ゲーム4の感想を書こうと思いつつ、ただただ寝続ける土日でした。ドラフトについてチームごとに語るライブが、ブログの進行を大いに遅らせています。
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ちょっと書かな過ぎているので、ファイナル4試合のトータル感想を書いていきましょう。
◎カリーは止めない
プレビュー通りではありますが、セルツはマンマークを基本とした守り方を崩しておらず、過度にスプラッシュブラザーズを警戒することはなく、あくまでも個人レベルで追い続けていきました。ここが3P警戒を崩さなかったマブスとの大きな違いです。実際、スプラッシュは3P打ちまくりが出来ています。()内はマブスとのカンファレンスファイナルです。
〇3Pアテンプト
カリー 12.8本(8.2本)
クレイ 9.5本(8.0本)
プール 6.3本(5.6本)
特にカリーに強く出ていますが、チームトータルでも30.6本だったカンファレンスファイナルから、41.3本と大幅に増えています。
セルツは3Pを打たせている!
こんなことがいえる状況なわけですが、その一方で「マンマーク対応をしている」ことを忘れてはいけません。それはスプラッシュへの3Pチェイスを重視せず、人数をかけないので他のところを抑えるという事でもあります。
◎キャッチ&3P 24.3本(19.8本)
◎プルアップ3P 16.3本(10.8本)
大幅に増えた3Pですが、5.5本がプルアップ増です。カリーが打ちやすいことで生まれている3P増とも言います。まぁマブスが10本しか打たせなかったことが脅威なのですが、それだけオンボールプレーは自由度が高くはなっています。
〇ペイント内得点 32.5点(49.2点)
そして3P増に対して、わかりやすくペイント内得点が減っています。さすがに17点減は脅威です。セルツは明確にインサイドを嫌がっており、ロバートのリムプロテクトが目立ってもいます。
さて、これは正解なのでしょうか。答えはカリーのみぞ知る。ここまで3P49%と決めまくっているカリーなので、セルツの対応は正解とは言えません。しかし、49%決まっていて2勝2敗なのだから、ここから確率が落ちたらセルツは楽勝にも思えます。だから正解なのかな?
カリーがプルアップ3Pを決め続けるか、スマートが止めるか
マンマーク対応なので極めて分かりやすいです。もうウォリアーズのオフェンスはここが勝負になっているわけだ。カリーが決めるから勝てる。外したら負ける。戦術とかじゃないぜ。個人だぜ。
◎セルツのビッグ
セルツはビッグマンの組み合わせが奇妙な空気を出しています。ゲーム2までにタイスを起用すると明らかに困ったので辞めました。それはいい。でも、ワンビッグの時間帯を増やしたと思ったら、ロバートとグラントを並べて成功したゲーム3でした。
ところがゲーム4ではグラントとホーフォードのプレータイムが減ります。ファールトラブルもありましたが、ゲーム3の成功が何だったのか、よくわからない流れとなりました。
ウォリアーズ側がドレイモンド&ルーニーを減らしたことも影響していましたが、ウィギンズに16リバウンドを食らっており、何故だか後手に回ってしまった印象もあります。普通にグラントとホーフォードを長くしていたら、ウィギンズもつらかったんじゃ?
ゲーム4でロバート(とプリチャード)が出ていると、カリーやプールはイージーに3Pを打てました。ピック&ロールからのカバーが悪く、ほぼチェックに来ないのでシンプルに打てました。途中からロバートの対処が変更されましたが、カリーなのでディープ3Pとドライブを組み合わせれば、殆ど問題はなかった。
それに比べるとホーフォードやグラントの方がカリーの3Pへショーディフェンスしてきます。ただ、その後にマークを戻すから、そこまで止めまくっているわけではありません。
ロバートでよりインサイド重視にするか
ホーフォード&グラントで多少は3Pへの警戒を上げるか
ゲーム5の修正事項があるとしたら、ここになります。ロバートは確かに強力ですが、別にいなくてもインサイドをやられているわけでもなく、カリーの大活躍でゲーム4を落としたセルツの事情を考えると、ここはホーフォードに頑張ってもらうのかなー。
一方でセルツには3つのアリウープダンクがありましたが、全てロバートです。自分たちがインサイドを効果的に攻め込むにはロバートを起用しておきたい事情もあります。ホーフォードとグラントが3P仕事になっているので、なおさらロバートの重要性が増します。
ゲーム2で見事にホーフォードのインサイドを消したウォリアーズディフェンスに対して、外から狙わせることで対処したゲーム3でした。プラスしてカリーねらいのインサイド押しもありましたが、基本的にホーフォードはストレッチ役です。
〇2PFG
ブラウン 50%(22/44)
テイタム 27%(14/51)
ところがストレッチさせたところで、ブラウンはともかくとして、テイタムの確率が悪すぎて意味がない状況です。
ゲーム2 インサイドのホーフォードを消される
ゲーム3 ホーフォードはストレッチ役徹底
ゲーム4 テイタムがインサイドで決められない
大雑把に言えばこんな流れなので、セルツとしても何が正解か難しいラインです。自分たちがペイント内を守っているのに、攻めることが出来なかったら単なる3P勝負じゃないか。だからロバートで押し込みたかった気持ちはわかる。
テイタムがインサイドアタックを決められるかどうか?
