アジアカップ総括①ホーバス戦術

◎手放しでは喜べないが

どうなっていくのかは不明だし、最後の2試合だけが振り切った形で戦えたので信用して良いのか疑問ですが、この路線で進むこと自体は悪いものではないとみています。

オーストラリアにあれだけ3P決めながら負けたように、本当にこれで結果が出るのか不安ですが、あれでオーストラリアがシュートミスしまくってくれるなら勝つ可能性もあったか。相手の不調こそが勝利のチャンス。

ラマスが相手の良さを消しに行ったのに対して、ホーバスは相手の良さを消す戦略性は皆無でした。だからこそ「自分たちの形」に拘っていったわけですが、本来であればネガティブな要素です。

対人スポーツで「自分たちの良さ」を出し続けるのは不可能

これが大前提なので、相手の良さを消す戦略は必要不可欠です。しかし、3ガードでは走りまくるしかないし、ビッグマンは守れないわ、ガードは守れないわで、攻守に相手に対処することはできませんでした。アジアレベルですらね。

これがリーグ戦ならば、徹底して自分たちの形に持ち込む戦い方はポジティブにもみれますが、一発勝負のトーナメントでは難しいです。ましてや国際試合では不安定過ぎて勝ち続けられる戦い方ではありません。

しかし、ラマスがWC予選を勝ち抜く必要性があったのに対し、ホーバスはアジアでの予選を勝つ必要がありません。だから「不安定でも良い」のです。特殊な事情です。

アジア予選がなく、世界大会での1勝を目指した一発大逆転で正しい

ということで、これはこれで正しいのでしょう。3P決まりまくれば一般層にもウケそうだし、スクリーンやらスイッチやらカバーリングやらといった見えにくい要素ではなく、わかりやすい要素を求めまくる戦い方なんでね。

バスケットとしては大して面白くないのですが、エンターテイメントとしては面白いよね。ガンガン行こうぜ!な戦い方。

そんでもってホーバスは関係なく、こういう戦い方をするBリーグのチームがないのは不思議。全てのチームがやる必要はないけど、ファンにわかりやすく訴求するためにも、ローカルチームがやればいいのにね。

3Pを打ちまくり、カットプレーやドライブでインサイドを攻める。現代バスケの常識に過ぎない戦い方ですが、それすらもやっていないBリーグの中でホーバスが苦しい面もあるので、これくらい振り切った戦い方を代表がやるのは重要なのかもしれません。

チームに戻って井上や張本、須田、そして富永にプレータイムがどれくらいあるのか知りませんが、そういう選手ほど、代表にかける思いが強いのかもね。

次回は個人について振り返ってみましょう。

なお、アジアカップはオーストラリアが優勝しましたが、ファイナルでは大量リードを溶かしており、レバノンがあと一歩のところまで追い込みました。3位はニュージーランド。

日本に勝ったイランですが、準々決勝でヨルダンに負け、そのヨルダンはレバノンに1点差で負けました。韓国もヨルダンに負けています。日本は「オーストラリアに負けた」から納得したような感じですが、他のサイドを見ると接戦ばかりなのでした。

アジアカップ総括①ホーバス戦術” への1件のフィードバック

  1. 素晴らしい総括ありがとうございます!待ってました!(笑)

    ビッグマンに関しては、運動量タイプとフィジカルタイプの2種類を相手に合わせて使い分けて起用していくのがベストでしょうね。だから今回はシェーファーとルークの2人にしてほしかった。
    日本代表フルメンバーで戦うことを考えれば、八村と渡邊の負担を減らすことが第一なので、なおさらフィジカルビッグマンは必要ですかね?
    ライアン・ロシターは入らないかな?

    3Pだけにスポットが当たってるけど、ホーバスも以前インタビューで言ってたように、3P打つためにもドライブしてインサイドにアタックできるかどうかが重要なので、シューター兼スラッシャーみたいな人が1人でも多く必要ですよね。能力系シューターというか、ドライブ力あるシューター系ガードというか。まさに渡邊と西田。
    その視点だと富永をホーバスが重宝すると思います。DFは課題としながらも。

    今のBリーグの課題と日本の高校バスケの課題は似ているかもしれませんね。高校はトランジションと3Pは打つけど、留学生いるチームは基本インサイドとリバウンドとDFは留学生任せ。留学生のインサイド頼り。留学生チーム同士の試合だと超スローペースなロースコアゲームになることも多いです。留学生チームに反対ってわけではないけど、福岡第一でさえ留学生無しであのトランジションバスケはできないですしねぇ…むしろ留学生無しで日本一を掲げてる大濠は、身長あるオールラウンドな選手をたくさん育ててるし、明成はハーフの能力高い子達をガードやフォワードにも育ててるから、代表強化につながるのは留学生チームよりそっちかも?
    ただし、留学生がいることでそれに対抗しようとするからそうなるわけで、そうなると留学生チームの価値はやっぱりあるわけで、悩ましいですな…
    個人的には、留学生チームに日本人の大型ガードがもっと増えて、代表のガード強化につながることを期待してたのですが、なかなか期待通りにはいかないものですね。
    次世代の期待ガード選手は、田中力とかタイレルを除けば、テーブス流可と米須です。

    8月の代表戦で、今回召集しなかった代表候補達がどうなるのかは楽しみですね。
    そして八村はワールドカップは出れるのか?100%出る保証は無いですよね…

    話は変わりますが、昔からのレイカーズファンの自分としては、ハリバートン、レイカーズにほしいです。
    嫌いではないですが、ラスは機能する気がしないです(泣)

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