ニックスvsシクサーズ

2022/2/27

ハーデンが加わったシクサーズ。エンビードに何故かMVPコールをするニューヨークでの戦いです。そのMVPコールの次はファンが怒ったのか大ブーイング。ニューヨークのファンは昨シーズンを考えるとシクサーズよりも上に行けると思っていたかもしれないね。割と柔軟で選手任せなリバースと、かなり厳格で選手任せなシボドーってイメージですが、変化に強いのは圧倒的に前者です。

◎ハーデン

ハーデンから触れる必要があるわけですが、スターターにサイブルとマキシーを並べており、セス時代よりもガッチリした組み合わせになりました。よりスローダウンする必要性も感じつつ、ディフェンス中心の戦いでハーデンが仕留めるオフェンスになれば一気に浮上しそうです。

しかし、ニックスもフィジカルなチームなので、ミッチェル・ロビンソンがエンボードの上からプットバック&ワン。バレットのドライブにサイブルがファール。そこまでイージーにはならない立ち上がりですが、ボールを奪うとハーデン、サイブル、マキシーがスタートを切っており、なかなか強烈にカウンターアタックをしています。走らないハーデンが張り切っている感じが強いぜ。

フォーニエがドライブを決めると、エンドラインからのパスを貰ったハーデンがワンパスでサイブルの速攻にもなっており、これまでいなかったPG感を出しまくり、サイブルとマキシーがサポートキャストとして生き生きしています。サイブルはともかく、マキシーの方はハンドラー仕事でやりすぎていたわけですが、そういえばPGと組むことがなかったから、わかりやすく役割変化しているね。

この変化にエンビードも乗っかって走っています。エンビードが走るとスタミナ切れするのですが、そこは今シーズンの進化でもあって、シェイプされているから、細かい切り返しが早くなっており、スタミナロスも少なそう。ってことで、序盤はカウンターのシクサーズという空気を出しています。

まるでシモンズ時代を思い起こすような展開になるという皮肉。その皮肉は5分で20点というハイペースに繋がりました。

ハーデンがベンチに下がると、わかりやすくエンビードがボールを持つ機会が増え、そしてオフェンスはペースダウンします。フィジカル対応のニックスにエンビードは苦労しており、相手のシムズでも囲まれて対処されてしまいました。一気にニックスペースになっていく1Q。

するとマキシーがクソみたいなタフショットを打って決め、ニヤングが3Pで続くので、そこそこ点は取れたものの、クイックリーに3P&ワンを返されます。いずれにしてもハーフコートのやりあいは、ニックスのプレッシャーを受けやすく、MSGなので過度なファールコールも期待してはいけない。

今度はエンビード⇒ハーデンになると、オフボールで動く選手にパスを回していき、プレスを許さないパスワークが出てきます。昨日の日本代表に見せたいくらい。こうやってプレスをかわすんだぜっていうお手本ハーデン。ところが珍しく単なるハンドルミスでターンオーバーするハーデン。

そしてシムズのオフェンスリバウンドからフォーニエの3P。ミルサップのシュートミスからカウンターのバレットで逆転されます。すぐにハーデン3Pで再逆転したけど、またもシムズにオフェンスリバウンドを取られてしまう。そしてトッピンのダンク。

シクサーズはこれまでエンビードの控えにドラモンドがいて、トバイアスやニヤングのPFも揃えていたので、実はリバウンドは「任せておけばOK」みたいな空気もあったね。っていうか、エンビードもドラモンドもあまり動かずにゴール下にいるから、なんだかんだと取れた。でも、ミルサップになって、チェイスはするけど高さでは取れない。

そしてミルサップの上からバレットのフローター。単なるディフェンス力の差ではなく、シクサーズが気にする必要がなかった戦術的変化で困ったディフェンスでした。まぁ最後はハーデンがプルアップ3Pでリードにして終わったけど。エグイなハーデン。ネッツではここまでえぐくなかったぞ。

◎ファール

2Qも引き続きハーデンですが、何故か足が動かなくなるチームメイト。そこでスティールからレディッシュが決めて、なんだか逆にニックス側がカウンターのチームになってきます。

ハーフコートになると個人技主導のニックスは、レディッシュやクイックリーの勝負になりますが、その相手がハーデンだとそのうち負けるとしか思えん。これが今シーズンのニックスが抱える問題点で、ディフェンスでストップできていないから、効率の悪いオフェンスでは勝ち切れない。

そう思っていたら決まらないトバイアスに対して、タフなスピンムーブを決め、正面から飛び込めばファールドローのレディッシュで反撃します。うーん、マジでこれならザイオンを狙おうぜ。バレット以外の全てを対価にしても、個人アタックでどうにかするスターを集めよう。

ムリヤリのドライブでファールドローするバレット。レディッシュもコーナーからのドライブを決めるし、鮮やかなパスはないけど、力強いアタックの若手コンビで形を作っていきます。ところがバレットが下がると流れが止まります。それがランドルがさぁ・・・だけならともかく、バークスがプレッシャーを受けてミスしてしまうから、ランドルに渡る前で終わってしまう。

要するにハンドラー頼みであり、PG不足の匂いがしてきました。バレットよりもクイックリーが下がったのが痛いのかもね。ローズが帰ってこないと、どうにもならない空気を出してしまいます。ローズってそんなに良かったっけ?

