バックスvsサンズ

2022/3/6

最近も観た気がするファイナルの再現カード。ファイナルではサンズが連勝したものの、ゲーム3になるとクリス・ポールとエイトンのラインを封じ込められるようになり、クリス・ポールのミドルが急激に苦しくなっていきました。これがあって互角になるバックスというイメージでしたが、その立役者であるブルックがいなかった前回の対戦では、普通にやられていた印象です。

さらにファイナルでバックスが4連勝したのはヤニスがショートレンジを決めまくったことでした。これで勝った感じですが、こちらも普通に外しまくっていたのが前回の対戦です。そうなってくるとサンズの方が強いわな。リーグトップのサンズ。

でも、今日はクリス・ポールもブッカーもいません。なんだつまんなそうだな。でも、選手がいなくても強いのがサンズ。

◎ヤニス劇場

試合はヤニス劇場で始まります。1人でスペシャルな突破をすればエイトンを吹っ飛ばしてダンク。グレイソン・アレンがエイトンが取れない高さにロブをすればヤニスが押し込む。そしてエイトンのパスを奪い取っての速攻ダンク。暴れまくるヤニスに手も足も出ないサンズは5分でタイムアウトです。

ところが、この時で15-15の同点。アンフェアなくらい3Pが決まりまくっていたサンズ。初めはエイトンの3Pだったので、今日の狙いをハッキリと打ち出して成功し、そこからペインとシャメットがアウトサイドアタック。引き出したところでクラウダーがドライブ&ワン。

シュートが決まりすぎただけで圧倒的なバックスペースというか、ヤニスペースでしたが、それでも大事なシュートを落とさないサンズらしさで対抗していきました。

そしてベンチメンバーが増えて苦しそうなサンズと、ヤニスがいないバックスというコートになると、リードしたのはサンズ。おなじみの新加入クレイグの3Pでリードしているよ。殆どドライブしていないんだけど、バックスのインサイド優先な考え方もあって打っているし、攻略しているともいえるサンズのオフェンス。

そして両エース不在のガードで目立っているベンチメンバーがいるなぁ、と思ったらウィザーズに譲ってもらったアーロン・ホリデーです。ネトとイシュより絶対に良い選手だと思うけど、それを示すようなプレーぶりでサンズのオフェンスを引っ張ります。

一方のバックスは他チームの補強によって、あぶれた選手で見事に補強している今日この頃。足りなかったホリデーの代役ディフェンダーとして、元サンズのジャボン・カーターがプレッシャーをかけ、ベンブリーと合わせて突如として層が厚くなったよ。インサイドでは優勝しにクリッパーズに行ったはずが、優勝しにバックスに来たイバカのショートレンジです。イバカの動きは悪かった今シーズンなのに、こんなにスムーズに決めるのかよ。

ベンブリーとクレイグは通常営業ですが、他の選手はテンションアップって感じだよね。試合に出れない状況もあった中で、強豪チームのピースとしてプレーする機会を与えられ、モチベーションで戦っている。そんなわけで、なんだか別のチームみたいになっているセカンドユニットの戦いは互角か、ややサンズリード。でも、最後にヤニスが出てきてトランジションアタックを決めたので互角な1Qでした。

◎エース・エイトン

2Q初めのプレーで、それまで自由にしていたヤニスをビヨンボが止めます。緊急事態だからかマギーと同時起用なので、それがインサイドを厚くすることに。さらにポーティスのポストアップはクレイグが止め、3Pファールをもらったシャメットのフリースローでサンズのリードが9点になります。

さて、問題はマギーのところで必ずスピードのミスマッチが出来ているのに、相変わらずのストロングアタックをしていたバックスオフェンスです。ポーティスはクレイグ相手にコーナー3Pでミスするでしょ。相手を見ていないで攻めている。

ところがサンズの方もオフェンスが上手くいくユニットではないので、カウンターアタックでどうにかしてしまうバックス。なんだその不条理。サンズはニックス戦で劇的ブザービーターで勝利の立役者になったカム・ジョンソンもいないから、ウイングも足りなくなってきたじゃん。

するとタイムアウトで即座にビヨンボもマギーも下げて、ペインとエイトンで構築していくモンティ・ウィリアムス。負ける気はないぜ。これが見事なまでに連続得点しちゃうから怖いぜサンズ。エイトンのハイポストからのフローターとか、簡単なシュートじゃないのに決めちゃうんだよね。

そしてミカルのパスアウトからシャメットの3Pで10点差。アッサリ過ぎるだろ。ストロングスタイルなバックスと違って、柔軟に形を変えて攻略しているのは確かだけど、それにしても決まりすぎ。なんでそんなに決まってしまうのか。

