マブスvsウルブズ

2022/3/21

プレーオフラインのダイレクトマッチアップです。

◎ストップ・ドンチッチ

ドンチッチのマーク担当はバンダービルド。べバリーがいるのにバンダービルド。その狙いは不明ですが、ドンチッチは自分よりも大きくてスピード対応してくる選手が苦手なので、理にかなったマッチアップでもあります。ただ、本日はマクダニエルズがいないので、インサイドカバーが薄くなってしまうウルブズ。

実際、ドンチッチはバンダービルドに大苦戦していますが、その一方でピック&ロールからパウエルへのアリウープを連発する立ち上がり。1本はバンダービルドがアリウープパスをカットするというスーパーディフェンスで解決しますが、その後もパウエルが決めまくり、マブスの初めの12点のうち半分がパウエルでした。

基本的にポジショニングに駆け引きが足りないタウンズ。ディフェンスする気持ちはあるんだけどね。カバーに出てしまうと、ことごとくパウエルへのパスコースを空けてしまいます。だったら、周囲が収縮するわけですが、するとあっさりとキックアウト3Pです。初めの12点のうち、残りの半分は3P2本でした。

ってことで、ドンチッチの判断力にタジタジ。まぁドンチッチレベルに判断する選手は多くないので、シーズン中はどうにかなるのですが、プレーオフで勝ちたいならば、もっと連動しないと守り切れないよ。

その後、バンダービルドがアンラッキーなファールコールでマーク交代し、アンソニー・エドワーズが担当すると、インサイドカバーが安定し始めます。初めからこっちの方が良かったよね。エドワーズもドンチッチに押し込まれないパワーがあるので、個人の部分でやられるわけじゃないし。

一方でウルブズのオフェンスはエドワーズ中心の立ち上がりでした。最近はタウンズ中心ばかり見ていたので、珍しいね。エドワーズはミスが多くて無得点で、決めているのはディアンジェロが多かったけど、ハーフコートになるとエドワーズアタックだった。そういう意味では、攻守にエドワーズ中心ってわけにはいかなかったので、これはこれでいいのかな。

マブス側も面食らったというか、タウンズをどうするかを考えていたであろうに、ハンドラーアタックで打ち切られてしまうのに対応しきれませんでした。ブルロックも戻っているので、ディフェンダーは揃っている。その割には個人のところで守り切れないシーンがあったよ。相手のゲームプランと違うことをするのは大切。終盤はプリンスが決めていったし。

〇1Qのドンチッチ
0点
FG0/2
4アシスト
4ターンオーバー

パウエルがコートにいる間はよかったのですが、ベンチに下がるとマブスのオフェンスはインサイド合わせがなくなってしまい、ミスも増えてしまいます。徹底してドンチッチを優先していたウルブズの作戦勝ちですね。

マブスはドンチッチのパスアウトから3Pばかり。ところが試合開始直後に2本決めた後は、10本中1本しか決まらず、29-23とウルブズリードになりました。まぁ12本も3P打ったんだから、それくらい空いていたわけで、オフェンスとしては悪くない。

◎トータルゲーム

そういえばウルブズって「ディアンジェロがいないとさ・・・」なゲームメイクのチームでした。最近はノーウェルが活躍し始めマシになってきたので、オールベンチメンバーでセカンドユニットを組んでいます。プリンスも主力になってきたね。

一方のマブスはディンウィディを加えたことで、試合の安定性を手に入れました。PGが常に2人はコートにいるので、ドンチッチが休んでいても、ディンウィディ&ブロンソンがいるじゃん。代わりにインサイドが寂しい。

そんな対比なので、開始2分半で1点差まで追い上げます。ちょっと差があったので、ディアンジェロを投入しますが、それがノーウェル・マクラフリンとの3ガードなので止めることはできないよね。フィンチがこのラインナップを好む理由がよくわかんない。途中でベバリー投入しましたが、エドワーズも含めてディフェンス担当をいれておけばいいだけなのにさ。

逆にニリキナを投入し、ディフェンスからのトランジションを仕掛けたキッド。プリンスの3Pなんかもあって時間はかかったけど、5分経過時点でブロンソンのミドルが決まり逆転します。大体、想定通りにすすんだイメージがあるよ。ってことでタイムアウトです。

