セルティックスvsホークス

2022/2/13

7連勝中のセルツ。その要因は、と聞かれたら「テイタムのタフショットが減ったよね」という答えなのですが、それは単純にタフショットを打たなくなったというよりは、プレーそのものを限定して「余計なことをしなくなった」雰囲気です。代わりに増えたのはスマートのプレーメイクなので、昔に戻っただけのような気も。

一方でそれだけで勝っているはずもなく、何よりもテイタムのFG成功率は落ちているしさ。勝てるようになったメインはディフェンス面ですが、ジョシュ・リチャードソンを上手く使い始めたな―なんて思っていたら、ラングフォードと共にトレードでした。ホワイトには期待するけど、何が起きているのか、よくわからんのでちゃんと試合を見ましょう。

◎スペース

試合はホークスが3P攻勢+ヤングのドライブで早々に二桁リードです。コリンズがいないので、ちょっと単調というか、ヤングばかりになってしまって良い空気ではないし、特にインサイドに攻め込めていないんだけど、ボールを動かせればコーナーが簡単に開くので3Pです。

セルツのディフェンスに注目しているのに、3P打たれまくりなわけですが、それはインサイドをしっかりと封じていることも関係しています。ホーフォードとロバートの動きが非常によく、前に見た時よりもカバーの質が上がっているのですが、なんでそうなるのかな。ホーフォードが動けるようになったとは思えん。

セルツはマンツーとゾーンの中間な守り方をしますが、それはオールスイッチにも似ている。わりと簡単にスイッチしてくれるので、ヤングのプレーメイクが目立つって事もあるのですが、ゾーンの前にテイタムを置き、両サイドをブラウンとスマートで固め、この2人が広いスペースを守る形かもしれません。

思えば、スマートとブラウンのディフェンス力こそがセルツの強みだったのに、全く使えなくなっているもんね。でも、ゾーンにして大事なところを任せているから出番が多い。しかもテイタム含めて強いアウトサイドなので、かなり強力なマッチアップディフェンスが出来ます。

そして比較的アウトサイドまで追いかける必要がなくなったことが、ロバートとホーフォードを楽にしているようにも見えます。要するに見た目以上にゾーンをしている。それぞれの担当するスペースをハッキリさせ、しかもアウトサイドプレッシャーが強いからインサイドも楽。ただし、パッシングされると間に合っていない。

1Qは28-17でホークスがリード。点が取れなかったな。でも崩壊はしなかったよ。

さて、1Qしか見ていないのに感想を言うのはどうかと思いますが、確かにこのゾーンな形ならJリッチはいなくてもいいのか。ラングフォードは欲しいけど、それは控えとしてだし、スマートを引き継ぐグラントが代役しているし。

そして中途半端な守り方をする中で、適切なインサイドカバーできるセンターが欲しいってことか。カンターはブラッド・スティーブンスの下でも改善しなかったので、正センターだったタイスに出戻ってもらったと。カバー上手いもんね。ホワイト向きのディフェンスってわけじゃないけど、賢いからどうにでもするでしょ。

1枚ウイングが足りない気もしますが、それでも最近はこれで成功しているからってことかな。それにしてもセルツは結局のところ、テイタム、ブラウン、スマート、ロバート、グラント、タイス、プリチャードと自前の選手ばかりじゃないか。それはドラフトの成功のようでいて補強の失敗って事でもあるぜ。

◎飽きるほどみた展開

セルツのオフェンスはスマートのパスからインサイドを積極的に使っていき、パスアウト3Pの組み合わせなのですが、そのインサイドを固めるのがホークスの守り方。本日はコリンズがいないので、ちょっと弱かったけど、それでも1Qは抑えたぜ。なお、スペーシングしているくらいで特別なオフェンスはしていない。テイタムのタフショットはない。

2Qになると久しぶりにルーをみましたが、ボグダノビッチ、ライトと並んだ3ガードにハンター、オコングなので急激にインサイドが弱くなります。というかカペラが出ているかどうか次第か。せめてガリナリとオコングにすればいいのに。

それはオフェンス面を考えたラインナップのはずですが、ガードが多いとは思えない酷いオフェンスになります。連携って言葉を知らないんじゃないか。3分半で2点しか取れずタイムアウト。マクミランの悪い部分であるオフェンスを個人任せにする傾向が強く出てしまいました。

