正直、慣れなんだけどね。慣れていない日本のレフリーには苦しいだろうね。

例えば、試合終盤にゴベアがゴール下を決めた腕を振り下ろしたら、ニック・ケイへのエルボーになったのですが、これにレフリーは気が付かず、プレーが進み、オーストラリアが倒れているケイのためにプレーを止めることを要求しました。で、リプレーしたらゴベアのアンスポ。

全くボールがないところならばまだしも、シュートを打ったゴベアを見ていなかったっていうのはさ。それもアンスポなわけでしょ。(アンスポなのかって話は別としてね)

他にもヤブセレがブロックを決めるとフランスがカウンター。で、当のヤブセレはブロックした相手に向かって吠えているんだけど、レフリーは全く見ていなかったのよ。展開の早さに必死で追いかけているようにみえました。わからんけど。

いずれにしても普段はモニター越しに見慣れている立場からしても、フロアレベルで見るとマジで目まぐるしすぎて、これがファールかどうかをジャッジする間もなく、次のプレーどころか次の次の次のプレーが発生しているようにみえました。Bリーグでは感じたことのない早さなので、レフリーにも難しいだろうな。

ファールを見逃す話と、フロッピングの話は全くの別物だけどね。

NBAだとオフェンス時でもボール見ないで動いている選手を見かけることが多いけど、そりゃあこの速度で展開していくならば、常にボールとディフェンスを見て動くとかありえないわ。「自分はボールを見ないで動くけど、空いた瞬間にパスしろよ」みたいな。パサーの判断の速度も問われているし。

フィジカルと展開と判断の早さ” への3件のフィードバック

  1. OKCファンとしてはギディとホワイトを見るためのオーストラリア代表ですが、whynotさん的にジャックホワイトはどうですか?個人的にはめちゃめちゃOKCぽい選手だなーくらいに思っているのですが…

    1. 同じですね。サンダーらしいビッグ。
      で、同じような選手はこれ以上は不要なんじゃないかと。

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