シクサーズのゲーム７

◎３Ｑ前半で起きたこと

シクサーズはエンビードに何度もポストアップさせ、そこにセルツの選手が３人寄ったところで予定通りのキックアウトからトバイアスが３Ｐを決め、同点になって３Ｑが始まりました。この時、タッカーはエンドラインをうろうろとしていましたが、スイッチしていたことでロバートはトバイアスをマークしており、見事に空いた形です。

それからもエンビードのポストアップから作っていったシクサーズですが、キックアウトしたところでオフェンスファールが発生し、ヘルプがこないから自分で打とうとしたらホーフォードに奪われました。

ハーデンがドライブしてキックアウトからタッカーが１Ｑ以降初めての３Ｐを打つも外れるなど、形は作れているのにフィニッシュが甘いオフェンスが続きます。

セルツはいくつかのプレーを行った後、テイタムがしつこくスクリーンを使ってスイッチを促し、ｖｓエンビードのドライブを決めます。この時、ロバートは放置してよかったので、スイッチする必要もない（ダブルチームでよい）のに、タッカーはあっさりとスイッチしてしまいました。

さらに同じようにスイッチさせると、今度はエンビードを抜けなかったものの、そのまま逆サイドのコーナーへいったテイタムは、ｖｓエンビードのステップバック３Ｐを決めます。難しいシュートなのでテイタムを誉めるしかありません。ここで７点差になりシクサーズがタイムアウト。

このアフタータイムアウトはハーデンとエンビードのツーメンゲームから、逆サイドのトバイアスにキックアウトし３Ｐを打つも外れます。これも形はできています。しかし、この次のオフェンスから崩れるのですが、後述しましょう。

テイタムはまたもロバートのスクリーンでスイッチさせるとｖｓエンビードのステップバックを決めます。これもよく決めたよね。次のオフェンスも似た形でしたが、もうロバートについてこなかったエンビードをみてドライブを仕掛けるとファールドローに成功します。

タフな３Ｐを打たれていたのが、イージーなドライブに切り替わった瞬間ですが、そこにはエンビードがずるずると後ろに下がっていたことが関係します。ここでスクリーンにひっかかりすぎるしスイッチしすぎるタッカーからメルトンに代わります。

今度はテイタムへのスクリーンが発生するとメルトンとエンビードでダブルチーム対応になりましたが、簡単にパスを裁かれるとブラウンの３Ｐが決まります。ここでゾーンをチョイスしたリバースですが、前にいたマキシーをホーフォードがスクリーン１枚ではがし、テイタムがワイドオープン３Ｐをヒット。シクサーズは２回目のタイムアウトです。

では、ここまでをまとめましょう。約６分の話です。

セルツの狙いは明確にテイタムｖｓエンビードでした。ロバートのスクリーンに簡単にひっかかるタッカーというのはサイズ的に致し方ないのですが、ロバートを捨てる判断をせず、スイッチだったのは気になるところです。

エンビードは引き出されても出ていきました。昨シーズンまでは出ていくことすらせずにプルアップ３Ｐを打たれていたので成長といえば成長ですが、出ていくのを忘れたらスピードドライブを食らっていました。「３Ｐを決められるから前に出て抜かれる」のではなく「３Ｐを決められたから出ていくのが嫌になった」感じです。

とはいえ、テイタムｖｓエンビードのアウトサイド勝負は、テイタムがステップバック３Ｐ連打になっており、簡単に抜きまくったわけではありません。このタフショットが決まるのは「諦める」のが正解だと思っていますが、諦めたくなかったのでスクリーンに引っ掛かりすぎるタッカーを下げてメルトンを出してのダブルチーム、さらにゾーンにした結果、簡単にスクリーンに引っ掛かったマキシーで、テイタムがワイドオープンになる事態が発生しています。

うん、やっぱりテイタムｖｓエンビードでステップバック３Ｐを「諦める」の方がマシだった気がするよね。この場面でパスが回ってきたら確実にワイドオープンを決めたブラウンとテイタムはさすがでしたが、パニックになったように悪手を打ったシクサーズでした。