また、ディンウィディがリードを引き出して1on1を仕掛けまくり。これでカバーリングが間に合わないし、3P外してもゴール下でディアンジェロやベバリーとの争いをイージーに制したパウエルがプットバック。ローテとかオフボールスイッチの概念が低いウルブズ。

ドンチッチが戻ってくるとゴール下で初得点。1月19日以降が平均32.2点らしいけど、今日は30点はムリだろうね。ディアンジェロがドンチッチからスティールして速攻を決めるも、フィニースミスが3Pで7点差に。徐々に開いていくぜ。

そんな空気でしたが、エドワーズがプルアップ3Pでこちらは初のFG成功。さらにビーズリーのコーナー3Pで取り返したウルブズ。ディフェンスがダメならオフェンスで。

戻ってきたタウンズ中心に変化したウルブズのオフェンスに対して、タウンズへの警戒を強めるマブス。そのため、タウンズがボールを持った瞬間にダブルチーム⇒他の選手が空くパターンになります。わかりやすくアシスト中心になるタウンズ。鮮やかではないけど、ワイドにパスを出すようになったタウンズ。

〇2Qのタウンズ
0点
3アシスト

一方のマブスはドンチッチがタウンズを引き出してのプルアップ3P。フィニースミスは3Pフェイクでタウンズを飛ばせてのドライブレイアップ。うーん、厳しいぜタウンズ。だからこそ抜かれてもカバーしてくれるPFが欲しいんだけど、3ファールのバンダービルドを戻さなかったフィンチ。

2Qを37-24と圧倒したマブス。前半を6点リードで折り返します。予定通り逆転したというか、ディンウィディ入れてトータルゲームにして、セカンドユニットで追い付きつつ、1Qに決まらなかった3Pが4/9になったから逆転した感じでした。ウルブズはマクダニエルズ不在が響いたね。

◎エース対決

後半はお互いのシュートが決まらない立ち上がりとなり、パウエルのハードワークが際立っていきます。タウンズのインサイドプレーにくらいつき、吹っ飛ばされても意地で戻ってきてカバー。オフェンスリバウンドに飛び込み・・・。ウルブズはタウンズがゴール下でフリーになったのに気が付かなかったりと、パウエルの圧力に押された感じ。

そうこうしていると、ドンチッチのプルアップ3Pに、キックアウトからブルロックの3Pで点差が12点に広がります。3Pだけしか決まっていない両チーム。

タイムアウトのウルブズですが、あけると今度はドンチッチのドライブでタウンズを引き出してパウエルへのアリウープを通されます。一方でウルブズはベバリーのパスが悪くバンダービルドのアリウープは成立しません。連携力に差があるな。

それでもタウンズが個人で取り返します。プットバックダンクに3Pで反撃。パウエルのハードワークに押されているけど、ここのマッチアップで負けたらシャレにならん。しかし、ベバリーからバンダービルドへのパスはドンチッチが触って止めると、タウンズのバックビハインドパスもパウエルが食らいついて止めてしまいます。連動性で負けているウルブズ。

相手に流れがある時間帯なので、ディアンジェロとタウンズのツーメンゲームか、エドワーズのアイソでいいと思うのですが、どうしてもベバリーがやってしまう。一応、ビッグ3体勢なのだから、周囲はスポットシュート担当と、オフボールで合わせるハードワーク担当(バンダービルド)でいいんだけどね。

そんなことを思っていたらエドワーズアタックが増えます。シュートミスもあるけど、これでミスなら仕方がないじゃん。エドワーズのドライブキックアウトをプリンスが外したけど、これでミスなら仕方ないじゃん。

そしてドンチッチのキックアウトからフィニースミスの3P。ドンチッチのステップバック3P。エースの差で点差が広が・・・ってところで3Pを返したエドワーズ。さらにタウンズがドンチッチに襲い掛かってサイドラインの外からスティールし、前に走ったエドワーズがドフリーの速攻・・・を外したよ。ありそうで、なかったようで、あった気がしないでもないエースの差。よくわかりませんでしたが、ウルブズの方が「決めていれば」なので、あとは成長を期待しましょう。

エドワーズがハーフラインからドンチッチにいちゃいちゃデートなので、何もせずにディンウィディに任せて4on4にします。これで3P打ち放題なマブスですが、その代わりにドンチッチはエドワーズの執拗なマークにイライラを募らせ、3Q最後にアイソを仕掛けたけど3Pをエアボール。

