僕らはスペインから学ばなければいけない

「スペインすげーなー」
「ルビオは偉大だなー」

そんな1年前までのスペイン代表については、当然のように「学ぶべきことが多い」と思っていたし、何よりもユーロスタイルのバスケを取り込まないと、身体能力差は埋められないので、目指すべきはユーロスタイルであり、そのユーロの中堅国に勝つことでした。

今回のユーロバスケで言えば「決勝トーナメント進出」が日本が目指すべき最高値となり、「ユーロ予選を突破する」が現実的な目標って感じです。「オリンピックでベスト8」とは現実と理想が乖離しているし、それ以上に間に指標がなさすぎて何考えているんだかって感じです。

しかし、だからといってスペインを目指すのは非現実的でした。
だってルビオがいないじゃん。
NBAのオールスターだったガソル兄弟もいないじゃん。

黄金世代の生き残りがルディ・フェルナンデスのみとなったスペインは、エルナンゴメス兄弟こそいれど、NBAのスターレベルはおらず、20歳のガルバ、21歳のパラディア、22歳のパルラという若いPF3人が加わり、25歳のロペスが長いプレータイムを与えられるチームになっており、大会直前に帰化枠でロレンゾ・ブラウンを加えました。

「世代の狭間」であり、従来と違って「急増チーム」の面もありましたが、比較的楽だった予選リーグを(ベルギーに負けたけど)1位で突破すると、決勝トーナメントではスカリオーロの見事な采配がもたらす勝負強さを発揮してきました。日本だけでなく、世界の国が学ぶべきロールモデルということすら出来るチームになったのです。

ルビオも、ガソル兄弟もおらず、以前のように長期間かけて作られたチームでもない。
しかし、スペインは強かった。
タレントがいなくても勝負強く、培われた連携がなくても連携があった。

https://basket-count.com/article/detail/120754

◎日本らしくなかったU18

加えて今の日本には違う事情もあります。アンダー世代のHCにスペイン人のマルチネスを迎えたため、スペイン化を目指す雰囲気があります。「雰囲気がある」というのはトップがゴリゴリのアメリカスタイルなホーバスなので、ダブルスタンダードになっているからです。

スペイン代表のアンダー世代でHCをしてきたマルチネスがU18アジアカップでみせた戦術は、これまでの日本では見たことがない「日本らしくない」スタイルでした。そんなこともあって、これまで感じたことがないくらいに代表戦(それもアンダー世代のアジアカップ)が面白いものになりました。

このU18がこれまでと違った要因の中に、小澤や山田が起用されたこと、そして点を取ったからと言って試合に出れるわけではないことが挙げられます。得点力を買われてロスターに入ったと思われる選手に出番が少なく、オールラウンドに振舞える選手が必要とされました。

もちろん、日本が求めるトランジションに関しても、しっかりと組織化されており、ジェイコブスのケガさえなければ優勝していたと思わせる内容でした。なお、例のテクニカルレポートでスペインに関しては「トランジションが少ない」チームとされており、その一方で「速攻に拘らず、形を作りに行った」的なことが書いてあります。マルチネスはアンダー世代って事もあって、両方をミックスさせることに成功した・・・のかもしれません。

そんなわけで「スペインみたいになったらいいなぁ」という要望レベルだった憧れは
・タレントがいなくてもスペインはスペインだった
・日本のアンダー世代はスペイン化している
という2つの観点から「学ばなければならない」へと変化したのでした。

スペインとU18の共通点 ⇒

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