さようならマジック

本日はマジックvsピストンズしか試合がありませんでした。結果はなんとサディック・ベイが3P10/14という乱れうちで134点を奪ったピストンズが、バグリーとスチュワートが共にダブルダブルの貢献もあって、カニングハムとジェレミ不在でも14点差で勝利しました。

マジックはワグナー弟の26点を筆頭に、6人が二桁得点のバランスの良さを見せたものの、120点で14点届かず。これでイーストの最下位となったわけですが、それはまぁどうでもいいか。

1試合の結果なんて参考にしても仕方がありませんが、今シーズンのマジックは「期待と違った」ことが多く、その傾向がモロに出た試合でもありました。シーズン前のマジックについて勝利は求めないものの、期待していた理由を挙げると

・ドラフト1巡目の若手が大量にいる
・ディフェンス力の高い選手を集めている
・連動性を作れそうな選手が中核にいる

こんな3点がポイントでしたが、134点取られているし、マンマークでベイを止められなかったわけだし、期待外れなのですが、その一方で120点取れるチームであることも想定外です。管理人の期待とは違う方向に延びていったマジック。今回はそんなことを書いていきましょう。

◎離脱者

ケガからの復帰を目指していたジョナサン・アイザックのシーズン全休が決まったのは最近の事。つまりは戻ってくる前提だったのに、経過が思わしくないのか、それよりも無理をさせたくもなければ、負けたいチーム事情もあってか3年前に「未来のDPOY」と評したディフェンダーは、チームの中心になるはずだったのに残念でした。

また、最近になってフルツがやっと戻ってきたわけで、ここについてはガード陣の中では優れたディフェンスをしているけど、RJハンプトンとコール・アンソニーをスターターにしているので、ディフェンス優先にはなっていません。

そして期待のサッグスもシーズン序盤に離脱し、最近も再び離脱中。ってことで、中心的な役割が期待されていた3人を欠くことが多いシーズンでした。特にサッグスについては、オフェンスの中心になることが出来ず、序盤の躓きはチームプランを大きく崩した気がします。

他にも起用されないロビン・ロペスに、毎年のように離脱が長いギャリー・ハリスもいれば、MCWはいつの間にかいなくなっていた。ってことで、ディフェンスに期待していたチームだけど、そのディフェンス要員については離脱していたり、敢えて起用されなかったり。

負ける事そのものについては批判しないのですが、ディフェンスからチームを作っていってほしかったし、そういうタイプの選手が多かっただけに、ベースが違う事は残念でした。本日はWCJが不在だったのですが、そこにはワグナー兄がはいったのでツービッグをキープしたわけですが「それじゃあ来年ジョナサン・アイザックが戻ってきたらどうするの?」みたいな疑問もあるわけで、離脱者問題もあったけど、HCとしてもイメージの違うこだわりを持っていたね。

◎バンバとアンソニー

「裏切り」は悪い面だけでなく、良い面もあります。今シーズンのマジックで最大の衝撃は、使い物にならないと思われていたバンバが、まがいなりにも形になったことと言えます。これが最大のサプライズとなり、まさかのツービッグを成立させました。

バンバといえば7フッター離れしたスピードを誇るポテンシャル担当でしたが、とにかくオンボールでもオフボールでも判断が悪く、安定したプレーが出来ない選手でした。これらのネガティブな面が解消されたかといえば、イマイチわかりませんが、オフェンス時の仕事が整理されたことで、スムーズな連携を発揮し始めました。

3P1.4/3.8
2P2.7/4.8

最大のポイントは3P36%と確率良く決まったことで、アテンプト数が3.8本になっています。2P4.8本という事を考えれば7フッターながら3P中心でした。いってしまえば「ダンクか3Pか」みたいなバランスになっており、基本はコーナーで待ってストレッチしています。

ただし、ちゃんとカットプレーの意識も高く持っているので、ここまで60試合で90本のダンクアテンプトがあります。いずれにしても中途半端な場所(ブーチェビッチがボールを貰うポジション)でプレーしても怖くなかったバンバだけに、「3Pかダンクか」の整理は大きな意味がありました。

ディフェンス面は試合に出続けることで改善した印象も高く、そもそも身体能力が高いので強みを見せています。といっても10.4リバウンドのWCJに対して、8.0リバウンドに留まっているし、オフェンスでもプレーメイクに絡むのはWCJで、バンバは基本的にコーナーから始めるわけなので、攻守にWCJと組めたことにメリットがありました。

