ニックスはどこで間違えたのか?

◎ガードの交代

②フォーニエ獲得したのにケンバに飛びついてしまった

ペイトン&ブルロックのディフェンスコンビから、ケンバ&フォーニエのオフェンスコンビに移行したのが1つの失敗要因でした。ただ、やはり変化は必要だし、前述の通り弱点があったのでフォーニエの獲得までは非常にポジティブに観ていました。

しかし、ケンバに手を出してしまったことで、大きくバランスを崩してしまった感があります。ディフェンスのチームだったのに、ガードをオフェンス優先に変化させ、なおかつランドル中心を崩さないから、ケミストリーの悪いチームでした。それは元々か。

挙句の果てに「ディフェンスが悪いから」という理由でケンバを外しました。そもそもディフェンスが出来るならセルツが手放すこともなかっただろうし、自分たちで「獲得したのが失敗でした」と認めたことになります。でも、責任はケンバに押し付けたような。

③ペイトンの放出

似たような理由に見えて、ちょっと違うのはペイトンの放出です。プレーオフで起用しなかったことで放出したわけですが、勝てなかったプレーオフで起用せずに、何故か放出されるってのはよくわからん。

ペイトンはニックスで唯一の「プレーメイカー」でした。シュート力が低い代わりに、ディフェンスの状況を見てジャッジしていたし、パスがメインだから周囲が気持ちよくプレーしていました。ケミストリーが失われていったのはペイトン不在も大きな理由です。

この手の選手を評価できないチームであることも示してしまい、どうにもこうにもって感じです。

◎ランドルとの大型契約

ランドルは低調なパフォーマンスでしたが、ニックスにとっては意外だったとしても他のチームからすると「考えられる範疇」でしかありません。そんなに信用できる選手ならば、もっと早くに長期契約を手にしていたよ。

契約延長したからパフォーマンスが落ちる典型例ですが、問題はそのことよりも「ランドルのサラリーが高すぎてキャップスペースを圧迫している」ってことです。何故、未来をランドルに託そうとしたのか。

昨シーズンの低迷そのものは仕方ないとして、現時点でニックスファンを悩ませているのは「サラリーの柔軟性がなさすぎて、補強が進むのかどうかわからない」ってことです。ランドルの契約は未来を見えにくくしてしまいました。

◎何が問題だったのか

5つの問題を総合してみると、根本として何が問題だったのか、そして今オフへと何が続いているのか。たかだか1シーズンにちょっと勝てなかったことなんて気にしすぎても仕方ないけど、結局はドーランの問題へと回帰するわけだ。

短期的な活躍・情報に飛びついてしまう
若手の成長を含めたチームプランが立てられない
フィロソフィーが足りない

そこで今回のオフを考えてみよう。

マブスはブロンソンにお熱だったわけですが、クリックリーとグライムスがいる中で、そこまでしてガードをとらなければいけなかったのか。

そこまでしてでも欲しかったとして、これで25-26シーズンまでブロンソンとランドルの大型契約が残ることになり、バレットの契約延長でビッグ3が成立するが、(勝てるかどうかではなく)その他の若手たちとの契約をどう考えているのか。

従来と違うのは「バレットの成長」があるので、悲観するだけの状況ではない事ですが、クイックリーやトッピンをスターターにあげるようなプランはなさそうです。

また、ドラフトを拒否するようなトレードをしているので、若手が渋滞することはなく、本当にこの4年間をブロンソンーランドル体勢で進むことを決めているようなのは、一貫性のなかった過去とは違います。ここは結果でしか図れないですが、他のチームからすると「えっ?」となるのは間違いないです。

そして問題はドノバン・ミッチェルの話に興味を持っている事です。

いや、「ブロンソンで行くと決めた」んだろ。「どっちがいい」と聞かれたら迷うことなくドノバンに行きますが、いまさらブロンソンを撤回は出来ないんだし、少なくともデッドラインまで待てばよい話に見えます。

なお、他のチームだってドノバンを欲しいでしょうが、チーム事情を考えて動いていないわけで、どこかで後悔するかもしれませんが、それは話があったから後悔するだけであり、本当に後悔すべきは「ランドルの契約が重くて動けない」ことです。

「絶対に失敗しないプラン」なんてないけど「後悔しないプラン」はあるぜ。

これがフィロソフィーなんでしょうね。自分たちのスタイルにあった補強ならば、失敗に終わっても後悔はしないでしょ。でも、ランドルもブロンソンも「ニックスのフィロソフィーに適した選手」かどうかすらわかりません。

ちなみに現時点で成功はなくとも、後悔しなかった選択肢はランドルと再契約せず、ケンバやフォーニエとも契約せず、もちろんモリスをエースにすることもなく

バレット、クイックリー、トッピン、ミッチェル・ロビンソン、ドットソン、ノックス、シムズ、グライムス

という若手たちを途中でトレードも混ぜながら過ごしている事でした。何故ならばフィズデイルの当初に伝えられていたように「カルチャーを作り直す」ことが最優先だったからです。

昨シーズンの成功があったからぼやけているけど、結局のところニックスのフィロソフィーって何ぞや。別に育成に拘る必要はなく、レイカーズみたいにトレードで大物を求めてもOKなのですが、今のニックスは中物を手に入れるのがフィロソフィーになっているよね。

優勝から逆算したチーム作りでもなければ
ニックスのカルチャーを重視したチーム作りでもない

多分、今の状態はここが問題です。それでも昔に比べればマシだけどね。

次はバレットの契約更新 ⇒

ニックスはどこで間違えたのか?” への4件のフィードバック

  1. セカンドラウンド進んだのは11-12じゃなくて、ベテランをたくさん入れた12-13ですよ!!11-12は1stラウンドでヒートに負けてます

  2. マーブリーとフランシスとかの時代にネームバリューだけで選手獲得するようになってからずっとダメな感じですね。まだパット・ライリーの作ったディフェンスマインドが残ってる時にシボドーが引き継いでいたらなぁって
    思いますけども。

  3. ランドルってそんなに評価低い選手ですかね?「自分起点じゃないとダメ」かつ「ディフェンスお荷物」系の27歳中堅・ミドル多目であるものの、個の打開力は確かで、要はHCの使い方なんじゃ無いかと。本人の成長余力はもう残ってないですが、ブランソンとのハンドオフとか、ボールを交換し合う形の攻め方覚えられればまだ何とかなる気がするんですよね。いや、シボドーじゃ無理か。

  4. フィルジャクソンを贔屓するつもりは全く無いですが、ニックスファンとしては、フィルジャクソン就任時は、いつぞやのネッツのようにドラフト指名権ほとんど放出済&全盛期過ぎたベテランとの高額長期契約でサラリーキャップ大幅超過状態でした。
    フィルジャクソンはドラフト指名権は放出しなかった(微妙な長期契約はいくつかありましたが)し、短期契約のベテランで勝負したり(ローズ1度目の加入の年)と、将来の負の遺産は残さなかった。
    フィルジャクソン退任時には負の資産は改善されていたので、そこだけは功績かと思っています。
    その後その資産を活かせたとは思えませんが・・・残った資産はバレットぐらい。
    あとトライアングルに合う選手がいないのにトライアングルにこだわったりは駄目でしたが。

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