サンダーへの提言（ギディとＳＧＡのこと）

ピストンズ戦を見終わったところでサンダーの開幕直後もまとめてみましょう。見たのは３試合だったかな。

即戦力のマルチタレントであるジェイレン・ウィリアムスだけでなく、ウスマン・ジェンも予想よりもちゃんとプレーできているのは驚きでしたが、なんといってもホルムグレンがいないのだから目玉を失った今シーズン。

「本気出せば強い」のがサンダーですが、どうせシーズン後半になると主力休ませるじゃん。今シーズンは「プレーオフを目指す」とかプレスティが言ってるけど、毎シーズンフルメンバーで戦えばプレーインは狙えただろうし、かといってホルムグレンがケガしてもインサイドを補強しないんだからさ。

そんな若きサンダーですが、開幕してから最も気になるのは機能不全の方です。「本気出しても強いんだろうか？」みたいな。

◎知られているギディ

素晴らしいルーキーシーズンを過ごしたギディですが、２年目は開幕から苦戦しまくっています。問題は苦戦している事ではなく、ギディがいるとオフェンスが回らない事です。シンプルなドライブ＆キックアウトのサンダーにおいて、ギディが持つとシンプルにならず、長くボールを持って停滞させてしまいます。

〇オフェンスレーティング
オンコート　　９７．７
オフコート　１１０．６

ここまで致命的な差が生まれています。ただし、前提として昨シーズンに比べてチームのオフェンスが向上している事で、ギディが置いてかれた面もあります。まぁほぼＳＧＡが点とってるだけですけどね。

いずれにしても、サンダーのアシストマシーンはオフェンスに効率性を与えられていません。良いパスを通してもチームメイトのミスショットに悩まされていた昨シーズンと違い、ギディの方が効果的なパスを出せていないのです。

〇ギディ
得点　１２．５　⇒　１２．９
ＦＧ　４１．９％⇒　４１．５％
ＦＧＡ１２．４本⇒　１３．４本
アシスト　６．４⇒　４．９
ターンオーバー　３．２　⇒　３．１

全体としてスタッツが落ちたわけではないものの、アシストだけ下がっています。プレーそのものに大きな変化はないけど、アシストだけは止められている形ですが、パスの本数が落ちまくったわけでもなく、単純な対応策である

ギディにはヘルプに行かず、自分で打たせろ

という形が機能しています。ここまで３Ｐは向上しているものの、ＦＧ成功率に変化はなく、インサイドでのフィニッシュ力不足を利用されています。非常にわかりやすい対策です。

なお、似たような対策を行うまでもなく、同じような悩みを抱えているのがピストンズのキリアン・ヘイズで、ギディをアンクルブレークするドリブルスキルと、コーナーへの見事なキックアウトのパス能力があるけど、基本的に自分で点取れないのが響いています。

ギディはヘイズに比べれば１ｏｎ１勝負を出来るし、ルックアップして、いつでもシュートに行ける形をキープしているので得点能力は上ですが、ＮＢＡレベルで考えると物足りな過ぎるってことです。

〇昨シーズンのギディ
ゴール下　３．４本　５８％
ペイント内３．９本　４５％

〇今シーズンのギディ
ゴール下　４．９本　４７％
ペイント内４．１本　４８％

ギディのアテンプトを見ると、わかりやすくインサイドでのシュートが増えています。明確に「もっと打てよ」を促されているわけです。促しているのはサンダー側なのか、相手チームなのか。

ただし、こう見るとそこまで確率が悪いわけでもなく、ゴール下さえ確率をあげれば、それなりになんとかなりそうです。期待できるかっていうと、悩ましいけど、明確な改善はしているのでした。

ただし、ギディの問題は、ギディ個人の問題でもあり、チームの問題でもあります。ここにホルムグレンがいればキックアウトを決めてくれそうですが、そこにはムスカラもいるから関係ないか。この辺は後述しましょう。

いずれにしてもギディから始まるプレーは、ギディが「ボールを持たされる」構図が増えており、テンポが悪くなっています。ＳＧＡをハンドラーにしてギディがウイング側に回っている時は良いのですが、それなら普通にウイングを使えばいいじゃん。

ＳＧＡの話　⇒　⇒