2Pは3Pよりも重要さ!

そんなわけでスタッツを調べてみると、面白いことってあるよね。試合の印象として「各チームが2Pの効率性を高めようとしている」のは知っていたものの、実際にスタッツとして2Pが3Pを上回るとは意外過ぎです。

なお、今回はバスケットボールリファレンスのリーグアベレージを使っているので、公式記録と違う可能性もあるよ。・・・ないか。

さて、得点力って意味では3P・トランジション・そして2P(フリースロー)が重視されるわけですが、その一方で他の要素にオフェンス力アップを求めたチームもありました。確か2年前くらいに書いた気がするけど、題名を思い出せない。

①オフェンスリバウンドの増加
②ターンオーバーの削減

18-19シーズンのシーズン前予想として、どこかの専門家が「オフェンスリバウンドは史上最低になる」としていました。実際に11-12シーズンの27%から年々下がりまくっていました。トランジションと3Pが増えたことで、ビッグマンが減り、リバウンドよりもハリーバックが重要になったからです。

〇オフェンスリバウンド率
12-13 26.5%
13-14 25.5%
14-15 25.1%
15-16 23.8%
16-17 23.3%
17-18 22.3%

6年で4%以上下がったので、開幕前の予想としては打倒に思えましたが、オフェンス力アップがポイントの中で、下げ止まった形です。22%はボトムラインだね。

18-19 22.9%
19-20 22.5%
20-21 22.2%
21-22 23.2%

新シーズンはこの数字がさらに上がる可能性の方が高いです。理由は言うまでもなくビッグラインナップの登場です。グリズリーズ、ラプターズ、ペイサーズ、ペリカンズ、ジャズの5チームが30%を超えており、リバウンドは重要なターゲットにされています。

※バスケットボールリファレンスと、NBAスタッツの各チームのリバウンド率は一致しません

また、ターンオーバーについては史上最低を更新しています。それまで13%を切ることはなかったのに、今では普通になりました。

〇2Pアテンプトと成功率
12-13 13.7%
13-14 13.6%
14-15 13.3%
15-16 13.2%
16-17 12.7%
17-18 13.0%
18-19 12.4%
19-20 12.8%
20-21 12.4%
21-22 12.3%

「タフショット打つなら3Pを打て」という戦術がもたらした副産物みたいなところがありましたが、2P成功率が高くなっている事や、ディフェンス重視の姿勢が強まったきた中でもターンオーバーが少ないことは特筆すべき事項です。

これはむしろ「ミスを減らすことでカウンターを減らす」効果の方が大きい気がしますが、結果的にオフェンス効率を高めてくれています。

01-02シーズンからの10年間は殆ど変化がなかったのに、それからの5年で変動が始まると、ここ5年間は劇的な変化が出てきました。

3Pとトランジションがもたらした戦術変化は既に落ち着きを見せ、その上に何を乗っけるかが重要になった結果、「3Pより2Pの方が効果的」なんていう変化が起きた21-22シーズンでした。新シーズンは

ボール問題が解決したことで3Pアップ
ビッグラインナップとリバウンド重視
2Pの更なる成功率アップ

などがターゲットになりそうな一方で

オフェンスの限界が来たことでディフェンスの価値アップ
ディフェンダー優先するチームが勝ち進んだプレーオフ

なんていう事情もあるので、意外な方向に進む可能性もあります。でも、優勝したのはウォリアーズなんだぜ。それもデュラントのいないウォリアーズなんだぜ。

ということで、戦術面の流行に触れる前にスタッツを見てみました。本当は少し違う趣旨で書こうとしたけど、2P成功率のアップこそが最新系のバスケって感じだったので、そこを中心に戦術変化もみてみようかな。

2Pは3Pよりも重要さ!” への6件のフィードバック

  1. 管理人さんは最近欧州サッカーは観られてますか?
    何年か前はCL優勝のマドリーについて、少しだけ言及されてましたよね。

    今季優勝のウォリアーズとマドリーは似通った点があるように思えました。
    7GAME(はいかなかったけど)と90分トータルでのマネジメント、強烈に止めにはいかないけど防ぎにいく守備、決定力、トレンドとの逆行

    また、あるフットボールジャーナリストが勝者のメンタリティという抽象的なものを逃げずに言語化したいと言っていましたが、管理人様にもうかがってみたいです。

    1. もうサッカーは全く観てません。
      勝者のメンタリティはメンタリティもあるけど、NBAならアジャスト力、柔軟性ですね

  2. アンストラクチャーの概念が完全に浸透した影響ですかね。2ポイントもゴール下とミドルの確率、本数がどのように変遷したかなども気になります。

  3. バスケットの理想的なシュート条件が解明されてから、Noahなどに代表されるようなシュート分析ツールがアメリカで普及して、アウトサイドのシュート向上がやりやすくなりましたよね。その結果、距離が毎度微妙に変わるミドルより、基本ラインで同じ距離で打てる3Pのほうが、万人に向上しやすいって考えがアメリカで浸透しましたね。

    外への警戒がものすごく強まった影響か、確かに最近のNBAの試合見てると、簡単なゴール下のシュートかダンクを見る場面は明らかに増えましたね。それが2Pの確率上昇につながったのでしょうか?
    トランジションDFでも外への意識が強くて、えっ…って感じるようなゴール下フリー場面も多いですね。

    次はどうバスケットが変わっていくのでしょうか、それが楽しみです。
    DFに何かしらの革命が起こると面白いですね。

  4. バスケットボールリファレンスはボックススコアで何でも計算するので、公式スタッツとはアドバンスドスタッツの数値が異なることが多々ありますよね。リファレンスのGlossaryページでPossを見ると近似計算でしかないですが、公式スタッツはプレイバイプレイを用いるのでキレイに整数だったりします。

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