ウォリアーズがカリーの3P次第なのはセルツのディフェンス事情ですが、テイタムが決められないのはウォリアーズが注力して守っているからです。でも、セルツはこれが決まらないと戦術ベースが崩れてしまいます。
もう変更は出来ない。ただただテイタムがしっかりと決めきるのを期待するだけです。ただし、基本的にウォリアーズは複数で潰しに来るので、優先事項はキックアウトになります。13アシストしたゲーム1は大正解ってことでもあるね。
◎勝負所
勝負所の展開がなかったファイナルですが、ゲーム4では遂に訪れ、カリーがスーパースターっぷりを発揮してシリーズをタイに持ち込んだわけです。それはカリーがタフショットを決めただけでなく、前述の通りセルツの守り方にも関係しています。試合終盤の守り方は変更すべきかもしれません。
エースに打たせることを考えたウォリアーズオフェンス
これは昔からの話ですが、スクリーンとオフボールムーブを使うウォリアーズのオフェンスは「マークを外してスプラッシュに打たせる」ことを目指したオフェンスです。だから大事な場面でもカリーが打つことが多いとも言います。実際には普通に個人技でしたが。昔はデュラントの担当ですね。
一方で勝負所はテイタムのハンドラーアタックから始めたいセルツなので、こちらは多くのカバーが待っており、必然的に他の選手が空くことになります。
エース以外に打たせることを考えたウォリアーズディフェンス
こんな構図にも見えます。セルツからしても「正しいパスの選択」をしなければいけません。もちろんピック&ロールからシンプルにテイタムが打てれば、それがベターだけど、絶対にカバーに来るんだからフリーの選手がいるはずだ。
〇FG ゲーム4 残り3分~
ホーフォード 1/2
スマート 0/2
ホワイト 0/1
テイタム&ブラウン 0/0
そのため、こんなことになりました。アテンプトは全て3Pになっており「スマートが外したから負けた」構図です。テイタム&ブラウンはシュートを打つことも出来ておらず、正しくパスアウトして負けたわけです。
ゲーム3まで4Qはセルツが圧倒していただけに、終盤勝負はセルツの優位性が出ると思いましたが、そういえば、こんな事情もありましたね。カリーが最後まで決め続けた凄みはあったけど、最後までカリーが打っていたことが勝因でもありましたとさ。
◎減らしたスティーブ・カー
ゲーム3でインサイド負けしたことを考えると、センターで解決はしないウォリアーズなので、フィジカルに戦えるハードワーカーの出番が増える気がしました。クミンガやトスカーノの出番です。
しかし、カーが選んだのはOPJをスターターにして、ルーニーをベンチスタートにしてバランスを整えた事でした。ルーニーならウィギンズとのコンビで耐えきることが出来るので、ドレイモンドの時間帯にウイングを増やした感じかな。ただし、OPJとウィギンズってだけなんだけどさ。
結果的にウィギンズが43.5分もプレーしました。ビエリッツァこそ出番が増えましたが、ハードワーカーたちの出番はなく、イグダラ先生も出てこなかったです。それで勝ち切ったといえば正解に見えますが、終盤のところで逃げ切っただけで、全体を通せばセルツが勝つ流れでした。
要するにカリーの負担がデカく(10リバウンド)、ウィギンズ含めてスタミナ負けしなったことが脅威だったゲーム4です。それって選手が頑張っただけに見えるよね。
その一方で頑張れてないドレイモンドはプレータイムを少し減らしました。もっと減らしてよいくらいでしたが、ここのジャッジは難しかったです。ビッグマン足りないもんね。
あまりにもシュートが決まらず、FG23%、3P0%のドレイモンドをどうしていくのか。ゲーム4は出番がなかったウイング陣は、ゲーム5でドレイモンド問題の解決として出番が増えるのかどうか。
起用する人数を減らすというのは、スティーブ・カーらしくない選択をしたゲーム4でした。次はどうするんだろうね。
◎3Qの恐怖
それにしてもゲーム4までもが3Qにウォリアーズが勝利しました。これで4試合で+49点です。いくらなんでも無策にも見えるセルツなわけですが、スタッツ見ると微妙なラインもあります。
