ラプターズはトレードへ動くのか

今シーズンは順調なスタートを切ったものの、年末にかけて負け越しててきたラプターズ。毎年、後半戦に調整してくるニック・ナースではあるものの、「調整しなければいけない」状況は苦しさに満ちています。

バンブリート、シアカム、アヌノビー、ブシェイ、バーチ、トレント、フリンと2年以上にわたって共にプレーしてきたチームながら、チームとしてのベースが定まっていないのは大きな問題です。調整すればどうにかしてしまいそうなのがニック・ナースではありますが、このチームを継続しても次のステップに進める匂いがしません。

トレードに動くべきタイミングに見えるのでした。

◎ビッグラインナップの限界

ラプターズのビッグラインナップは昨シーズン最大の衝撃でもありました。ポジティブに言えば「天才HCが作りだした超現代バスケ」でしたが、今となっては「戦術の範囲が狭く、修正が効かない偏った戦い方」になっています。あっという間に評価が揺れ動いたようにも見えますが、そもそもビッグラインナップのスタートは

インテリジェンスが足りないから高さで補う

という形でした。ものすごくシンプルに言えばテレパシーディフェンスが出来ないならば、個人が同じ形で奮闘しつつ高さの利があるディフェンスであり、「ミスマッチを作る」ゲームメイクも難しいなら「どこかはミスマッチが生まれる」ラインナップを作ってしまえ!とでもいう感じでした。ネガティブな理由から導入されたんだ。

https://basket-count.com/article/detail/117205

従来の難易度が高すぎる自分たちの戦い方を放棄したように見える昨シーズンでしたが、ラウリーとガソルがいなくなって苦しいことに加えて、ルーキーのスコッティ・バーンズが出来ることを考えると、こうせざる得なかったことそのものは理解できます。しかし、何も2年目のシーズンもインテリジェンスを諦める必要はなかったよね。

その点で言ってしまえば「ビッグラインナップは悪くない」のです。デカいことは悪ではない。悪いのは2つ

インテリジェンスを不要にし過ぎている
同じタイプを揃えすぎ、戦略性が低い

まぁ要するに特殊性は良いんだけど「やりすぎた」って感じがします。今日のグリズリーズ戦では特に強くその傾向が出ていたので、事例をあげながら考えていきましょう。

◎インテリジェンスを使わな過ぎた

シアカム、バーンズ、アヌノビー、フアンチョ、コロコでスタートしたラプターズ。しかし、どうにもならずに3分くらいでフアンチョとコロコを下げてトレントとフリンを投入しました。この流れの中でいろいろなミスマッチを作っていったニック・ナースに見えましたが、選手は有効活用しませんでした。

シアカムにブルックス、バーンズにJJJというマッチアップでスタートすると、シアカムは高さの利があるので、ドライブからコースを止められてもジャンプシュートを打ち切っていきました、ナチュラルミスマッチなので、スイッチ誘導する必要もなく、高さを使えます。ここは良かった。

一方のバーンズはJJJが相手で、スピードで抜けなければ高さでも優位性がないので苦しかったです。個人技アタックが通用せず困ってしまったので、選手交代を行い相手はアダムスになります。

この状況ならばバーンズは3Pを中心にしたオフェンスで、スピードのミスマッチを使えます。しかし、何故かアダムスがいるインサイドでの合わせ担当をしていたし、パスを受けても3Pを狙いませんでした。今シーズンの3P成功率が30%を下回っているとはいえ、開始早々に差をつけられた中で、打開点を作るために選手交代したのだから、バーンズにはアグレッシブに仕掛けて欲しかったはずです。

バーンズはアダムス相手にスピード差を使えなかった
チームはバーンズにどんな1on1をさせたいのか不明だった

また、1on1のためのスペーシングもなければ、バーンズに持たせるプレーコールでもなく、PGフリンが出てきてもコントロールしていたとは言い難かったです。加えて積極的に打ちすぎるトレントが出ていることもあり、ガードを加えた割にゲームメイクしている感がなく、せっかくの選手交代をどうやって生かしたいのか見えてきませんでした。

ちょっとニック・ナースのラプターズとは思えない意図のなさにビックリしたのでした。この感じはシーズン序盤から頻繁に出ています。どこかで形になるのかと思ってたけど、35試合過ぎても未だにムチャクチャ頑張るだけ。

試合を通してシアカムとアヌノビーについては、1on1から打開が可能でしたが、そうとは思えないほどオフェンスに困っていたラプターズ。どこで、誰が、何をして、どうやって展開していくのか、何も決まっていないように見えました。

個人技アタックだけを見てもミスマッチを作るラインナップ変更に成功しているにもかかわらず、そのミスマッチから有効なオフェンスを展開できたとは言い難かったです。

これが3年前に戦力不足と思われながらイースト2位になったチームの成れの果てと思うと悲しすぎます。「ラウリーがいなくなった」という理由だけでは解決しないインテリジェンス不足という問題があるのでした。テレパシーで通じ合っていたチームは平均以下の連携チームになっているのです。

スクリーンとスイッチ誘導 ⇒

ラプターズはトレードへ動くのか” への2件のフィードバック

  1. テレンス・ロス+フルツとのトレードは面白そうです。今のバンブリートの使われ方だと、フルツの方がズレを作れる分良さげな印象があります。
    そして、トロントファンとしてはロスにはぜひラプターズに戻ってきてほしいですね…かつては「未来のラプターズのエースになるかも?」と思っていた選手だったので(くだらないファン心理で恐縮ですが)

    1. ロスもオフにFAなので、戻ってくる可能性もありますね。
      なんだかんだと、後任のパウエルいなくなってから欲しくなってきました。
      いまだに点が取れるの凄いんですよね。

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