ミッチェル・ロビンソンはエンビード相手にファイトしまくるのですが、止めたと思ったら余計なファールして止めきれず。ガマンしていればエンビードがイライラしそうなくらい守っているのに勿体ない。そしてオフェンス面ではゴール下にいるので、エンビードがペイント内を守りまくり。次第にドライブしにくくなっていき、外からフォーニエやレディッシュが決めるくらいになります。

ここがノエルだったら、ちょっと違ったねぇ。ギブソンでもいいけどね。それが昨シーズンとの大きな違いにみえる。あとファールしないで守る分だけシムズの方が良い。前半だけで10リバウンドのシムズ。

〇前半のエンビード
FG4/9
FT12/15

仮にシュートを打たれたとしても、ファールするよりマシな気がする。それもミッチェル・ロビンソンは押し込まれずに戦えるわけで、追い込んだのにファールしちゃうのがムダすぎた。

フォーニエがコーナー3Pを決め、ランドルはインサイドで押し込み、なんとかオフェンスで対抗した前半でしたが65-56と9点ビハインドで終わりました。ハーデンの10アシストに困らされたのは事実だけど、遅れてファールするのが最悪だったね。ファールしないキャブスを見習え。

◎反省?

凡ミスパスを拾ったバレットの速攻を、ドリブルコースを読んだハーデンがスティールで奪い返します。速攻ディフェンスが異常に上手いハーデン。そしてバレットのファールドロー狙いのフェイクを読んで、手を下げてミスショットをさせる。でも、そこからトバイアスの速攻はバークスがブロック。お互いに守って始まった後半。

なお、バークスはファールしていたのでクレームしたトバイアスがテクニカル。フォーニエのステップバック3Pもあって点差が縮まります。

エンビードとハーデンがハンドオフすると、一息ついたのか、エンビードを追いかけなかったミッチェル・ロビンソン。ロブパスダンクを食らいます。さらにドライブしてきたエンビードに対してコースを止めると、外に逃げる雰囲気になったエンビードのドリブルに後ろから触ってファール。前半の時点でファールトラブルだったのに、何してんのかわからんミッチェル・ロビンソン。

そしてミッチェル・ロビンソンだけでなく、ローテがすこぶる悪いランドル。悪いっていうか突っ立っている。フォーニエやバレットはフォローしているけど追いつかない。ひょっとしたら、これまでのシクサーズならば、そこまでスキを突けなかったかもしれないけどハーデンがいるので、目を離すとパスを通されてしまいます。実際、ハーデンが下がると途端にローテの悪さは目立たなくなるし。

シモンズがルーキー時代よりも悪くなっていった理由が「ショートレンジを打たなくなった」ことでした。ルーキー時代はハイポストくらいから打っていたのに、次第に打たなくなったんだよ。それはミドルレンジの攻略と同じでディフェンスを引き出せないことに繋がっています。だからエンビードとのコンビは機能しなかった。3Pではない。

ハーデンがドライブすると、全員がハーデンを見なければいけないし、ミドルもショートレンジも打ってくるから前に出たい。そこで裏のスペースを使わせればいいわけだ。これまで殆ど使っていなかったエンビードが、この試合だけでもロブパスに飛び込んでいるのは、ハーデンとシモンズの違いにも見えるね。

そんなわけでボロボロのニックスですが、オフェンスはフォーニエが外から決めてどうにかします。サイブルさえいなければ、アウトサイドのプレッシャーが緩くなりがちのシクサーズディフェンスなので、フォーニエが狙いたいスペースがある。

そしてシュートを決めた後で、ピック&ロールからエンビードを惹きつけ、ロブパスを出すも押し込めなかったミッチェル・ロビンソン。ディフェンスはローポストにいるエンビードのフェイクに引っかかってファール。何してんだろ。マジで。

後半4分半のプレータイムで3ファールして退場したミッチェル・ロビンソン。これならシムズの方が遥かにいいぜ・・・って思ったら、こちらも後半8分のプレーで3ファールして退場。早くノエルが帰ってきて欲しい・・・ランドルのうっかりもノエルが相当フォローしていたんだろうね。

3Qのシクサーズは3P7本全てミスしており、良い内容とは言えませんでした。噛み合っていなかった。ところがニックス側のディフェンスがかなり助けてくれており、フリースローを11本ゲットです。

ニックスは14本のフリースローを手に入れましたが、こちらは自分たちのアグレッシブなアタックで手に入れたもの。そしてバレットが速攻を決めた後のスローインをスティールし、1点差に追い上げます。うん、内容はニックスの方が良かったぜ。

それでも残り25秒にハーデンがゴール下を押し込み。バレットとクイックリーがノーファールでしっかり守ったけど、ハーデンが強かった。それはもう仕方がないじゃん。そういうディフェンスを繰り返して欲しいよね。ガマンできないのかね。

