怒りの1年間
昨シーズンのピストンズが「カニングハムナイズされたシーズン」だとすれば、今シーズンは「カニングハムナイズが木っ端みじんにされたシーズン」でした。怒りしかないぞ。
では「カニングハムナイズ」とは何だったのかを思い出す必要があります。詳しくは「さようならピストンズ’22」を読んでもらうとして、ポイントだけ挙げていくと
個人技任せのチームで戦術がない
⇒1人でスクリナー、カットプレー、ストレッチ・・・と多彩さを加える
⇒カニングハムが動くからチームメイトも動き出す
⇒連携・戦術・オフボールのある選手が輝きだす
⇒輝くからプレータイムが増え、更にカニングハムの良さが出てくる
⇒パスが増え、連動し、インテリジェンスのあるチームに生まれ変わる
本当に何もなかったピストンズですが、カニングハムが1人でチームを動かし、1人で戦術を作り、ケーシーが好んで起用していたオンボールな選手が使われなくなっていき、連動性のあるチームに生まれ変わりました。HCすらも変えてしまったようなカニングハム。
で、今シーズンに何が起こったかといえば、カニングハムが離脱してしまったので、非常にわかりやすく元に戻りました。えぇ何もない状態に戻ったんですよ。
オフボールや連動を生み出す選手は出番を減らし、オンボール担当のつまらない個人技アタックへのチームへと戻っていったのです。マジで酷かったので、1試合観ると1カ月くらい見ていられなかったので、ぶっちゃけ観戦試合数少ないんだよね。カニングハムがケガするまで、こんなことになるとは思ってもいなかったぞ。
さて、本題に入る前に去年のさようならピストンズ’22で使った数字を今シーズンの分も並べてみましょう。ちなみに、これを書いているのは3月中旬なので一部の数字は最新ではありません。
まずはヘイズのスタッツです。1年目は個人技アタックのためにボールを持って困っていたのが、カニングハムが加わった2年目はパスを簡単にさばき、攻略していったのでボールを持つ時間が短くなりました。そして3年目にどうなったのか。
〇平均ボール保持
5.04秒 ⇒ 3.99秒 ⇒ 5.28秒
〇ドライブ数
11.1回 ⇒ 6.0回 ⇒ 8.7回
はい。わかりやすくボールを持つ時間が長くなりました。ドライブ数は元に戻ることはなかったですが、アイビーやボグダノビッチが加わった事情もあるので、どう考えるべきか難しいです。
続いてチームのアシスト数をみてみましょう。カニングハムが中心になるにつれてアシスト数が増えていき、1月以降は24本を超えましたが、今シーズンはどうなっているのか。
〇アシスト数 23.5 ⇒ 22.9
〇ターンオーバー 14.2 ⇒ 15.1
わかりやすく下がりました。もともと23.5はリーグ23位と少ない方なのですが、さらに下げてしまいました。下にいるのはロケッツ、マブス、ニックスとハンドラー任せのチームですが、そんなハンドラー任せのチームでもピストンズよりはパスが多いのも特徴です。信じられないくらいにパスが減った今シーズン。
〇パス数 304.4 ⇒ 263.1
なんとリーグ4位から28位になりました。リーグトップクラスにパスを回していたチームが、リーグ最低クラスのパスに落ち込み、そのうえでターンオーバーが増えています。もはやどうしようもない。HCが同じでパス数が急降下するってどういうことなんだよ。
カニングハムがいなくなるとパスを回さず、ボールを止め、ミスが増えた
なお、もちろん、得点も111.1点で28位です。パスを減らして点が取れるようになったならともかく、パスしない、点が取れない、ミスは多い。どうしろってんだよ。カニングハムが偉大過ぎることを感じるしかない今シーズンでした。でも、もっと悪いことにチーム構成そのものをカニングハムがいない前提の構成に変えてしまったことなんだ。
そんなわけで今シーズンに見てきたことを順番に触れてみましょう。思い出すのも困難なくらいにケーシーは戦術がブレブレ。ブレブレっていうか元々戦術がないHCなので、指針がないから悪い方向にばかり落ちていく。
新しいHCは誰になるか、超気になりますよね。
基本的に選手が若く、それでいて成熟しているカニングハムがいるので、若手の育成も出来、かつ結果も残せるN.ナースだったら、面白くなりそうですけどね。
元上司や同僚たちもいて、環境的には揃ってる気がしますけど…
カニングハムの才能を評価しているHCを連れてかないと何にもならないでしょうね。1on1オフェンスしちゃうとダメですからね