エースとして張り切っているエイトンはミドルもヒット。イバカがついてこないので外で自由なエイトンは、サンズのオフェンスが困ったときの解決策にもなっています。ディフェンスもゾーンの真ん中から、しっかりと外まで追いかけて、3Pチェックに励むエイトン。ただ、デメリットもあってちょっとリバウンドへの参加数が減ってしまい、そこをヤニスの押し込みに利用されてしまいます。これはカバーできないチームメイトが悪いのか、マジメに頑張るエイトンが悪いのか。

それでも、このマジメさで簡単に逆転されるはずはないよね。次第にプレッシャーを強めてきたバックスディフェンスだったので、エイトンがゴール下にダイブする回数が増え、されにハイポストで受けると3人の間を抜けるようにレイアップ。最後にヌワバとミドルトンの3Pで追い上げられたものの、エイトンがエースとして63-60とリードをもたらしたといってよい前半でした。

マックス契約?、いや、それはちょっと。

◎ヤニス最強説

ヤニスに頼りすぎなストロングスタイルなバックスと、持っている武器を使い果たした気もするサンズ。後半に失速するのはどっちでしょうか。というか、ヤニス以外が働けばよいバックスと、エイトンがどこまで戦えるかのサンズ。

バックスは前半と異なり、ハーフコートオフェンスで大人しくシューターポジションにいるヤニスと、ドライブで崩していくアレンとミドルトンという立ち上がり。何故か、ブーデンがテクニカルを食らうシーンもありましたが、思ったよりも適切な入り方をしました。

サンズは後半もエイトンのロングフローターが決まると、今度はゴール下にダイブするエイトンに2人がついていってしまい、空いたクラウダーのミドル。エースしているエイトン。

ちょっと大人しくなったヤニスですが、その方が怖い面もあって、オフェンスへの参加が減ったことでパワーをディフェンスに注いできます。そもそもヤニスがドライブせずにトップにいると、サンズはカウンターアタックで決めきるのが困難。しかもハリーバックしてゾーン気味にゴール下を守っており、ハーフコートでもインサイドアタックが難しくなります。

本当のヤニス最強説ってこっちだと思うんだよな。オフェンス参加しない方が怖い。しかもディフェンスからカウンターさせたら止めようがないから、普通に点も取るんだもん。

それでもヤニスの上からショートレンジを決めていくエイトン。ヤニスのマークなのに、この確率はエグイ。クリス・ポールがいたら押し込みしているだけだけど、いないとシュートの上手さを発揮している。っていうか、エイトンってそういうところで日和ってシュートせずにパスアウトしていたのに、エースの自覚なのか、アグレッシブに決めていくぜ。

ミドルトンが3Pを決めるとミカルも3Pでアンサー。本日目立っていないセカンドスコアラーの時間かな。ミカルがどこまでついていけるのか。と、思ったけどそんなにミカルにボールは回ってこず、アーロンとペインがドライブにプルアップ3Pで攻めていきます。エイトンは下がってビヨンボが出ているよ。さすがにマギーとは並べない。

バックスはヌワバがパスアウト3Pを決められず苦しむも、イバカがプットバック&ワン。なかなか追いつけなかったけど、やっとヌワバがドライブを決めて同点。でも、それをミカルがミドルで突き放すと、ペインもフローターをバンクで追撃。うーん、両エースがいないのに、何も関係ないよね。オンボール担当とオフボール担当がはっきり分かれってのはいいけど、このオンボール担当達で互角に戦えるのか。

残り1分。ヤニスが交代で待っていたけど、なかなか交代のチャンスがなく。それでもクレイグのミスから走ったヌワバがアーロンのファールを受けながらレイアップ&ワンで逆転して3Qが終わります。91ー90。まぁこの状態で4Qに入った時点でサンズは立派に頑張った。

◎失速しない

今度はビヨンボを使わずマギーにしたモンティ。それとは関係なくヤニスがペインにチャージングして4つ目。クラウダーの3Pでサンズが逆転します。前半のオフェンスに問題があるユニットにせず、しっかりとスペースを作って3Pです。ミカルのキックアウトからペインも3P。クラウダーのパスからミカルも3Pで5点リードに。またも3P攻勢。論理的に崩してはいるけど、そこまで決まるかね。

これに対してバックスは空けられるヤニスのアウトサイド、強引な個人の仕掛けからタフショット、そしてディフェンスを頑張ってのトランジションアタックというバックスらしさで対抗していきます。ところが残り7分40秒でリバウンド争いのヤニスがファールコールされ5つ目。ベンチに下がることになってしまった。