1点ビハインドで終わりそうだった3Qですが、シボドーがラインクロスの判定にクレームしてテクニカル。ガマンできないのかね。単なるクレームならテクニカルにはならないから、それなりのことを言ったんでしょ。93-91と追い上げたニックスですが、逆転していておかしくない3Qでした。

◎シモンズよ

クイックリーのドライブ&ワンで逆転のニックス。バレットがトランジションアタックで続き、クイックリーはブリッツディフェンスからの素早いローテでハーデンのパスワークを許しません。さらにクイックリーのドライブ。クイックリー劇場だけど、ハーデンは3Pで同点に。

いまさら気が付いたけど、ハーデンの背番号1番なんだね。

ここでシムズが退場し、トッピンとランドルのビッグになったニックス。バレットのドライブパスアウトからトッピンが決められず。惜しいけど、この惜しさは前を向ける惜しさだね。形になっているバレットアタック。そしてランドルのパスアウトからクイックリーが3P。

若干、ノービッグになったからランドルはインサイドに詰められ、そこからの展開が効いているように見えるぜ。なお、レディッシュも3Pミスしたので、形にはなっているけど、成功してはいない。クイックリーの完璧なパスアウトもランドルがミス。

そのランドルはエンビード相手にオフェンスリバウンドを奪い、カットしてきたレディッシュから最後は飛び込んできたトッピン。いいね。いいよ。でも、ディフェンスはエンビードへの対抗策がランドルになってしまい、ハーデンとのコンビプレーに対処できません。

残り6分3点リードのシクサーズは、フロントコートに走ってきたエンビードに対してハーデンがスピードを全く殺さないパスでダンクをアシスト。まずエンビードをピックアップしべきなのは、わかっちゃいるけど、そんな完璧なパスがこなければダンクにならないので、止めに来ていなかったニックス。

さらにハーデンとのツーメンゲームからゴール下に飛び込んでファールドローのエンビード。「見てるかシモンズ、これが正しいエンビードの使い方だ」とでもレクチャーしているハーデン。プレーメイク力皆無のエンビードだけど、フィニッシュ―としては強引でも決めきれてしまう高さとパワーがあるので、パスできっかけさえ作ってあげれば無双。

そして同じくツーメンゲームから、エンビード側にマークが寄ると、プルアップ3Pのハーデン。それはシモンズにはないやつだね。外したけどさ。

一方のニックスは今度はクイックリーのドライブキックアウトから外したのはバークス。ぜーんぜん決まらんぜ。逆にマキシーがタフ3Pを決めた残り2分半で11点差。勝負ありでした。

〇4Qの3P
ニックス 1/9
シクサーズ 4/9

ニックスが勝ってもおかしくない試合でしたが、上手くいっていた3Qにファールで台無しにしてしまったことと、それでも奮闘した4Qに完璧なキックアウトパスをことごとく外してしまったのが敗因です。その敗因は自分たちの事情だから、まだ改善の仕様もあるぜ。特にクイックリーとバレットからパスアウトが来たのは良い傾向で、それさえ決めていれば、シクサーズはインサイドを止められなかったと思います。

〇ハーデン
29点
16アシスト
10リバウンド
5スティール

シクサーズのFG成功は38しかないのに、そのうち16がハーデンのアシストです。なお、フリースローを44本も打っており、それがなければ20アシストは確実に超えていたハーデン。パスが上手すぎて引きます。

で、「パスが上手い」だったらシモンズにも出来そうじゃん。でも出来なかったじゃん。少なくともエンビードを生かすことが出来なかったじゃん。3P以上にパスのクリエイトに差があることを示してきたハーデンでした。まぁ5スティールも含めて、ちょっとテンションが高い感じなので、同じことを続けられるかは微妙。

ちなみにファール合戦をするのはリバースの得意技。その傾向がシモンズには向いていないものあるから、ハーデンの方が良いのも事実だね。

〇フリースロー
シクサーズ 39/44
ニックス  22/35

ヒート戦のバレットもフリースロー外しまくって50点を逃しましたが、今日も今日とてフリースロー外しすぎのニックス。これだけの差で戦えたんだから悪くない試合だったけど、このディティールが勝てない要因でもあるよね。

ハーデンのパスに酔いしれたけど、ニックスにPGがいないことも示した試合でした。クイックリーもアタッカーなので、コンボガードタイプだしさ。

ニックスvsシクサーズ” への2件のフィードバック

  1. バレット以外の全てを対価にしてザイオン獲得良いですね。ついでにレディッシュも残してスパーズからトレジョーンズを貰いつつ選手が足りなくなったらGリーグからジャビンやボールデン引っ張ってくれば完璧ですね笑

  2. シクサーズは、ハーデン加入したので久々に観ましたが、ネッツの時とパフォーマンス違いすぎてビビりました。ハーデン・エンビードコンビが東でよかったです。ただ、トバイアスは何をしたらよいのでしょうね。勝ってるからいいし、確実にいい選手だと思うのですが、スポットシューターにしておくのはもったいないと思いますが。

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