特にオフェンスではWCJがセンター役、ディフェンスではバンバがセンター役、といった感じで攻守でポジションを変えているので、コンビとしての成功だったと言えます。実際、バンバをセカンドユニットでワンビッグにするのは、不安が大きいもんね。

一方で、好き勝手にプレーしていたコール・アンソニーも、シーズン後半になるにつれて急激にPGっぽくなってきました。個人技マックスの点取り屋だったのに、基本的にはゲームをコントロールすることを優先し、パスを供給することを強めました。この変化はサッグス中心になると思われたマジックが、コール・アンソニー中心で居続けられた最大の要因かもしれません。

〇アシスト 5.7
〇ターンオーバー 2.7

相変わらずFG成功率は40%を切るものの、アシスト/ターンオーバーは悪くないスタッツになっています。もっとムチャクチャだったのに、ドライブしすぎず、アウトサイドとパス供給でガマンできているのは驚き。

つまりはバンバもアンソニーも個人的には「ポテンシャルはあっても苦しいだろうな」という印象だったのが、個人としての強みを消しすぎずに、チームの中でどうやって力を発揮するのかを学んでいったシーズンでもありました。インテリジェンスを感じない選手だっただけに、そんなことが起こるとは思わなかったよ。

ついでにいうと、ディフェンス専門家みたいだったチューマ・オキキは、積極的なドライブアタックに3Pを見せるようになってきました。ディフェンス主体のチームにはならなかったけど、オフェンス面では積極性とチーム内のプレー整理の両方に進歩がみられました。良い意味で裏切られたよ。

◎サッグスとワグナー弟

期待のルーキー2人はワグナーが満点回答だったのに対して、サッグスには物足りなさが残りました。離脱している間にチームの戦い方が出来てしまったサッグスと、主力の欠場中にザ・主役として台頭したワグナー。2人は対照的なシーズンを過ごしてしまいました。

サッグスについては、プレーの節々に唸るような能力・判断力を見せており、特にディフェンスの読みは秀逸。ドラフト5位に相応しいポテンシャルを持っているわけですが、これらのインテリジェンスな部分は、マジックのチームオフェンスと相性が悪く、なかなかコンビプレーが出てきません。

あまり一概には言えないのですが、前述のバンバであれば、バンバ自身は整理されているけど、基本はキックアウトパス待ちなわけで、もっとコンビプレーをしたいサッグスからすれば、苦しい戦術な気がします。とはいえWCJもいるわけだし、自分の得意パターンを作り上げる個性の強さがなかったのかもしれません。

ちなみに同じことはカニングハムにもいえましたが、あちらはシーズンが進むにつれて「オレのチームだ!」という空気をビンビンに発しており、サッグスとの違いを明確に示しています。スキルでも、身体能力でもなく、メンタルなのかな。

一方でワグナーは主力の大量離脱を契機に、主役の座に躍り出ました。ハンドラーとしてプレーすれば得点を挙げられることを示し、新人王レースの一番手を走っていたこともあります。ところが、コール・アンソニーが戻ってくると一気にトーンダウン。個人技で突き進むハンドラーとは相性の悪いウイングでした。

そこまでで終わったらチームの大問題だったのですが、前述の通りアンソニー側がパスの供給役として雰囲気が変わってきたことに加え、ワグナーはオフボールムーブからの得点能力を高めていきました。ハンドラーをやらなくても点が取れるウイングとして結果を示したワグナー。

特に3Pのジャッジがよくなっており、打ち切れるパターンと、ドライブすべきパターンを使い分けています。総じてパスを受けてからのアクションが早くなってきました。ハンドラーを続けていれば、もっと点が取れたのは事実ですが、こうして役割を変えてもアジャストする能力を示したことは、非常に高く評価しています。

オキキが良いプレーをしても、全くスターターにあげてもらえないのは、ワグナーの成長が予想以上に早いからなのかもしれません。ジョナサン・アイザックがいなくてラッキーだったわけですが、このアジャスト能力ならば同居も出来そうだよね。HCは同居させたくなさそうだけど。

◎融合するのか?