一方のエドワーズは強引も強引なドライブを仕掛けると、タフなゴール下を左手シュートで決めきりました。ってことで、トータルはエドワーズの判定勝ちかな。あの速攻さえ決めていれば、明確に勝った感じでしたが。86ー81でマブス5点リードで4Qに行きます。

うーん、それにしても、やっぱり試合開始からエドワーズがドンチッチのマーク担当にしていれば、バンダービルドのファールトラブルもなければ、インサイドのカバーディフェンスも機能していたんじゃ・・・。

◎しつこさ

今度は初めからディアンジェロを混ぜるセカンドユニット。しっかりとボールを動かしてコーナーのプリンスが連続で3Pミス。良い感じで決めきれないシーンが多い本日のプリンスです。16ものアテンプトがあったのはチームで作ったから。決めてよ。

〇プリンス
FG6/16

〇ブルロック
3P6/11

逆にパスアウトを決めまくってくれたブルロック。ここでもコーナー3Pを決めて10点差に広げます。内容に差はなかったけど、ロールプレイヤーのフィニッシュに差が出てしまった。ちなみにプリンスは3Pについては3/8と決めています。

負けているので先に主力を戻したウルブズは、タウンズのアタックに、エドワーズがドライブからのユーロステップ&ワンで3点差に追い上げますが、またもドンチッチがタウンズを引き出してパウエルへのアリウープを通します。中途半端なポジショニングしてるタウンズ。

エンビードもこういう駆け引き下手だけど、圧力で守り切るシーンがあるよね。タウンズは圧力が足りない。前にも出ないし、中にも絞らないから怖さがないというか、ドンチッチが何も迷っていない。後ろのプリンスもカバーに行く事すら出来ない。

試合はこのまま5~7点差で続いていきます。タウンズ&エドワーズにチームで対抗していくようなマブス。チームっていうか、エースからの展開がわかりやすい。ところが、そのエースであるドンチッチが完全に手を叩かれているのにファールコールされず、イライラはましていきそうな匂いもしています。

残り5分。タウンズがドライブでブルロックを吹っ飛ばしながらレイアップを決めると、ベバリーはドンチッチからスティールし、そのままトランジションで3Pをヒット。これで同点になります。試合開始からのドンチッチ嫌がらせ作戦が効いている。そしてマブスは、この形でドンチッチが煽られるであろうプレーオフ大丈夫だろうか不安にもなる。

ちなみに終盤になってベバリーがドンチッチ担当ですが、エドワーズが「オレが行きたい」な空気を出しています。ブルロックを守るのなんて退屈だからと、ドンチッチばかり見ている。

残り3分半。そのエドワーズのアタックにパウエルがファールコールされ退場。フリースローを決めたエドワーズによりウルブズがリードします。ここまでタウンズ相手に一歩も引かず、オフェンスでもゴール下を押し込みまくっていただけに、追い込まれた感じのマブス。

〇パウエル
22点
FG8/8
2スティール

フィニースミスのドライブで追い上げるマブスは、ドンチッチのドライブで残り2分に逆転。何故かノーウェルを使っているウルブズは、そのノーウェルが強気に攻めてレイアップミス。

エドワーズに追い込まれたドンチッチのフェイダウェイ3Pは外れるも、フィニースミスがリバウンド。そして再びドンチッチがドライブし、キックアウトした先にはまたもフィニースミス。3Pを決めて残り1分14秒4点リードにします。

タイムアウトのウルブズは、エドワーズがドライブから雑なキックアウトになるも、パスを受けたタウンズがドライブダンク。しかし、ドンチッチのキックアウトからエクストラパスをつないだ先にいたブルロックの3Pで点差は5点に。

急ぐディアンジェロはファールドローでフリースロー2本決めて残り34秒3点差。守り切って3P狙いのウルブズ。時間をかけたドンチッチはドリブルを自分の足に当ててしまい、ショットクロックバイオレーション。「当たったのはディアンジェロの足だ」とクレームしていますが、それが事実じゃん。リプレーできないのでコールは変わらず。

残り10.3秒。3点ビハインド。スローインがディアンジェロで狙うはタウンズ。怪しいロブパスにディンウィディが触り、バックコートに行きそうなのをタウンズがタッチパスでベバリーへ。ここでファールして止めるブルロック。逆ファールゲームは強気だね。