ヤニスがいなくなった途端にミドルトンとホリデーの3P。そのホリデーは終始ペインにハイプレッシャーなんだけど、微動だにしてくれないペイン。ファールコールが増えてしまうと少し前に出るのが難しくなり、そしてペインのドライブからエイトンへアリウープ。同じくツーメンゲームでエイトンのフローター。今シーズン調子悪かったペインだけど、見事なプレーぶり。

ただ、バックスもホリデーとミドルトンがまたも連続3Pで同点に。カナートンもいないし、マシューズもいないんだけど、ビッグ3がいれば関係ないか。またもホリデーがプットバック3P。この試合の確率差を清算しに行く4Q。

主力が長く出ている両チームですが、ヤニスがいなくなることで違いが出ているバックスに対して、ちょっと苦しそうなサンズ。それでもミカルが強引なドライブを決めて対抗します。クラウダーも3Pで続き、接戦は終わらない。ハイスコアリングゲームだな。予想に反して失速しなかった両チームです。

残り3分、ミカルのキックアウトからクラウダーの3Pでサンズが1点リードに。終盤になってミカルのチームになってきた。

バックスはヤニスのオフェンスリバウンドからヌワバがドライブ。さらにペインのドライブを引っかけてターンオーバーを誘発のヌワバ。ベンブリーとジャボンに出番を譲らなかった。ホリデーのファールドローで3点リードに。

ペインのドライブはヤニスが後ろから変態ブロック。そのヤニスはクラウダーのディフェンスの阻まれてしまますが、オフェンスリバウンドでチャンスを作り、エイトンに強引につっかけてファールドロー。エイトンも無駄なファールしてしまった。まぁフリースローは1本しか決まらないので、残り1分45秒4点差。ツーポゼッションリードは初めてな気がする。

ここでミカルがエイトンへのロブパスをミス。やっと若手らしい焦りのミスをしたミカル。ディフェンスに囲まれているエイトンを無理に狙ってしまったよ。非常に珍しいな。ミドルトンのフリースローで6点差へと広がってしまいました。

タイムアウトのサンズはシャメットにワイドオープン3Pを打たせますが、ここにきて決まらず。どうもシャメットだけはサンズが持つ勝負強さを会得できていないようで、ここでゲームオーバーでした。よく頑張ったけどね。

〇サンズ
FG54%
3P45%
アシスト 33

30点のエイトンを筆頭に両エース不在を感じさせない見事なオフェンスでした。33を記録したアシストはペイン8、クラウダー7、ミカル6とバランスも良く、これならクリス・ポールいらないんじゃないかってくらいだったね。ただ終盤に頼るべきエースの差が響いてオフェンス勝負に勝ち切れなかっただけ。

〇オフェンスリバウンド
サンズ 6
バックス 14

ガードがいなかった試合で問題になったのがリバウンドっていう変な試合でもありました。これはガードがいない事で、そこに強い選手を並べることが出来なかったともいえます。主力を長く起用しないとオフェンスが保てなかったね。またミカルがディフェンスの仕事に集中できなかったとも言えます。

〇ヤニス
前半 17点
後半  2点

ヤニス劇場で始まった試合でしたが、後半はヤニスをシャットアウトしたサンズ。そこはポジティブだけど、バックスにとってはそっちの方がバランスよかったね。ヤニス一辺倒の匂いが強かったんだけど、後半になるとヤニスにパスを出さずに決めていくミドルトンとホリデーでした。ついでにヌワバも。

また、そこにはサンズの逆でポーティスを下げてヌワバに出来たバックスの事情もあります。バックスの方が(失点しまくったけど)ディフェンスでは相手に合わせることが出来ました。オフェンスはストロングスタイルだけど、ディフェンスは・・・ヤニスがいるからどうにでもできるっていうね。

なので、得点に反して後半もヤニスは働いていました。ファールが多かっただけで。

〇ミドルトン
44点
3P5/9
2P11/18

逆に後半に困ったのは27点のミドルトンを止められなかったこと。後半は3P3/4のミドルトンに3/3のホリデーにこじ開けられてしまった感じです。言い換えればそこにディフェンスをぶつけられなかったわけだ。本来はホリデーにミカルなはずだけど、ミドルトン担当にして失敗していた。

ところで、サンズはクレイグもいるんだから、対策は出来たはず。しなかったのか、オフェンスを考えるとムリだったのか。カム・ジョンソン不在もあったけど、そこはシャメットとブッカー、ペインとクリス・ポールのディフェンスの差でもあるね。意外と両エース不在がディフェンスで効いてしまった。

なかなか面白い試合でしたが、果たして再戦はあるのか。エイトンとミカルの成長分だけサンズにアドバンテージが出そうですが、ヤニスを止められないパターンと、それ以上に後半のようにヤニスがディフェンス側で働いてくると非常に厳しいね。オフェンスの戦いになった試合だけど、勝負を分けたのはディフェンスだったのでした。

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