シクサーズvsネッツ

2022/3/10

大型トレードからの直接対決です。ところでハーデンってなんでそこまでトレードされたかったんだろうね。ビッグ3にしたネッツでは勝てないと自ら言い放ったようなもんで、でもシクサーズなら優勝できるってのは、なかなか意味の分からない理論じゃん。

同時にハーデンがいなくなったことでビッグ3が解消され、バランスが良くなったネッツ。やっぱり他の選手のサラリーを圧迫するビッグ3って駄目だよね。しかもハンドラータイプばかりだとなお悪い。そんなことを示すというか、セスとドラモンドがいることで従来とは違うネッツ感。しかも今日はデュラントがいるので、ますますハーデンがネッツを見限った意味が分からない展開になります。

◎エンビードとドラモンド

試合開始から4連続で決めるデュラント。たいていのことはデュラントがいれば何とかなる。ケガさえなければ史上最高の選手として君臨したかもしれない史上最高のオフェンスマシーン。ってことで、シューターとしてのセスがストレッチ役にもなるし、オフェンスの流れが良いネッツのスタートです。

問題はディフェンスですが、何故かハーデンにカイリー。ここでボコられそうなのに、序盤はエンビードに任せるハーデン。弱気。そのエンビードにはドラモンドなので、そんな楽ではありません。豪快なブロックもぶちかまし、例によってファールコールが多いことを除けばシクサーズの狙いは機能していないよ。

従来ならネッツ相手にエンビード推しは正解だったけど、ドラちゃんゆずったからなぁ。なお、ドラちゃんはエンビードが苦手なので、ネッツファンも期待しすぎてはいけない。

タイムアウトからシクサーズはハーデン中心に切り替えます。ここでカイリーとドラちゃんをスイッチさせればイージーじゃん。ってことで、エンビードも楽になるわけだ。なお、ドラちゃんはハーデンを守るのは得意だからシクサーズファンも期待しすぎてはいけない。

盛り返しそうな展開だったのですが、何故かワンマントランジションで3P打ってエアボールのマキシーが、責任を感じたのかカイリーに対して前に出すぎてファール。そんでもってセスにはミドルにドライブフローターを決められ、早々に二桁ビハインドになります。

ちなみにセスはサイブルをマークしており、シクサーズ的にはここも狙い所だったはず。やる気が足りんぞサイブル。ブルースにマークされているマキシーだったし、相手を見ていないリバーススタイルでやられてしまいました。ちがうね。やってしまいました。

タイムアウトで選んだのは、またエンビードvsドラモンド。いやいやそれは・・・と思ったら、ドラちゃんはエンビードが振り向きざまにファールしちゃう。なにしてんだドラモンド。そういうことするから勝てないんだぜ。無駄なファールで信頼できないドラちゃん。

さらに3Pラインの外から仕掛けたエンビードにファールして&ワン、しかも足を痛めるドラちゃん。冷ややかな目で見ているデュラント。1Qから何してんだよ。交代で出てきたクラクストンの方がパワーではなくスピードで守ろうとしているし、フェイクに余計なアクションをせず、ファールドローできなかったエンビード。さらにミドルは諦める対応でシュートミス。

さらにもう1人のドラちゃん、ドラギッチが出てくると見事なドライブからブルースのゴール下をアシストし、デュラントのミドルで再び二桁点差に。戻ってきたカイリーの3Pもしっかり決まり、またエンビードと交代でジョーダンがはいるとゴール下ががら空きになってジェームス・ジョンソンのダンク。そして最後はジェームス・ジョンソンがハーデンをブロックし、カウンターからカイリーの3Pでネッツが40-23とリードして終わります。

〇1Qのエンビード
16点
FT10/13

なんじゃこりゃ。ドラちゃんがバカだったのと、エンビードが頑張ったのと。前者はいいとして、後者は早々に怪しい匂いがしています。既に疲れ始めているようなエンビード。途中からクラクストンを押し込めなくなっていたもんね。まぁいろいろとやっちまった感じのするシクサーズの1Qでした。

あんまり触れていないけど、デュラントとカイリーに対してのディフェンスにもプランがなかったよ。「エンビード入るからなんとかなる」という過信ディフェンスが、外から決めてくる2人+セスに対処できていなかった。

◎クラクストン

ハーデンがネッツを出ていきたかった理由の一つにナッシュの存在もありそうだよね。大抵のことはベンチからジェフ・グリーンを使う事と、ブルースの万能性でどうにかしていた昨シーズン。それがなくて厳しいし、何故か干しちゃう癖があるし、難しいけど、今は選手層があるからどうにかなっているのかな。

クラクストンが見事かスティールをし、速攻に走って&ワン。さらにハーデンのドライブをブロック。さらにショットクロック間際になってボールを離さなかったミルトンにダブルチームを仕掛けてミスショット誘発。目立っているスピード系センターに、カイリーのミドルで20点差になります。

