◎従来と異なること
20-21シーズンが41勝31敗と勝率5割7分とジャンプアップしたニックスですが、オフの補強を経て翌シーズンは37勝45敗でした。1割以上勝率を落としたわけですが、失敗の原因を考える前に、従来のニックスと違って良かったポイントを考えてみましょう。
①低調な成績が開幕から続いたがHCをクビにしなかった
②25位指名ながらグライムスを当てた
③ベンチの若手たちは頑張ったので成長もしている
④ドラフト時のトレードや、レディッシュの獲得に成功した
総じてレオン・ローズがフロントで躍動した面が大きかったです。個人的には「シボドーではムリだろ」って感じですが、それでも過去の経緯を考えると簡単にクビにするのは印象も悪ければ、一貫性のないカルチャーが続いてしまいます。
またベテランは補強したものの、19年のように前年にプレータイムを得た若手が出番を失い、成長が急ブレーキを踏むこともありませんでした。ベテランを補強「しすぎなかった」面もあります。
確かに勝率は大きく落ちましたが、そもそもこんなもんじゃないかと思うし、37勝はそこそこだよね。どん底ではないのだから、継続したチーム強化をすることは大事です。
ドラフトやトレードも上手くいってますが、その一方でシボドーの考え方とマッチしていなかったり、マッチしそうにないから素材の若手指名を避けている一面もあるので、良くも悪くもバランスをとっているといえるでしょう。
これらのことを踏まえるから、20年間のどうしようもない空気よりは遥かにマシで前を向けるというファンも多いはずです。
◎失敗の理由5選
しかし、失敗しているのも事実なので、その理由を5つ挙げてみましょう。
①そもそも前年に「勝ちすぎた」だけ
②フォーニエ獲得したのにケンバに飛びついてしまった
③ペイトンの放出
④ランドルとの大型契約
⑤ディフェンスマインドの欠如
⑤以外は簡単に出てきたので、あまりにも多くの「わかりやすい」失敗がありすぎました。⑤については全体がそっちに流れたって事です。
その中でも最大の失敗は①です。この①には多くの余波がありました。これだけで1つ書けるくらいに。っていうか、サヨナラニックスで書いた気がする。
いくらなんでも41勝31敗でイースト4位は出来すぎでした。周囲の脱落があったこと、コロナ禍の特殊性があったこと、などなど色々と絡みましたが、問題なのは成功し過ぎたことで翌シーズンに改善しなかった事項があるのです。
ガードが多過ぎるロスターを改善しなかった
ローズやバークスなどタフショットタイプを好み過ぎる事情も含めて、ウイングの補強を進めずにガード集めを進め過ぎました。クイックリーがいるのだから成長を伸びしろにしてよかったはずです。
起用法を変えられなかった
前年に成功した起用法に拘り過ぎました。ランドルがダメなら諦めればいいし、終盤の個人技アタックが(ローズの欠場もあって)通じないならば、もっとチームオフェンスに流れるべきでした。なんでランドルなんかと心中しないといけないんだい?
せっかくの新戦力フォーニエの勝負強さを使う事もなく、拘りが強すぎるシボドーの悪い所ばかりが目立った起用法ですが、前年に勝ちすぎなければ変化も受けいれたはずです。
3P成功率を信じすぎた
20-21シーズンのニックスはチームで39%を超える成功率でした。しかもバークス、ランドル、バレット、ローズが40%を超えていました。いや、それって信用できるのかなぁ・・・
〇21-22シーズンの3P
バークス 40%
ランドル 31%
バレット 34%
ローズ 40%
バークスは継続しましたが、他の2人は続きませんでした(ローズは欠場)
最もアテンプトの多かったフォーニエは39%決めており、3Pそのものが悪かったわけではありませんが、チーム全体では36.9%となりました。これでも「良く決めたね」くらいの確率なので、ただ単に前年が出来過ぎていただけです。
〇TS%
20-21シーズン 55.9%(23位)
21-22シーズン 55.0%(25位)
やっぱり勝ちすぎたことで、弱点の改善への対処が遅れた気がします。もしもプレーインで負けるくらいの結果だったら「変革しよう」となった気がします。
セカンドラウンド進んだのは11-12じゃなくて、ベテランをたくさん入れた12-13ですよ!!11-12は1stラウンドでヒートに負けてます
マーブリーとフランシスとかの時代にネームバリューだけで選手獲得するようになってからずっとダメな感じですね。まだパット・ライリーの作ったディフェンスマインドが残ってる時にシボドーが引き継いでいたらなぁって
思いますけども。
ランドルってそんなに評価低い選手ですかね?「自分起点じゃないとダメ」かつ「ディフェンスお荷物」系の27歳中堅・ミドル多目であるものの、個の打開力は確かで、要はHCの使い方なんじゃ無いかと。本人の成長余力はもう残ってないですが、ブランソンとのハンドオフとか、ボールを交換し合う形の攻め方覚えられればまだ何とかなる気がするんですよね。いや、シボドーじゃ無理か。
フィルジャクソンを贔屓するつもりは全く無いですが、ニックスファンとしては、フィルジャクソン就任時は、いつぞやのネッツのようにドラフト指名権ほとんど放出済&全盛期過ぎたベテランとの高額長期契約でサラリーキャップ大幅超過状態でした。
フィルジャクソンはドラフト指名権は放出しなかった(微妙な長期契約はいくつかありましたが)し、短期契約のベテランで勝負したり(ローズ1度目の加入の年)と、将来の負の遺産は残さなかった。
フィルジャクソン退任時には負の資産は改善されていたので、そこだけは功績かと思っています。
その後その資産を活かせたとは思えませんが・・・残った資産はバレットぐらい。
あとトライアングルに合う選手がいないのにトライアングルにこだわったりは駄目でしたが。