◎オン/オフコート
まずはドンチッチのオン/オフをみていきましょう。マブスにおけるドンチッチのオン/オフは非常に興味深い数字が並びます。
〇オフェンスレーティング
オンコート 118.1
オフコート 111.5
〇ディフェンスレーティング
オンコート 116.0
オフコート 114.9
まずはオフェンスレーティングなのですが、その前にディフェンスに触れると以前に比べてドンチッチのオン/オフの差は縮まりました。これはドンチッチのディフェンス力が上がったというよりも、マブスのディフェンス力が驚異的に下がったことが要因です。
マジで、なんでこんなことをしてしまったのか。フィニースミスのトレード以前の問題なので、補強方針が間違っていたってことなのですが、それはマブスが勝てなくなった話なので置いておこう。
本題のオフェンスに戻すと、どっからどうみてもドンチッチの存在価値は偉大です。ドンチッチがいなければクソみたいなチームであり、ドンチッチがいるからリーグトップクラスのオフェンスチームになっています。シーズン前半だけならMVPはヨキッチじゃなくてドンチッチだったもんね。えっMVPはエンビードだって???
ところが、このオフェンス力を分解すると?マークが浮かんできます。
〇EFG
オンコート 57.9%
オフコート 54.5%
〇TS
オンコート 61.2%
オフコート 58.0%
ドンチッチのオン/オフで3%くらい得点効率が下がっていますが、実はTS58%はホークスのTSよりも高く、マブスの得点効率って「ドンチッチ不在でもリーグ中位レベル」なのです。
6.6もレーティングが下がっているということは、100回のオフェンスで6.6点少ないわけですが、TSが3%下がるってことは100回のシュートで6点下がるってことです。実際には100回のオフェンスで90回くらいのシュートになってくるのですが、ドンチッチのオフコート時のレーティングの低さに対して、TSは下がっていない感じです。
〇ターンオーバー率
オンコート 12.1%
オフコート 12.7%
〇オフェンスリバウンド率
オンコート 22.8%
オフコート 22.4%
ドンチッチのオンオフでターンオーバーが微妙に増え、セカンドチャンスは微妙に減ります。オフェンスリバウンドは誤差の範囲として、ターンオーバーも微妙って程度です。100回のオフェンスで0.6回減っている。微妙だけど、確実に下がっているのは事実。
マブスのオフェンスリバウンド率はもともと低いので気にしても仕方ありません。ターンオーバー率はリーグで2番目に低く、12.7でもリーグ4位です。なので、ドンチッチのオン/オフに関係なく、オフェンスリバウンドの弱さとターンオーバーの優秀さを持っています。
これらのオフコートの数字を見ていると、なんでここまでオフコートのレーティングが低いのか不思議です。ちなみにオフコートのオフェンスレーティング111.5に近いチームはマジックの111.3(リーグ26位)ですが、スタッツを比較してみましょう。
マジックとの比較(ドンチッチオフコート)
〇オフェンスレーティング
111.3(111.5)
〇EFG
53.2%(54.5%)
〇TS
57.3%(58.0%)
〇ターンオーバー率
15.1%(12.7%)
〇オフェンスリバウンド率
28.1%(22.4%)
オフェンスリバウンドこそ惨敗ですが、その分ターンオーバーは少なく、シュート効率でもドンチッチ抜きのマブスが上回っています。これだけ上回っておきながら、レーティングでは互角となればマブスはオフェンスリバウンドさえどうにかすれば強いのかって話にもなるぞ。
しかし、今回はあくまでもドンチッチの話です。オン/オフコートの違いでいえば
ドンチッチがいることで優秀なオフェンスチームになる
ドンチッチがいることで得点効率が3%向上する
ドンチッチがいることでミスが減る
ドンチッチの有無はオフェンスリバウンドには影響が少ない
そんな特徴があるわけですが、キーポイントとして「マブスはドンチッチがいなくてもシュート効率は悪くない」という点が挙げられ、それでいてドンチッチがいるとアシスト率が下がる懸念もあります。
〇アシスト率
オンコート 54.3%
オフコート 61.9%
これまでで最も大きな差異ですね。ドンチッチがいるとアシスト率が7%下がって、TSが3%上がる。でもマブスはシュート力のあるチームだ。なんだか矛盾しているような気もするけど、それだけドンチッチが高い効率でシュートを決めているということです。
ドンチッチとカイリーの関係性はどうお考えですか?
ドンチッチがサボっててもカイリーにやらせておけばそれなりに繋いでくれるとは思うのですが。
ディフェンスで耐えるみたいなのは期待できないでしょうけど。