ラウンド16 スペインvsリトアニア

◎オーバータイム

延長に入ったところでサボニスを下げてバランチューナスをいれるリトアニア。っていうか、ずっとバランチューナスを起用せずに逆転を目指すギャンブルに成功した4Q終盤でした。今度はサボニスを下げてみるギャンブルであり、何故かヨクバイティスも下げます。ちなみにスペインはオフェンスのウィリーじゃなくてガルバで守りに来ます。

ヨクバイティスを下げるとオフェンス以上にディフェンスで問題が発生します。明らかなミスマッチが1つ出来るし、ロレンゾをブラジディギスが守ることになります。さっそく連続でロレンゾに決められ、しかも&ワンでスペインが5点リードに。

ブラジディギスのキックアウトからクズミンスカスの3Pで追い上げるも、またロレンゾがブラジディギスからファールドロー。やっちまった感の強いリトアニアはバランチューナス⇒サボニスにしますが、今度はロレンゾへついていったサボニスにより、空いたガルバでダンク。そしてロレンゾはサボニスを引き出しての3Pで7点リードにします。

ここでヨクバイティスを戻したリトアニアは、そのヨクバイティスのドライブキックアウトからブラジディギスが3Pで食い下がります。残り1分、1点ビハインドのリトアニアは意地のディフェンスで守り切り、キックアウトからブラジディギスがディアス相手の1on1を挑みますが、そこはディフェンスのために起用されているディアスが完全にコースを切ってターンオーバーを引き出すと、ルーズボール争いでボールをキャッチする前のロレンゾにブラジディギスがファール。

例によって「ボールのない所でのファール」が採用され、アンスポをコールされたブラジディギス。あと5ファールで退場。さすがFIBAルールは終盤の攻防を許さない。

そしてここでウィリーを起用してくるスカリオーロ。ロレンゾのドライブに対して、サボニスがヘルプに行くところで逆サイドのゴール下に飛び込んだウィリー。そしてカバーの43番レカビシウスが小さいので簡単に&ワンのウィリーで勝負が決まったのでした。

◎采配なのか、カルチャーなのか

フットボールはドイツが勝つようにできているように、バスケットボールはスペインが勝つようにできているのか。世代の過渡期という点も含めて、かなり苦しかったスペインでしたが、この試合の勝因は更に難しい。

・ガルバがリトアニアの長所を消した
・ルディが要所の3Pで食い下がった
・ロレンゾがスピードのミスマッチを制した
・ディアスがエースキラーの仕事を果たした
・ウィリーがミスマッチを確実に決めた

よかった部分を書くと、様々な制し方をしたように見えて、これらは局所的な働きであり、主要な戦いで苦戦した証拠でもあります。

・ビッグマンの戦いはリトアニアが上
・3Pは23%しか決まらなかった
・PG同士のマッチアップでロレンゾは苦戦した
・ディアスはヨクバイティスによりファールトラブル
・ウィリーのポストで起点を作れなかった

スペインの強みはリトアニアの個人能力に勝てませんでした。主力のタレント力では完敗した試合だったのですが、単なる層の厚さではなく、局所的な、ある一部のマッチアップと、ある一部の武器でのみ上回り、それが最終的にスペインに勝利をもたらしました。

細かい選手交代と「お前の仕事はコレだ」という働かせ方が明確だったスカリオーロの采配力が制した試合といっても過言ではありませんが、バランチューナスとサボニスへのパスコースを消したガルバのような武器があったからこその采配でもあります。

いずれにしてもバスケットボールはスペインが勝つようにできています。奇跡みたいな勝ち方だった謎のフランスとは違って、明確に勝利への計算があり、細い線を見事に繋ぎ合わせたスペインでした。

〇バランチューナス
5点
FG2/4
6リバウンド
3ファール

〇サボニス
15点
FG6/8
9リバウンド

逆にリトアニアはサボニス仕様の形が進んだ一方で、バランチューナスの使い方に困ったわけで、中心選手を活用した戦術構成という初歩の課題がクリアできないまま大会を去ることに。それでも、6試合目にして最もチームとして機能した試合でもありました。

ビッグマン2人が圧倒できなくても、サボニスを中心としたチームオフェンスで、3P37%、2P60%と従来にはなかった高確率かつバランスの良いオフェンスでした。

〇ターンオーバー
リトアニア 20
スペイン   8

しかし、キーマンを潰しに来たガルバとディアスのディフェンスにより、ミスのオンパレードに。ディフェンダーの対応と、変わったゾーンで混乱を促してきたスペインにハマった感じです。

〇レカビシウス
15点
FG6/8
1アシスト
△16点

〇ヨクバイティス
13点
FG4/11
5アシスト
+4点

このPGの対比も難しいものがありました。確かにシュートを決めているのはレカビシウスだったけど、チームが安定するのはヨクバイティスだったり、スペインが困っていたのもヨクバイティスでした。

手元にある武器を見事に組み合わせたスペインと、最適解を見つけられなかったリトアニア。戦力としてはリトアニアが上回ったけど、バスケットはスペインが勝つようにできているのでした。

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