アジアカップ総括①ホーバス戦術

◎半分がガード

アジアカップのロスターが決まったときは驚いたというか「台湾戦で活躍した選手」という謎の組み方でした。相手が弱い時に活躍して選ばれるならば、オーストラリアに大敗した試合に出た選手は悲惨です。実際、そうだったと思う。

ホーバスは感情論の采配が目立ちますが、アジアカップは開幕前からそんな感じでした。富樫、テーブス、河村とPG3人を選んだのは(結果的にも)特に意味はなかったですが、さらに西田、冨永、須田とシューターを3人も選んだので、ガードが計6人は痛すぎました。

実際、予選の3試合ではインサイドの人数不足に困っています。ルークと渡邊のプレータイムが長くなり、それでいてルークは耐えきることが出来ず、センターの交代要員不足が目立っていました。

時には3ガードをチョイスしましたが、その時に富樫がPGやっていると全く守れなくなってしまいました。河村でもギリギリでしたが、冨永や須田と並んでしまうと苦しくて仕方がない。かといって3ガードもPG2人いれるわけでもないので、明らかにガード過多でした。

そして迎えたイラン戦。西田がファールトラブルになると富永が登場するも、イージーに崩されるので須田と交代。結局、冨永は守れないからプレータイムを大きく減らしてしまったわけで、万能な西田以外は使ってみないとジャッジできない「出たとこ勝負」にみえました。

富樫は全く守れず、そこそこ守れた河村も相手エースにマッチアップすると高さで押し込まれてしまい、最終的にテーブスを起用しました。だったら特徴の似ている富樫と河村は、どっちかだけで良かった。

PGについては専門職だし、Window3不参加の富樫と未知数のテーブス&河村なので3人選んでもいいけど、シューター2人並べたいなら、西田をPGにするオプションで誤魔化すべきだったよね。

ディフェンス優先のイラン戦の選手起用
6人いてもコートには2人しか立っていない

結局のところ、冨永にしろ、須田にしろ、弱い相手にシュートを決めたところで、相手が強くなると起用しないならば意味はないよね。2つのポジションに6人用意したのは明らかなミスだし

何がしたいのか中途半端なホーバス采配

こんな色を強くしてしまいました。ところがフィリピン戦とオーストラリア戦で急に解消しにいったので「成長した」ともいえるし、「一貫性のない采配」にもみえました。

フィリピンはサイズがなかったこともあり、須田をSFでスターター起用。3ガードをメインにしたことで当然のようにローテはわかりやすくなり、ロスターバランスの悪さが解消されただけでなく、「守れなくても、点を取り返す」姿勢がハッキリしました。

イランに負けたことで腹をくくったようにしか思えない感情論采配ですが、それが結果的にロスター問題を解消させるのだから、ますますよくわからない。そしてオーストラリア相手には、渡邊がいない事で従来以上に「守れないけど、取り返せ」が強くなりました。成功に終わったのは事実だね。

今後も3ガードというか6人ガード体制でいくのか、それとも馬場が戻ったら解消するのか。あるいは比江島が参加するならばSFとして活用するのか。

台湾戦後のロスター選考
イラン戦後の振り切り方

どっちもポジティブにはみえないのですが、結果的に上手くいったのだからニャンともいえない。

ちなみに「感情論采配」はオリンピックの時もあって、3Qフルでスターターを起用したと思ったら、4Q途中で交代して残り3分くらいまでベンチメンバーというローテの基本を無視した采配とか、気に入らないプレーをしたらベンチに座らせるとか、わりといろいろあったぜ。それで勝ってしまうのが不思議だった。

ところで、ガードが増えた結果として、西田や渡邊がスクリナーになって須田を活かすプレーコールなんかも出てきました。スクリナーとして正しいのがビッグマンよりも西田ってのは、Window3からの疑問でしたが、シューターを活かすプレーをするのがシューターなんじゃあ、ロスターの半分がガードでもいいのかな。

ビッグマンの起用法へ ⇒

アジアカップ総括①ホーバス戦術” への1件のフィードバック

  1. 素晴らしい総括ありがとうございます!待ってました!(笑)

    ビッグマンに関しては、運動量タイプとフィジカルタイプの2種類を相手に合わせて使い分けて起用していくのがベストでしょうね。だから今回はシェーファーとルークの2人にしてほしかった。
    日本代表フルメンバーで戦うことを考えれば、八村と渡邊の負担を減らすことが第一なので、なおさらフィジカルビッグマンは必要ですかね?
    ライアン・ロシターは入らないかな?

    3Pだけにスポットが当たってるけど、ホーバスも以前インタビューで言ってたように、3P打つためにもドライブしてインサイドにアタックできるかどうかが重要なので、シューター兼スラッシャーみたいな人が1人でも多く必要ですよね。能力系シューターというか、ドライブ力あるシューター系ガードというか。まさに渡邊と西田。
    その視点だと富永をホーバスが重宝すると思います。DFは課題としながらも。

    今のBリーグの課題と日本の高校バスケの課題は似ているかもしれませんね。高校はトランジションと3Pは打つけど、留学生いるチームは基本インサイドとリバウンドとDFは留学生任せ。留学生のインサイド頼り。留学生チーム同士の試合だと超スローペースなロースコアゲームになることも多いです。留学生チームに反対ってわけではないけど、福岡第一でさえ留学生無しであのトランジションバスケはできないですしねぇ…むしろ留学生無しで日本一を掲げてる大濠は、身長あるオールラウンドな選手をたくさん育ててるし、明成はハーフの能力高い子達をガードやフォワードにも育ててるから、代表強化につながるのは留学生チームよりそっちかも?
    ただし、留学生がいることでそれに対抗しようとするからそうなるわけで、そうなると留学生チームの価値はやっぱりあるわけで、悩ましいですな…
    個人的には、留学生チームに日本人の大型ガードがもっと増えて、代表のガード強化につながることを期待してたのですが、なかなか期待通りにはいかないものですね。
    次世代の期待ガード選手は、田中力とかタイレルを除けば、テーブス流可と米須です。

    8月の代表戦で、今回召集しなかった代表候補達がどうなるのかは楽しみですね。
    そして八村はワールドカップは出れるのか?100%出る保証は無いですよね…

    話は変わりますが、昔からのレイカーズファンの自分としては、ハリバートン、レイカーズにほしいです。
    嫌いではないですが、ラスは機能する気がしないです(泣)

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