戻ってきたフルツはベンチスタートながら、時にアシストを稼ぎまくるなど、一定の活躍をしています。何故かフルツの時間は「ハンドラー任せ」が進むので、なかなか苦しそうな面もありますが、スピードドライブで切り裂くのがメインだったアンソニーに対して、ドライブからペイント近辺でストップモーションを使ってくるフルツは、周囲と噛み合えば、より力を発揮しそうです。

んー、だけど「噛み合うのか」はなかなかの課題です。

ワグナーにしろ、アンソニーにしろ、そしてロスにしろ、比較的個人で点を取りにくタイプが結果を残しており、コンビプレーは減りました。もともと戦術的には個人技ばかりで、そこにブーチェビッチがいるから連動していた感もあるので、マジックらしい伝統はHC交代しても続いていると言えます。フロントが好きなんだろうね。

オキキが積極的なのも、個人で積極的にいかないと何もできないから、、、なんて気もしてしまう。一応、WCJがいるからハンドオフやピック&ロールは混じりますが、あくまでも個人が作り出す連動性って感じです。

ポジションバランス的にも、アイザック&バンバみたいな組み合わせが成立する気もしないし、フルツ、サッグス、アンソニーはやっぱり人数が多過ぎるよね。ウイングはともかくハンドラー渋滞は失敗しがち。

そんなわけで来シーズンになって、全員が戻ってきたうえで、さらにドラフト上位紙面も加わると考えたら、ここからの融合が見えにくいのも事実です。コンビプレーを使っていると、いくらでも絡めるのですが、主役が多過ぎるのは困るよね。

また何よりも「ディフェンス主体」を希望している管理人としては、ハンドラーアタックが増えてしまうとガードが増えることが多く、そうなれば上手くいかないことが目に見えており、もっと連動性あるオフェンスをして欲しいわけです。

期待と違ったことが多かったマジックですが、それはネガティブにもポジティブにもあるから、悲観してはいません。ただチーム作りの初期段階という事を考えると、次にどうやって繋げていくのかは、少し不安でもあります。カニングハム中心になったピストンズは、ヘイズやバグリーで連動性を高めていってることもあり、よりタレントの多いマジックがどうなっていくのか、不安もあるのでした。

◎多角性を続けるか

アイザック、フルツ、WCJとお手頃な契約延長をしているマジックは、あと3年は分厚い戦力を揃えることが可能なチームです。再建チームではあるけれど、同時にキャップスペースを利用できるチームでもあり、実は来シーズンから勝負をかけても良さげ。

勝負をかけないならば逆に主力をトレードで指名権に変更しないと勿体ないので、意外とオフには大きな動きをするかもしれません。今シーズンの内容でアンタッチャブルなのはワグナーだけなので、思い切った動きをしても良いのですが、伝統的にそれはしないだろうなぁ。

このチームつくりは「絶対的な核」がいない方式です。本来はサッグスを核にしたかったのかもしれませんが、バランス型になった今シーズン。いろんな選手が躍動した良さと、それを次につなげる難しさと。どっちもあるのが現状です。

その意味では期待もしつつ、期待して良いのか不安もありつつ、若干の煮え切らなさが残るシーズンでもありました。選手個人は悪くない。悪くないからこそ不安にもなるってね。

また「勝利する」ことを考えると、チーム構成はさらに難しくなります。外からは見えないリーダーシップやチームの雰囲気はどういう方向で作っていくのか。こちらもサッグスがリーダータイプだと思われていただけに、大人しくチームの中に溶け込むことを目指した雰囲気は予想外だね。

いろんな予想外があったけど、これらが良い方向に回るのか、それとももう少し停滞することを目指すのか。先の事なんて、誰もわかんないね。

さようならマジック” への4件のフィードバック

  1. フランツもしくはフルツはチームを勝たせられる選手になれそうですか
    2人とも周りも巻き込みつつ個人でも点が取れると思うんですが

  2. 希望にあふれたチームですが、ハリスなり、オキキなり構成次第で、堅守が成り立つのに、記事の通りガード、ウィングが点取優先でタンクしててモヤっとしてしまいます。
    マジック=ディフェンスのチームのイメージを取り戻してほしいし、優秀なベテラン勢が勿体無い。
    アイザックが戻ってからが本番ですが、再建は核となる選手次第と思うので、来年に再度期待したいですね。

    1. いまいち「核」がいないのがマジックのつらさでもありますね。
      有望株はいっぱいだけど、いまのところ旗振り役がコール・アンソニーとワグナーなので、やっぱりサッグスかフルツに出てきて欲しい。
      こういうのは難しいですね。

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