いったい、何が起きているんだろうか?
ナゲッツとのゲーム3に敗れ、レイカーズは崖っぷちに立ちましたが、その中で八村だけは素晴らしいプレーで貢献しています。驚くほど、高確率でシュートを決めていき、レイカーズのオフェンスをけん引しているわけですが、いいかえると八村が得点を奪えている割には、レイカーズは得点が伸びておらず、チームオフェンス的には問題があります。
ゲーム1の後半に72点を奪ったことを除いて点が取れていないレイカーズですが、そのゲーム1の後半に八村は8点でした。チームの上下動とは関係ないのは、八村が悪いのか、チームメイトが情けないのかって話にもなりますが、そんなことは無視して、シンプルに「八村は個人技アタックで点を取っている」という状態といえます。チームオフェンスそのものは、さほど機能していない。
Q.ウィザーズの時と何が違いますか?
そんな質問がきますが「ヤル気」としか思えません。理由は、そもそも戦術的なフィット(つまりチームオフェンスで点を取りまくる)でない限り、半年で個人が急激にレベルアップするはずもなく、ウィザーズでも試合に出ていた八村が、レイカーズに来て急に上手くなるわけないよね。かといって、特定の誰かと相性が良いわけでもない。
そういえば逆に「八村がミスマッチのポストアップをしても絶対にパスを出さない」リーブスなんて案件もありますが、ナゲッツとのシリーズではリーブスがパスしていてびっくり。
〇八村へのパス数とアシスト数
レブロン 48ー12
ディアンジェロ 46ー9
リーブス 25ー9
面白いことにリーブスは八村へのパスが非常に少ないのに、アシスト率が高くなっています。あまりパスしないけど、パスしたら八村が決める。ってことは、相性が悪いように見えて、相性が良いのかもしれません。
プレーオフになって八村は70のFG成功がありますが、そのうち53にアシストがついています。76%です。シーズン中は69%だったので、そこそこ向上していますが、誤差の範囲でしょうね。
さて、ウィザーズよりもレイカーズにきて活躍しているというのは事実とは言い難く、プレーオフという場で結果を残していることによるバイアスです。とはいえ、プレーオフで結果を残すとは思えなかったので、大舞台にやる気をだせていることはポジティブにみるべきだし、これでもう来シーズンもレイカーズに残るでしょうね。
しかし、この「プレーオフでの活躍」も実は微妙です。
グリズリーズとのシリーズでは29点ー20点ー16点と3試合続けて活躍してスタートを切りましたが、以降は7-9-6と一桁でおわっています。
続くウォリアーズとのシリーズでは、大敗したゲーム2に21点を奪っていますが、残りの5試合は一桁。
それがナゲッツとのカンファレンスファイナルでは17-21ー13と3試合続けて二桁得点でした。ん・・・あれっ・・・なんか、八村が点とった試合ってレイカーズが苦しかった試合が多いですね。グリズリーズとの初戦以外、八村が点を取るとチームは苦しんでいます。
これはネガティブな意味ではなく、チームが苦しい中で個人で助けているってことですが、やっぱり冒頭のとおり「チームオフェンスの中で機能して得点している」わけではないってことです。アシスト率は高いんだけど、その割にはね。ある意味でレイカーズのやりたいこと(レブロンとAD中心)なのが読まれているから、八村がアクセントになっているともみえます。