八村とウィザーズ 前半戦

◎得点効率は上がったのか

〇エリア別アテンプト
ゴール下  2.2 ⇒ 3.3
ペイント内 1.5 ⇒ 2.0
ミドル   2.5 ⇒ 2.3
コーナー3P 0.8 ⇒ 0.8
他の3P  2.1 ⇒ 1.8

ミドルを好む傾向は変わっておらず、ジャンプシュートが多いのですが、ゴール下まで飛び込むことが増えているのがわかります。ただし、ゴール下が増えた理由は速攻とセカンドチャンスの増加が影響しており、シックスマンになってプレータイムが制限され、短時間でハードワーク出来ていることが好影響を与えていそうです。

〇セカンドチャンス 0.9 ⇒ 1.3
〇速攻の得点    1.4 ⇒ 1.8

3Pの得点が1.5点下がったものの、この2つで0.8点増えました。あとゴール下が増えたのでフリースローも増えた。

〇ダンク数
昨シーズン 42試合 24本
今シーズン 21試合 17本

かなりダンクが増えています。あと八村ってダンクの成功率90%超えているのね。高いな。意外とみんな豪快にダンクに行っては外しているんだよね。

ということで、八村の今シーズンの改善ポイントは
「迷いのないフィニッシュ」
「速攻やセカンドチャンスで増えたダンク」

こんな感じです。FG成功率の高さが単なるシュートタッチの好調さではなく、しっかりとゴール下に攻め込んでの改善なのはポジティブです。以前に比べると難易度の高いフィニッシュも決まるようになってきました。ただし、レイアップ系が多く、フィニッシュスキルが多彩になった印象はありません。

〇ミドル成功率 35.0% ⇒ 51.0%

ただし、ミドルの好調さもあります。うーん、50%は出来過ぎ。3Pが決まっていないことも含めて、不安定なシューティングになっています。3Pは悪い意味で、ミドルは良い意味で。

ミドルが外れ始めたら3Pが決まるなら問題ないですが、どうなんでしょうね。また、チーム戦術を考えた時に、そもそもミドルが多いのはどうなのか。同じポジションのクズマと比較してみましょう。

〇クズマのFGアテンプト
ミドル 1.8(2.3)
3P  7.5(2.5)

()は八村です。こう見るとヤバいレベルでミドルが多いです。もっとシンプルに3Pを打ち切ればいいのですが、打ち切らないというのは3Pへの自信が足りないって事でもあります。もちろん、それだけでなく

オフボールの質が悪い
3Pを打つ基準がワイドオープンのみ

ヴォーゲルにシューター的な動きを教え込まれたクズマはオフボールが上手いので、そこまでは求めないものの、さすがにクズマの1/3しか打っていないのはオフボールの質という課題が解決されていないことを示しているし、思い切りよく3Pを打っていないことが伺えます。

〇3Pアテンプトと成功率
オープン    1.1本 23%
ワイドオープン 1.4本 38%

クズマのワイドオープンは2.3本ですが、オープンは4.5本もあり、明らかに八村よりも思い切りよく打っています。それが自信といえば自信だよね。昨シーズンの3P成功率が良かった割に思い切りよく打てていない今シーズンというのは、なんだか延々と続く八村の課題にも見えてきます。

ところで、同じ数字をリーグ最高の成功率を誇るワタナビーで比較してみましょう。

〇渡邊雄太の3P
オープン    0.9本 48%
ワイドオープン 1.7本 58%

〇コーナー3P
渡邊 1.6本 66.7%
八村 0.8本 37.5%

うーん、チーム事情が大きく異なるとはいえ、渡邊もそんなに思い切りよく打ってはいません。ただ、ワイドオープンの3Pが多く、確率は神ってる。日本らしい悩みと日本らしくない確率だね。

そして両者の差はコーナー3Pの差でもあります。ロールプレイヤーである渡邊がコーナー3Pが多く、スコアリング担当である八村には少ないのは当然ではありますが、同じポジションであることを考えると、八村ももっとコーナーでのプレーを増やすべきでもあります。

チームオフェンスを考える ⇒

八村とウィザーズ 前半戦” への9件のフィードバック

  1. ハチムラが良い選手かを迷います。スリーも安定せず、ルーキーからできることが変わらないので、成長しているかがわかりません。

    ドラフト時はレナードと比較させてましたが、ディフェンス面は成長したりはしてるのでしょうか
    御印象、いかがでしょうか。

    1. もちろん、ディフェンスも改善してますが、
      オールラウンドに守れる
      帯に短し襷に長し
      で、どっちに振れるかってなると、後者ですね。

      今はポルとギャフォードで中を守る必要はないので、ウイングとしてのディフェンスが問われます。同じポジションのクズマがオールラウンドに守れ、アブディヤがエースキラーやってる事を考えると、諦めムードも感じちゃいますね。それより点を取れ!とね。

  2.  ご無沙しています。少し前の話題ですみません。
     ウインターカップが終わって直後ですが、”大濠の川島18の時と比較して自チームに戻ると変に委縮して本来の良さが失われている”というご指摘は私も同感ですが、残念なことにこの点に触れているコメントには他には会っていません。川島のみならず、湧川も同様に感じますし、大濠以外にも、女子の桜花の横山、高木、森にも感じました。高木、森はそれどころか、U18終了後スタメンから外されてしまいました。(勿論、菊池実欄、深津の台頭は立派だったのですが)。

