◎パウエルとトビー
ここからドンチッチとヤングの個人スタッツを比較していくのですが、その前にホークスについてヤングのオン/オフスタッツを見てみましょう。実はレーティングについてはマブスと似たような状況にあります。
〇オフェンスレーティング
オンコート 115.9
オフコート 111.4
レーティング差4.5はドンチッチに比べれば小さいですが、ホークスにはマレーがいることを考えると差があるように思えてきます。ちなみにスナイダー就任以降はヤングがいなくても大丈夫という傾向は強まっています。
〇TS
オンコート 58.8%
オフコート 56.2%
〇アシスト率
オンコート 56.4%
オフコート 55.2%
あまり変わらないスタッツは割愛。TSは少し落ちているわけでドンチッチ同様ですが、そもそもヤングがいてもそこまで高くはないです。一方でドンチッチと大きく違うのは、ヤングがいるとチームのアシスト率が高まることで、ヤングのパスがキーになっています。
ということで、まずはパススタッツについて比較してみましょう。全てヤング/ドンチッチの順で書いていきます。
〇パス数 49.4/54.6
〇アシスト 10.2/ 8.1
ダブルPGだったこともあり、ヤングのパスの方が少ないですが、アシストはヤングの方が多くなっています。その理由は後述しますが、どちらもPGとしてボールを持つ時間が長い割にはパスが少なく、パスが少ない割にはアシストが多い選手です。
パスが多かったのはヨキッチ、ハリバートン、ハーデンですが、それぞれ70本のパスを出しており、ヤングに至っては20本近く少ないのに、負けないレベルのアシストを記録しています。ヤングもドンチッチも
アシストは多いが「パサー」と表現するにはパスが少ない
ヤングの方はチーム事情が難しいのですが、ドンチッチについては積極的にパス交換をすべきに見えてきます。ここ1つめの「プレーバランスの調整」させたいところですね。とはいえ、ドンチッチからのパスでシュートに行った本数を見ると、マブス特有の問題も見えてきます。それぞれのパスから2P、3Pを分類すると
〇2P
16.0本/ 8.8本
57.5%/56.0%
〇3P
8.3本/10.2本
36.1%/39.8%
ということで「パスは少ないけどアシストが多い」ヤングは2Pへのパスの多さが目立ちます。それがアシスト数を増やしているわけですが、一方でドンチッチは3Pに繋げる本数が多く、しかも40%近い成功率なので得点効率の面で見ると、ヤングとドンチッチに差はありません。
2Pが多いのでアシスト数はヤングが上だが、ドンチッチは3Pが多く得点効率は大差ない
そんなことがいえるわけですが、ドンチッチというかマブスのことを考えると、いくらなんでも2Pに繋がる本数が少なすぎます。極端な話でいえば「ドンチッチからのキックアウト待ち」が多すぎるわけです。マブスでレーティングが高いのはパウエルですが、ドンチッチとのコンビプレーからフィニッシュするパターンをもった選手を、もう少し長く起用するべきでしょう。
〇ドンチッチ ⇒ パウエル
パス数 4.7
アシスト数 1.0
FG63%
明らかにパスが少ないですね。FGは高いのでシュートに繋がるパスさえ出せればOKって感じです。そして、この点でスロベニアではトビーがいます。外からも打つけれど、インサイドでのフィニッシュが持ち味のトビー。パウエルも一時期は3Pも打ってたけどね。
マブスはライブリーとプロスパーをドラフトで指名しており、パウエルに続くインサイドの相棒を求めました。ウッドは合わせのプレーが弱いし、マギーは単純だし、ってことでライブリーに多彩さを求めているのかもしれません。ドンチッチのプレーバランスが変わるのかどうかの1点目は、シンプルにアシスト増と関わってきそうです。とはいえ、ライブリーが1年目からウッドくらいのプレーをするとも思えんが。
なお、ヤングにはカペラとオコングがいるので、常にインサイド合わせ担当がいました。ヤングのドライブフィニッシュは確率が悪くても、パスと合わせ技なら変わりません。一方でドンチッチにはファールドローがあります。常にゴール下にいる選手は、それはそれでジャマ。
ドンチッチとカイリーの関係性はどうお考えですか?
ドンチッチがサボっててもカイリーにやらせておけばそれなりに繋いでくれるとは思うのですが。
ディフェンスで耐えるみたいなのは期待できないでしょうけど。