エバン・モブリー進化論

サマーリーグが行われており今日この頃。思い出すのは２年前のサマーリーグでみたモブリーがどうしようもなかったこと。全然ダメじゃん。サマーリーグレベルでもフィジカル負けするし、ＦＧ成功率も悪いし「線の細さもあって、時間がかかるんだろうなー」と思っていたら、シーズンが始まると活躍していきました。

かなり不思議な現象であり、現代バスケのセオリーから外れているキャブス事情でもありましたが、ケミストリーのないサマーリーグよりも、本番のシーズンは連携もあってプレーしやすかったのでしょう。つまり、前回のバンケロとは方向性が大きく異なるってことです。モブリーのエースムーブなんて見れないもんね。

〇３Ｐ　２１．６％

加えてテクニカルなタイプであり、センターではないビッグマンであり、現代的な連携が大事な選手ながら３Ｐに関してはダメというか、打ってもいないのがモブリーでもあります。ジャレット・アレンと並んでいるのに、これで成立しているってのもファンキーすぎるし、これで成立させるほどモブリーってすごいわけだよね。

今回はモブリーの良い部分を振り返りつつ、キャブスの特徴と、ガードコンビになったことによる問題点を考えてみましょう。うーん、２回にわけたいな。

◎ＤＰＯＹ候補

ＤＰＯＹのファイナリストに選ばれたようにモブリー最大の長所はディフェンス。「ひょっとしたら」リーグ最高の高速ヘルプをもっているかもしれません。「ひょっとしたら」というのは試合の中で十分にその価値を発揮しているものの、ジャレット・アレンがいることでヘルプにいかなくてＯＫのシーンも多いから。

まぁこの点ではＤＰＯＹのＪＪＪにはアダムスがいるので、あっちもブロック数に割には怪しい。だからブルックこそが・・・あー、そこにもヤニスがいるな。いずれにしても１人のリムプロテクターではない選手ばかりがファイナリストになったんだよね。

モブリーのリムプロテクトは本領が発揮されるのはアレンがベンチに下がっている時間帯で、驚異的な高速ヘルプでカバーに来てくれます。周囲がガードだらけになって明確にブロックに行く必要があるのと、そのガード陣がゴール下カバーに来てくれるので、なんならツービッグよりもヘルプに行きやすい事情も関係してそうです。

〇ブロック　　１．５
〇リバウンド　９．０

アレンがいるチームにおいて、この数字は立派。ツインタワーといっても過言ではない中で、アウトサイドまで守る必要があるモブリーなので、これ以上を求めるのはちょっとね。一方で本当はワンビッグというか、ウイングを増やした形の方が向いてそうでもあります。今だとコリンズとかさ。すごく面白そうなコンビになるな。

〇ｖｓランドル
１３５回
２８失点
ＦＧ１１／４３（２６％）
７ターンオーバー
９アシスト

そしてプレーオフでは完璧にランドルを封じ込めました。個人の戦いにおいてはモブリーが完勝。なんで相手エースを抑え込んだのに１勝４敗で負けなきゃいけないんだ。計算が狂いすぎのキャブス。

〇シーズン中の被ＦＧ
エンビード　６１％
ブルック　　７１％
バンケロ　　５２％
カペラ　　　６２％

一方でフィジカルなセンター相手は苦手です。まぁカペラとかは単なるインサイドねじ込みだからＦＧ成功率を見ても仕方がないのですが、エンビードだけでなくブルックにも苦しんでおり、純粋なセンター相手のマッチアップでは優位性をだしにくいです。

なお、直接マッチアップ時に最も点を取られたのはエンビードですが、２番目がジェイレン・ブラウンとなっており、ワンビッグが厳しいＰＦタイプは、ウイングも守れないといけない。モブリーは線が細い代わりに細かいステップについていくことが出来、ウイングディフェンスを苦にしません。とはいえ、やっぱりインサイド担当なんだよな。

〇ＤＩＦＦ
３Ｐ　１．７
２Ｐ△４．１
うち６フィート以内　△６．３　

モブリーのディフェンスはＰＦとしては文句のないレベルで、なおかつスイッチやショーディフェンスでの対応もできるし、腕の長さを生かしたハンドチェックも魅力です。ただ、どうしても「ＰＦとして」なので、ワンビッグでは苦しそうな時もあるし、ツービッグではオフェンス面の問題もある。

キャブスはそれでも問題なくツービッグにしているので、そこがモブリーにはハマっています。これがオフェンス志向の戦略になったらモブリーとアレンの使い方をどうするのか迷うだろうね。

そういやネッツ時代のアレンはスターターだけど、試合終盤はＰＦタイプを複数並べる采配によりベンチに下がることも多かった。キャブスには「複数」の部分に選手構成の課題がある。プレーオフの負け方を繰り返したらアレンが放出されてＰＦタイプを連れてくるのかな。連れてこれるのかな。