ここでハーデンはやっとトバイアスを使います。ハーデン加入後に浮きまくっているトバイアス。しっかりと決めはしたけど、ここもやっぱりジェームス・ジョンソン相手に仕掛けており、カイリーを狙うとか、ドラギッチを押し込むとか、何もないんだよね。でも3P決めるトバイアス。

ネッツのディフェンスはハーデンをターゲットに設定していて、とにかくハーデンにだけは分厚い対応をしています。その成果もあって初めのFG10本のうち1本しか決められないハーデン。そういう時に見事にボールを散らすのがハーデンと思いきや、プレーオフみたいにチームメイトを信じられなくなる方のハーデンになってしまっているよ。

調子に乗ったのかナッシュはカイリー、ミルズ、セス、ドラギッチ、デュラントなんてふざけたラインナップにしてきたので、どうなる事かと思ったら、そのタイミングでエンビードを戻すことにしたので、クラクストンが帰ってきてしまった。そしてデュラントへの警戒をするシクサーズに対して、パスを振ってクラクストンが連続でレイアップ。

ってことで、ハーデンのゲームメイクが惨敗している中、クラクストンでリードしていくネッツ。まさかの展開のようでいて、前半は主役以外が輝く方がベターというのも王道だしさ。

〇前半のブロック
クラクストン 2
Jジョンソン 4

同時にこの2人でハーデンを止めまくったのが大きかった。うーん、主役をわき役が止めたんだから、そりゃあネッツの方が機能するさ。さらに良かったのはエンビードに対してファールしなかったこと。ドラちゃんよりも良かったね。

疲れたのか、ファールコールがないとヤル気が出ないのか、3Pラインの外にばかりいたエンビード。すると逆にデュラントのトランジションにファールして&ワン。「よく戻った」のは事実なんだけど、その前に「戻れる位置にいた」んだよね。

さらにデュラントからボールを繋ぎ、最後は逆サイドのコーナーにいたカイリーがワイドオープンになって3P。うん、なんでカイリー空けてるんだろ。ちょっとボロボロのシクサーズに対して、チームで対抗できているネッツ。デュラントとカイリーが決めまくっているのは事実だけど、個人技マックスではないから、そりゃあ決めるよ。

ハーデンが3Pを返すも、今度はカイリー⇒デュラント⇒セスでワイドオープン3P。そりゃあセスは外さないだろ。サイブルとニヤングでやっとデュラントにミスショットさせたと思ったらリバウンドをジェームス・ジョンソンに押し込まれる。

最後にトランジションのエンビードからドラギッチがチャージドローするオマケつきで、72-51とネッツが圧倒した前半でした。ネッツがこのバスケを日常的にしていたら、今の勝率はないわな。

◎ダラダラ

シクサーズってディフェンスのチームだけど、あまり逆転勝利するイメージがないんだよね。その理由はディフェンスは強いけど「待ちのディフェンス」だし、穴もあるから、リードしている方が比較的余裕をもって対処しやすいこと。これがリードしていないと、どうしても焦ってしまうけどさ。そんなことも含めて、点差もあるから、もう少し俯瞰的に観ていきましょう。

ネッツのオフェンスは、もともとがノービッグだったこともあって、コートに大きく広がります。ドラモンド加入でインサイドのプレーメイカータイプが加わった上でリバウンドも強いことは、スペースオフェンスには有効ですが、代わりに自分は外に広がらないからエンビードがインサイドで待ち構えてしまうね。これがクラクストンの方が良かった理由だ。

後半はドラモンドだけど、そりゃあ点差もあるし、慌てる必要がない。慌てるっていうかファールする必要がない。オフェンスも急いで攻めずに、一回カイリーかデュラントに持たせよう。そこにスクリーンに行けばエンビードを引き出すことに繋がるけど、ちゃんとついてこないエンビードなので、外から打つなり、ドライブするなり、ってことでドラモンドのスクリーンからカイリーのドライブにセスのミドルです。

互角の展開なら、このシュートが決まらないと他の手段に移行できなくて苦しい時もあるけど、リードしているなら外れても気にしすぎることもない。しかもネッツは決まりまくる。ドラモンドはゴール下すら外すけど、かわりにブルースがセカンドチャンスのドライブ決めてくれたし。

一方でシクサーズもエンビードにトバイアスと3Pを決めていきます。しかし、それらは悪い意味でアウトサイド頼み。もうエンビードにムリについてこないドラモンドなので、打たせているともいえる。1Qみたいにインサイドに押し込まれる方が嫌だろうけど、この形ならリバウンドキープできるから大ケガはしないぜ。

〇3Qのシクサーズ
3P5/10
2P1/9
1オフェンスリバウンド

そんなわけで3Pは決まりまくったのに、2Pのないオフェンスになった3Qのシクサーズ。ロングリバウンドも抑えられず、トバイアスが1本奪ってくれたのみ。エンビードのフリースローはゼロ。

質が悪かったのは、3P決まりまくった後でネッツのディフェンスはプレスラインをあげて、ブルースがハンドオフを奪い、セスがパスを奪い、それぞれ速攻に結びつけました。ってことはインサイド側が薄くなっているので、そこを使えばよかったのに対処できなかったわけだ。

