さようならクリッパーズ’23

ラッセル・ウエストブルックの奮闘ばかりが目立ったプレーオフ。エリック・ゴードンの重用問題やベンチの中心になったボーンズ・ハイランド。逆に出番がなくなったコビントンの謎、そしてシーズン後半にスターターから戦力外になり、ゲーム4からスターターに戻ったモリスと僅か5試合の間に多くのドラマが起きました。

ポール・ジョージとレナードの離脱も含めて「ドラマ」こそが、今シーズンのクリッパーズに生じた最大の問題でした。

開幕前の注目はジョン・ウォールの獲得と5ウイングのラインナップでした。もっとも、後者については昨シーズンの時点でティロン・ルーが「センターを使いたい」スタンスを明確にしていたので、大きな意味はありませんでした。ただ、ポール・ジョージとレナードの2枚看板を中心に『穴のないディフェンス』を構成するには、オプションとしての5ウイングは有効だったはずです。

ウォールについては、スピード系の選手が足りないクリッパーズでは、ドライブで切り刻むオプションとしての活躍が出来ていました。ところがケガもある中で、気が付いたら戦力外になっていました。個人的にはウォールは極めて有効なオプションであり、有用なベンチメンバーでしたが、それを「オプションではなく主力」と計算し始めたことで不満が生じ、放出に繋がったように見えます。

ベンチのオプション担当がよいプレーを見せ、スターターと並べるようになり、機能性が低いから戦力外にする。そんなドラマがみられたわけです。

ウォールが元オールスターPGだといっても、全盛期の頃だって欠点のあるPGだったし、長所であるスピードを活かせば活かすほど、ウイングチームから離れていくのだから、主役の一部と捉えたこと自体が間違いでした。

オプションと主軸を使い分けすることが出来なかった

本来、クリッパーズのチーム構成はポール・ジョージとレナードの2大エースに、大量のオプション担当がいる形です。対戦相手や試合展開に応じて使い分けることで、剛柔入り混じった多様な対応が可能になるわけですが、「オプションとして活躍した選手を主軸に格上げし、主軸として失敗すると戦力外にする」というのは、演出のしすぎです。

これが確たる戦術をもって選手を使っていくタイプのHCならば「戦術に合わない」で理解もできますが、ルーは確たる戦術ではなくて、展開に応じた(?)選手起用が売りのはず。何故、このようなことをしたのかは謎でした。あと、テレンス・マンだけは永久にオプション扱いなのも謎。

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