1本目を決めて、リバウンド勝負を選ぶフィンチ。バンダービルドを準備しますが、ベバリーが1本目をミス。3点差だからバンダービルドを投入しないフィンチ。

すると、レフリーのボールを受けたベバリーが即座にリングに投げ、そのままリバウンドへ。見事に奪い取り、そのままショートに行くとドンチッチのファールがコールされます。これにチャレンジのマブス。見た感じはベバリーのショルダーチャージだもんね。ただしノーチャージエリアなのでノーファールが限界。

このチャレンジが成功し、センターサークルでのジャンプボールに。ボールは再びベバリーに出ますが、ファールで止めるドンチッチ。しつこいな。そのしつこさこそ、勝利への近道なのか。

1本目を決めたベバリー。バンダービルドを投入しないフィンチ。2本目を外すとタウンズが食らいつきますが、さすがにシュートまでいけずマブスの勝利となりました。最後、クリバーのファールっぽかったので、レフリーも帰りたくて見逃したのかと勘繰っちゃうね。

〇ドンチッチ
15点
10アシスト
8ターンオーバー

ウルブズのディフェンスは連携の悪さは相変わらずで、3P46本も打たれました。これをディンウィディとクリバーが1/12と助けてくれたのが大きかったです。それはそれでマブスの不安材料でもあるね。

一方でエドワーズのディフェンスはドンチッチを大いに苦しめました。「エースを消す」という視点ではエドワーズの大勝利。その分だけチームディフェンスの悪さも目立ってしまったわけです。良い部分もあれば、悪い部分もある。

プレーオフの基本はスカウティングと慣れによって、相手の連動性を消し去り、最終的にエース勝負になることです。その点でドンチッチ相手に守り切ったエドワーズのディフェンスはウルブズの方が有利ということを示しました。一方で「連動性を消せるの?」というそもそもの問題があるウルブズでもあります。

〇ウルブズのFG39.6%

一方で見事に消し去ったマブスのディフェンス。そのため、お互いの良さは違えどディフェンシブな試合となりました。フルメンバーで戦えば、マクダニエルズの分だけプラスが生まれるウルブズと、ベルタンスの分だけマイナスが生まれるマブスって気もします。ディフェンスについてだけいえばですが。

最近の好調さで猛烈に追い上げたものの、6位の壁を打ち破れないウルブズ。まぁでも、考えようによってはプレーインという経験を積むのもイイかもね。去年のモラントみたいにステップアップするエドワーズがみれるかもしれないじゃん。

マブスvsウルブズ” への5件のフィードバック

  1. お疲れさまです。
    普段ミネソタを見てないので的外れかもしれませんが、あれだけスターターにタレントいるんだから、誰か1人ベンチユニットと組ました時間を設けて、エース役させればいいのにと思いました(特にエドワーズ)。

    あと、最後のチャレンジどう感じました?
    3点差でべバリーのフリースロー2本より、ジャンプボールわちゃわちゃからのスリーの方が負ける率が高いと思っていたのでチャレンジ失敗しろー!と願って見てました。

    1. チャレンジは2本目のリバウンドとられてるのが、どうかと思ったので、あの時はそれで良かったなーと。

      ところが、もう一回ファールしてるので、同じことするなら、チャレンジいらなかったですね。

  2. ドンチッチ対策は、ダブルチームではなくて今日のようにマンマークイライラ作戦が1番有効な気がします。ベバリーはそれに打って付けなわけですが、エドワーズのディフェンスが良かったのは驚きでした。こんなにディフェンスがんばれる人だったんですね。
    ベバリーはクリッパーズの時もそうでしたが、そんなに上手くないのにプレーメイクしたがりますよね。エドワーズにアイソされてる方がよっぽど怖かった。
    今日の試合を受けて、明後日の試合両チームがどういう出方をするのが本当に楽しみです。プレイオフ前哨戦って感じでワクワクします。

    1. エドワーズは個人技オフェンス以外の部分が伸びていて、そこは凄くポジティブです。オフボールは相変わらずですが。

      ベバリーはやり過ぎなのですが、やらないのもダメだし。
      マクダニエルズ戻ってきたら、どっちを使うんでしょうね

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