ちなみに唯一きまった2Pは、ゴール下で待っていたサイブルにハーデンからパスが来てのダンク。ぽっかりと空いていたわけです。

あまりの負け方にフィリーのファンからブーイング。これに関してはブーイングしてもいい内容だよ。だって、全然ファイトしないんだもん。ダラダラと時間を過ごしていった感じ。

◎相性もあるかな

ハーデン加入でゲームメイクできるようになったシクサーズですが、今日は全くダメダメ。それはハーデンが悪いよね。だって、シクサーズはそもそも出来ないチームであり、個人で何とかするしかないんだもん・・・というのは置いといて、加入からできていたことでネッツ相手には出来なかった。

シンプルに言えばネッツはあまりヘルプを用意せず、マンマーク対応にしておいて、個人で仕掛けさせました。ここで抜けなかったハーデンの責任の気がしますが、言い換えれば「ハーデンの守り方」をチームメイト達は知っていたのかもね。

もしもロケッツ時代のようにステップバックしまくれば、それは止められなかったはずです。でも、シクサーズのチームメイトはそれに耐えられるかな。具体的に言えばタッカーやカペラみたいにハードワークで支えるって事だ。エンビード筆頭に難しそうだよね。

だからやっぱり「ネッツはハーデンを知っていた」のが、この試合最大のポイントな気がします。仕事出来なかったハーデン。出来ない形に追い込まれたかのようでした。

攻守を逆にした時にネッツのカイリー、セス、ドラギッチ、ミルズと並んでいるのはエンビード対策として有効です。昔みたいに疲れまくっているエンビードがクソみたいなプレーをしていたことも関係しているけど、それを除いてもシンプルなピック&ロールでビッグマンを引き出し、スピードでフィニッシュできるネッツの構成はシクサーズの泣き所。

これをサイブルとシモンズ中心のスモール対抗で解決する方法もあったけど、今は昔。今日はダニー・グリーンがいないので、もう一手はあるけれど、いかにもエンビードの泣き所を使われた感じの試合でした。それって明らかに相性が悪いんだよね。

そんなわけでハーデンが働かない限り、この両チームがプレーオフで当たったらネッツが勝ちます。

あと違うポイントは「ドラモンドがファールしない事」なんだけど、後半はファールしないから守れているね。そしてさらに違う要素として「シモンズが復帰しない事」ってのもある。ここにシモンズが加わってしまうと相性の良さを生かしきれないかもね。

ということで、ハーデンが酷い試合でした。でも、そもそもゲームメイク力に欠けるシクサーズなので、この問題についてはハーデンにオールベットです。シンプルにハーデンアタックからエンビードへパスをつなぐのが一番怖いんだけど、その怖さは1回しかなかった試合でした。見事に封じ込んだネッツなのかどうか、プレーオフで対戦して実証してほしいね。


シクサーズvsネッツ” への2件のフィードバック

  1. ハーデンちゃん。いつも新チーム、新メンバーの最初はいいんです。気づいたら関係が悪化してます。
    なぜでしょう?
    ロケッツ時代もそうでしたね。強力デュオ結成!気づいたら関係悪化。
    なぜでしょう?

    そう考えると、ウォリアーズのクレイ・トンプソンってやっぱすごい。ボールあんま触らなくても点取れる。DFでも貢献できる。オフボールの動きも豊富。なんなら1対1も仕掛けれる。

    実力ある選手がエゴを捨てたり、ハードワークするってなかなかできないことなのね…
    でも選手としてのエゴがあるからこそあれだけの力を身につけれるのよね…その矛盾…そしてバランス…

    なんか哲学チックな考えになってきました(笑)

  2. 今日は結束力の差が出たように思います。
    KDの離脱とカイリーのワクチン嫌い(過去に膝の手術で細菌感染し、再手術した時以来の不信感)でバーデン一人で支えていた時は、トレード後にブルースが即座に安堵のインスタする位ロッカールームの雰囲気が悪かったらしく、KDも、遠征同行してないから雰囲気の悪化具合に気付かなかったと詫びた位。
    だから表向きベンのために団結したと強調しながらも、自分たちを見限ったハーデンのビッグゲーム恐怖症や欠点をつき、前半はカイリーまでフルコートの勢いで嫌がらせのように貼り付いてました(普段はテクもないし足が最後まで持たないのでやらない)スローでみるとチームで来られてハーデンの嫌そうな表情があちこち見えます。
    トレードで76’sに心を傷つけられたと公言した、温和なセスの敵ベンチ前ディスプレイまで出て、ベンの無断欠勤時の違和感を忘れて寄り添うドラとセスに、用心棒のようにベンから離れない同郷のミルズ。こんなに団結すれば勝ちますよね。
    次はこうは行かないでしょうが、ネッツの結束に寄与してくれたハーデンは表裏ともに立役者でしょう。
    ちなみにハーデンがチクチク言ったナッシュのフレキシブルメンツ好きや、カイリーのオフコートのイカれ具合や強固に両者の肩を持つKDに辟易したハーデンは、個人的には一番の常識人に見えます。笑

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