シクサーズのゲーム7

◎何が問題だったのか

ちなみに3Qは、まだ残り4分もありますが、あとは似たような展開なので無視しましょう。

テイタムが決まりまくることに困ったことが全てに見えますが、3Qはテイタムが17点でセルツは33点です。そこまで点を取られまくったわけではありません。タフショットを強いていれば、こんなに決まらなかった気もします。

「エンビードを引き出されたらどうするか」は毎シーズンの課題ですが、テイタムvsエンビードになってもステップバック3Pを強いていたのだから、最低限のディフェンスはできています。

一方でダブルチームを仕掛けてからボッコボコにされました。なんせマキシー、ハーデン、エンビードと揃っているので、ダブルチームからの4on3に耐えることが出来ないし、ダブルチームから3人目のカバー⇒ローテなんてセルツが普通にやっていることも出来ません。

チーム戦術としても問題ですが、そもそも守れるタイプの選手を並べていないのだから、テイタムvsエンビードでステップバック3Pを打たれるくらいはガマンの領域です。

しかし、問題は3Qで10点しか取れなかったこと。「テイタムを止められないから、点が取れませんでした」という事実の方が遥かに重いです。得点王って何のためにいるの?

〇3Qのエンビード
0点
FG0/4
2ターンオーバー

一応、4つのアテンプトがありますが、そのうち2つはショットクロックがなくなって苦し紛れに打った3Pなのでカウントするシュートではなく、1つはシュートに行くときにホーフォードにスティール(記録はブロック)されたもの。もう1つはターンシュートをホーフォードにブロックされました。

ってことで、エンビードは実質1本しか打っていないし、得意のファールドローもしませんでした。

3Q序盤はちゃんとポストアップしていたし、そこから展開していました。しかし、テイタムに決められてから、極端にボールを貰いに行くのを怖がりました。ボールから逃げていくし、シューターポジションにも入らない得点王。本当に「テイタムに決められまくったから点が取れませんでした」なんだよね。

そして積極的にリングに向かってこないことで、ハーデンやマキシーは逆サイドのコーナーへの展開ばかりしました。次第にコーナー3Pを守りやすくなっていったセルツってのは「わかりやすいキックアウト」になったからです。エンビードが強引にでもリングにダイブしていれば、コーナーへのチェックは遅くなったでしょう。

〇エンビードのオフェンスリバウンド 1

この試合のスタッツで最大の問題は、15点ではなくて、オフェンスリバウンドに参加していないことでした。ちなみにタッカーは0なのでロバートの勝ちでした。

シクサーズのゲームプランはヘルプに来るロバートをみて、コーナーでのキックアウト3Pを打つことでした。ってことは落ちたシュートはエンビードが回収するのが仕事のはずです。メルトンが3つ、リードが2つとっているのですが、エンビードは殆ど参加すらしませんでした。

ここでエンビード構文を思い出してみましょう。「オレたちにはPJタッカーが足りない」ってやつです。バスケット・カウントの記事ね。

エンビードは「もっとタフになる必要がある」と言い、「PJ・タッカーは素晴らしい選手だ」と、ヒートのタッカーを見習うべきと答えた。

「彼にとってシュートを決めることは重要じゃない。彼が何をするかが重要なんだ。ディフェンスやリバウンドだったりね。彼のディフェンスを見ても、とてもエネルギッシュだし、『誰も自分を倒すことはできない』と信じている。彼はとにかくフィジカルでタフ。それにヒートには彼以外にもバム(アデバヨ)とか、そういう選手が何人もいる」

「僕がシクサーズに来てから、そういうタイプの選手がいたと言えば、それは嘘になる。もちろん、チームのことを悪く言うつもりはない。ただ、それが事実なんだ。僕たちにはタッカーのような選手がいない。プレーオフで勝ち進むほど、フィジカル色が増してくるし、タフさが必要になってくる」

そう、これを読んでいくと「PJタッカーを補強しろ」に繋がるわけですが、むしろそれ以外の部分に注目です。

ディフェンスを見ても、とてもエネルギッシュだし、『誰も自分を倒すことはできない』と信じている

シュートを決めることは重要じゃない。彼が何をするかが重要なんだ。ディフェンスやリバウンドだったりね

ヒートには彼以外にもバム(アデバヨ)とか、そういう選手が何人もいる

こうやってみるとエンビードの発言は正しかったわけです。

テイタムにやられても「誰も自分を倒すことはできない」と信じることが出来なかったし

「シュートを決めること以外」の仕事を出来なかった

タッカーは加わっても「バム」のようにはプレーできなかった。

1年が経って自らの言葉を回収してしまったエンビード。つまり、形は変われど同じような負け方だったってことだ。テイタムに自信を砕かれ、得点に絡めなければ消え、タッカーがいなければタッカーの仕事はしなかったのさ。

あまりにも酷かった3Q。誰かを補強したところで自信を持ってプレーできないならば、ハードワーク出来ないならば、こうなるってことか。

ちなみにヨキッチはここまで4.2本のオフェンスリバウンドをとっているのさ。30.7点、9.7アシストしながらね。

シクサーズのゲーム7” への4件のフィードバック

  1. なんという伏線回収、、、。

    また来シーズン頑張ろう!にはならない負け方でしたね。フィラデルフィアでやられてたら暴動起きそうでした。
    ある程度勝てて適度にセミファイナルまで行けちゃうのも解体しづらいすね。。。

    1. 失敗ってわけじゃないんですよね。
      ちゃんと良い成績は残せている。

      でも、ここを超えるのはエースの限界みたいなところも。

  2. お疲れさまです。
    今年もブログ楽しませていただいてます。
    今年のプレーオフのエンビートには色々ビックリしました。(管理人さんはやっぱりって感じかもしれませんが…)

    6戦の4Q終盤と7戦の3Qの豹変ぶりが、
    そこまでのエンビートを結構ポジティブに見てたのもあって、ショックでした。
    4戦終盤でタッカーに檄入れられてるシーン、見たときは笑ってしまいましたが、今思うと悲しいです。
    熱望したタッカーでもMVPでも変われなかったメンタリティは、HC交代で変えれる気がしないです。

    1. HC交代したいけど、交代しても何も変わる気はしないんですよね。
      特にハーデンがいたことで、ちゃんと組み立てもできるようになったので、これ以上を積み上げることが出来るのかどうか。
      うーん、難しそう

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