〇3Qの3P
カリー 60%
クレイ 40%
プール 50%
OPJ 60%
なんとチーム全体で51%も決まっています。つまり3Qに関して言えば「カリー以外の3Pも決まる」です。ん-、セルツはマンマーク対応で、ある程度は打たれる前提なので、ただたんにウォリアーズが3Qには決まるだけってことかもしれません。走ってはいるけどね。
セルツが3Qに大きく負け越してしまう違う理由はテイタムとブラウンにあります。この2人のドライブに対して熱いカバーを用意しているウォリアーズで、テイタムの2Pが決まらないのは前述の通りですが、テイタムは3Pを決めることで解決していました。
ところが3Qは3Pが決まらないので困っています。ブラウンも決まらないから余計にさ。
〇3Qの3P
テイタム 2/18
ブラウン 0/5
うーん酷いな。ところが、この2人を除くと9/20と高確率になります。明らかにテイタムが悪いな。うん、テイタムが悪いよ。ウォリアーズは必ずしも3Qにディフェンスの優位があるわけではなく、他の選手には3Pを決められています。ただただテイタムのミスが目立っており、ブラウンも決まらないから余計にさ。
いずれにしても、この数字はセルツからすると「改善できそうな内容」でもあります。自分たちのオフェンスを修正すればいいわけだ。ちゃんとパスアウトしているけど、キックアウト3Pが決まらない状況だったら「決まるのを祈れ」だけど、そうじゃなくてエース2人が外しているし、チョイスが悪いって事です。
3Qのオフェンスを修正し、カウンターを減らせるのか
セルツがゲーム5で最も重視すべきなのはここです。そして実際にゲーム4はテイタムが2本、ブラウンが1本と3Pアテンプトを減らしたことで、大ケガをしないで終わりました。△6点だったものの、カリーが3P4/5だったので仕方ないさ。
3Qの脅威はファンのメンタルに刻まれているでしょうが、セルツがオフェンスの改善に成功すれば、ある程度は解消できることが分かっているのでした。そうはさせないほどプレッシャーかけてくるんだろうけどさ。
◎やり取りは少なそう
お互いに改善ポイントはあるし、試合中の選手交代は重要です。特にウォリアーズはローテのパターンは少ない(ほぼスモール)なので、誰を使うかという采配は重要です。
とはいえ、セルツが守り方を大きく変えてカリーを最優先することはないでしょうし、ウォリアーズがテイタムのカバーを緩くすることもありません。基本的に大きなラインは変わらないファイナルになるでしょう。
ならばゲーム4で重要だったウィギンズのハードワークは引き続き大事です。テイタムを守りながら、リバウンドも取りまくるって大変だよね。優勝したとしても、相手がレブロンならMVPになる可能性もあるけど、そこはカリーに持っていかれるだろうし。
セルツ側のハードワークは変わりませんが、キックアウト3Pをロールプレイヤーが決めきるのが大切です。こちらはシュートというわかりやすい要素になりそうです。特に終盤はスマートを空ける対応をしてくるので、もう一工夫するのかどうか。
そんな雑感でした。
お疲れ様です。
マブスのディフェンスがフリになってるように感じてしまうマブスファンです、ただ、分厚いカバーのないカリーは自分の想像の遥か上を行くパフォーマンスでビックリしてます。
KD前のウォリアーズが思い出せませんが、カリー単体で見たらベストのファイナルじゃないですか?カリーがやってしまったシーンが浮かばないです。
この守り方されるとドレイモンドは何もできないよなーと感じていて、ゲーム4はドレイモンド諦めてルーニーにすべきと思っていたので、最終番、戻したことには凄く驚きました。
ただ、最後の最後でカリーにトラップ→ドレイモンド→ルーニーで失点したシーンなんかはドレイモンドの真骨頂だと思うので難しいですよね。
なので、セルツは守り方変えずにドレイモンドを追い出して、ドレイモンド追い出してからカリーにトラップしかけてみて欲しいです。
ルーニーに上手く4対3を捌かれてしまうのでしょうか。