2Pは3Pよりも重要さ!

〇3Pアテンプトと成功率
12-13  20.0本 35.9%
13-14  21.5本 36.0%
14-15  22.4本 35.0%
15-16  24.1本 35.4%
16-17  27.0本 35.8%
17-18  29.0本 36.2%
18-19  32.0本 35.5%
19-20  34.1本 35.8%
20-21  34.6本 36.7%
21-22  35.2本 35.4%

3Pの成功率には大きな変化がないことは周知の事実ですが、アテンプトが増えまくっているのも常識です。

10年前から15本も増えました。ただ、実は20-21シーズンは成功率が極めて高くなっており、コロナ禍で無観客だったことが関係しているとも言われています。で、ボール変更もあったね。

ところで、3P成功率のターゲットを36%と仮定すると、EFG54%です。これが実際のEFGより高ければ3Pは効果的なわけですが

〇EFG
12-13  49.6%
13-14  50.1%
14-15  49.6%
15-16  50.2%
16-17  51.4%
17-18  52.1%
18-19  52.4%
19-20  52.9%
20-21  53.8%
21-22  53.2%

まぁ超えますよね。17-18シーズンからEFG52%を超えて明確に3Pの優位性が見えてきました。片側でフリースローアテンプトは減っており、TSにするとそこまで差がないのですが、まとめたスタッツがなかったので省略。

一方でアテンプトが減った2Pは成功率が劇的に向上しているのも見逃せない変化です。

3Pは増えたけど成功率は同じ
2Pは減ったけど成功率が向上

この両方を達成しないと「質」の向上とはいえないので、各チームは戦術的な工夫を凝らしてきたとも言えます。そうしないとシュート力だけで試合が決まってしまうからね。スプラッシュ無双

〇2Pアテンプトと成功率
12-13 62.0本 48.2%
13-14 61.5本 48.8%
14-15 61.2本 48.5%
15-16 60.5本 49.1%
16-17 58.4本 50.2%
17-18 57.1本 51.0%
18-19 54.7本 51.9%
19-20 54.7本 52.5%
20-21 53.8本 53.0%
21-22 52.9本 53.3%

きれいすぎるアテンプト減と成功率アップ!

いやいや、これがNBAの怖い所だよね。アテンプト減はわかるけど、成功率アップが美しすぎて引くわ。それだけ全チームが時代の流れに沿って努力しているって事ですな。

結局のところ、重要なのは2Pの成功率にも見えてきます。なんだかんだと3Pよりもアテンプトが多いわけですが、その確率が10年前とは5%も違います。

10年間で
アテンプトが9本減ったけど
成功率が5%上がったので
成功数は1.7本(3.4点)しか減っていない

リーグ全体の得点増について、初めの頃はトランジション増によるイージーシュートが関係していましたが、最近は3Pの活用に加えてインサイドの効率アップが大切にされています。

この2Pについては何よりも見逃せないことが1つあって

21-22シーズンは2P成功率がEFGを超えた!

ここですね。3Pが35.4%だったので、EFGにして53.1%だったのに対して2Pは53.3%ありました。ある意味で3P時代におけるターニングポイントとも言えるシーズンだったわけです。

3Pよりも2Pの方が効率が良いんだぜ!

今、こんなことを言ったら「こいつ現代バスケを知らないな」と言われそうですが、最新系の事実はこれなのです。3Pを多く打つのは大事。2Pの成功率を高めるのはもっと大事。

そう考えるとビッグラインナップが流行したのは偶然ではなく、戦術進化の先に合った答えなのかもしれません。まぁウォリアーズが優勝したんだけどさ。来年キャブスが優勝したら時代が大きく動くかもね。

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2Pは3Pよりも重要さ!” への6件のフィードバック

  1. 管理人さんは最近欧州サッカーは観られてますか?
    何年か前はCL優勝のマドリーについて、少しだけ言及されてましたよね。

    今季優勝のウォリアーズとマドリーは似通った点があるように思えました。
    7GAME(はいかなかったけど)と90分トータルでのマネジメント、強烈に止めにはいかないけど防ぎにいく守備、決定力、トレンドとの逆行

    また、あるフットボールジャーナリストが勝者のメンタリティという抽象的なものを逃げずに言語化したいと言っていましたが、管理人様にもうかがってみたいです。

    1. もうサッカーは全く観てません。
      勝者のメンタリティはメンタリティもあるけど、NBAならアジャスト力、柔軟性ですね

  2. アンストラクチャーの概念が完全に浸透した影響ですかね。2ポイントもゴール下とミドルの確率、本数がどのように変遷したかなども気になります。

  3. バスケットの理想的なシュート条件が解明されてから、Noahなどに代表されるようなシュート分析ツールがアメリカで普及して、アウトサイドのシュート向上がやりやすくなりましたよね。その結果、距離が毎度微妙に変わるミドルより、基本ラインで同じ距離で打てる3Pのほうが、万人に向上しやすいって考えがアメリカで浸透しましたね。

    外への警戒がものすごく強まった影響か、確かに最近のNBAの試合見てると、簡単なゴール下のシュートかダンクを見る場面は明らかに増えましたね。それが2Pの確率上昇につながったのでしょうか?
    トランジションDFでも外への意識が強くて、えっ…って感じるようなゴール下フリー場面も多いですね。

    次はどうバスケットが変わっていくのでしょうか、それが楽しみです。
    DFに何かしらの革命が起こると面白いですね。

  4. バスケットボールリファレンスはボックススコアで何でも計算するので、公式スタッツとはアドバンスドスタッツの数値が異なることが多々ありますよね。リファレンスのGlossaryページでPossを見ると近似計算でしかないですが、公式スタッツはプレイバイプレイを用いるのでキレイに整数だったりします。

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