     一つ感じるのはU18に比較し、日本の高校のdefenceがタイトでタフということですが、これは各選手自身が乗り越えることかもしれません。ただ預かる側に将来を見据えて大きく育てようという雰囲気はあまり感じません。」

     湧川は年初よりB1の滋賀に行くみたいですし、山田は日大の様です。川島はわかりませんが、横山はWリーグのトヨタにアーリーエントリーです。彼ら彼女らの将来が少し心配です(U18の中でジェイコブスとマクルーニーは一足早く海外挑戦です)。

     いつもバスケで困ると管理人さんに頼るのですが、ご意見お聞かせ願えれば、幸いです。宜しくお願い致します。

    1. 質問が、よくわからないのですが、国際試合と高校バスケの違いは
      ・トランジションが多い
      ・手を使ったファールOK
      という部分が大きく、国内の戦い方をそのまま持って行こうとした佐古のU19では
      ・トランジションでもハーフコートでも何がしたいかわからない
      ・運動能力勝負に持ち込んで完敗
      こんな印象です。

      言い換えればウィンターカップでは戦い方としても、運動能力勝負で勝てるので問題ないって事です。
      U18とU16はスペイン人のマルチネスがHCになったので
      ・しっかりとスペーシングしたハーフコートバスケ
      ・判断力やポジショニングで選手を選ぶ
      こんな感じだったので、個人レベルではスペースがある中で仕掛けることが出来ました。

      判断力やポジショニングでは、山田や小澤、八重樫のポジショニングが大きく
      その中で湧川や川島も仕掛けやすかったと思いますが、
      高校に戻ったら、スペース不足で困った・・・のかもしれません。

  3. 素人考えですがビールいなくても成立しているように思います。
    ビールがスターPG、例えばラスであったらセカンドユニットにモリスが組み込めてかなり強い気がするのですが、そう簡単な話ではないのでしょうか?
    また現状、メンツに対して成績が悪すぎると感じますが、この戦績は妥当ですか?

    1. そんなイメージですね。とにかく展開する役割の選手が足りていません。シュートを打つ選手が多過ぎる。

      メンツに対しての成績でいえば、他のチームの方がメンツがいいこともありますが、選手の方にインテリジェンス系統が少ないので、そんなに良いロスターではありません。

  4. 個人的にはアンセルド高評価なのですが、管理人さん的には低評価なんですね。

    セカンド問題に関しては直近だとラプターズ戦法を移植する事で解決を図っている印象です。
    3人(クズマデニ八)の器用貧乏もといオールラウンダーを併用して有耶無耶にするスタイルは嵌まっている気がします。
    既存システムはギャフォードにとって難しすぎますし、シンプルなPnRもバートンには扱えない。苦肉の策ではありますが、曲がりなりにも上昇気流を生み出す原動力にはなっていそうです。八村もトランジション主体の方がやりやすそうですし。

    格上には通用しないと思いますが、これまでの日程が苦しかったこともあって勝ち星は増えそうな予感はします。

    勝率はともなっていない(怪我も多かったし)ものも、若手ベテランポジションコチャまぜで、ここまでシステム、ラインナップを模索出来るHCって珍しいと思います。並のコーチならギャフォードにシステムを覚えされる事に躍起になって嵌まったり、バートンを干す決断に至れなかったり、ビッグマン対策としてタージにPTを与えることもなかったのではと。
    実際にバートンをスタメンとして40分弱使い続けるHCが居た訳ですから、それと比べれば天地の差な気がします。

    1. アンセルドの評価は難しいです。
      ・やっていることは良いのですが
      ・やりたいことを選手に徹底できていない
      ・選手の能力と折り合いをつけていない
      そんな感じですね。
      バートンを諦めたのは最後の要素ですが、果たしてバートンが悪いのか、徹底できなかったからバートンにしわ寄せがいったのか。

      そしてセカンドユニットや、ギャフォードの件は、まさに「折り合い」ですが、ここはアンセルドよりもロスター問題もありましすね。
      ただ、アブディヤやギルが機能しているのに、あまり起用しない事や、シューターとして打ち切らないキスパートなど、やっぱり個人で見ると起用法も役割も、なんだかよくわかりません。

      マイク・マローンの意味わからない采配と比べてはだめですよ。ヨキッチ最高!

      1. その最高なヨキッチに最高の結果を与えるために頭を悩ませて欲しいものです。
        シーズン序盤はギルを重宝していましたが難しいですね。若手主体なのは好ましいと思いますが。
        私の場合は好きなチームのHCが極端に変化を嫌うタイプなのもあって、アンセルドの采配を一層柔軟に感じるんでしょうね。バートンを干す決断って言うは易し行うは難しで、例え能力的に使い物にならないと思っていたとしても「16M+ベテラン+昔馴染み+自己主張強め」な選手をを即効DNPって無理だと思うんですよ。絶対本人から不満が出るしGMの面子もあるし。理由付けしながら段階的にPTを減らす必要があって、それをうまい具合に遂行してる点はHCとして評価していいと思います(バートンが大人になった説もあり)
        変化を起こし続けていて、それが良い結果に向かっている これ凄いと思うんですよね。ハードルが低いのかもしれませんが。
        個人的に明確に彼より仕事してると思えるのはウィリーグリーン、タイラージェンキンス、マイクブラウン位です。感覚的にはモンティのチョイ下か同列位の評価はあげて良いんじゃないかなーと。

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