そんなわけでタイムアウトの甲斐もなく、ハンターがミスマッチ押し込みとトランジションで決めたくらい。あとはルーがコーナー3P。割とひどい内容になったのですが、セルツもホワイトが3Pにドライブ決めたくらいで付き合ってくれました。助かったね。どっちもオフェンスがイマイチな2Q前半。

そしてヤングが戻ってくると、プレーメイクからボグダノビッチやガリナリに決めさせ、再び二桁リードになります。わかりやす。っていうか、ホークスのことを書く時って、こればっかりで飽きた。

一応触れておくと、ヤングPGになると逆サイドでハンターとボグダノビッチがスクリーンを使い、ハンターがヤングに向かっていくと、ヤングはハンターを飛ばすスキップパスでボグダノビッチにアシストしました。つまりはヤングのハンドラープレーではなく、オフボールの絡みでもプレーが成立しているのですが、ヤングのパスがないと良い形にはならなった様子。これ、文字で書いてわかるかな。

まぁいずれにしても、ヤングが強烈に突破しなかったとしても、ヤングのパスがないとチャンスが生まれない。マクミランもそれを感じているようで、少しでも助けられるボグダノビッチをコートに残し続けており、1on1からのターンシュートも決めてくれました。

前半はホークスが15点くらいリードしても良かったのですが、見事なパスを見せていたヤングが見事なパスフェイクから、自分で打つと外してしまったりと、ちょっと決めきれない一面を見せてしまいました。それでも55-45なので、ホークスペースだったよ。

◎ハンター

後半も同じような立ち上がりで、スペースは保っているけど、特筆すべきオフェンスはしていないセルツ。ただし、わかりやすくドライブと3Pが組み合わさり、テイタムがボールを持ちまくる形にならないのでバランスを保っています。そしてホーフォードとテイタムの3Pが連続ヒット。なんて思っていたら、タフショット打ったテイタム。

ホークスはハンターが2つのムービングスクリーンをコールされシュートにも行けません。それぞれブラウンとスマートなので、セルツのディフェンスの強い所が生み出したファールかな。そしてハンターはムカついたのか、ディフェンスでもスマートを押してファール。早々にベンチに下がります。

うん、なんでレディッシュをトレードしたんだ。交代要員が足りていないぜ。オフェンスの個人技担当が足りていないぜ。ブラウンのアタックで同点になります。やっちまったハンター。何故か試合はオフェンスファールのオンパレードになります。

前半はハンターに張り付かれFG5/13だったテイタムですが、ディフェンダーがいなくなったことで一気に楽になります。3QだけでFG6/9の16点を叩き出すよ。

ただし、やっぱりテイタムのハンドラープレーのオンパレードってわけではなく、スマートのゲームメイクからブラウンのアタックやインサイドのビッグマン押し込みが混ざります。ハンターとの1on1のシーンでもテイタムは仕掛けずにブラウンへパスを渡し、キャッチと同時に仕掛けていくブラウンがファールドロー。

開幕直後もミーティングしたら勝ち始めたセルツですが、やっぱり今回も「選手間のプレー調整」に見えてしまいます。要するにテイタムがワガママすぎたから、もっとスマートに任せろ。ブラウンも以下同文。

実際、鮮やかな連続パスとか、オフボールでのきれいな合わせなんかは殆どなく、チームメイトの動きに合わせるナイスパスを出しているのはほぼスマート。ホワイトがハンドオフを促したり、連続性のある動きを作っているのは期待だけど、総じてそこまで連動しているわけじゃないよ。

それでも自分がスクリナーになってからパスを受け直して仕掛けていくテイタムは強烈だし、センターみたいなプレーも混ぜるブラウンは厄介。ハンターというディフェンダーがいなくなったことで止めるポイントがなくなったホークスは、カペラが止めてくれるのを期待するしかなくなっていきました。

つーか守れんぜホークス。日常的にカペラとコリンズ頼みな空気で、そこにハンターが戻ってきたから勝率をあげていったけど、今はカペラしかいないからどうにもならん。前半がウソのように楽になっていくセルツ。

そしてハンターが戻ってくるとファールが怖いのか、よりひどいディフェンスとなり、一気にラッシュしたセルツ。3Qだけで42点の得点ラッシュで87-78と9点リードにして終わります。

ワンプレーの良さではなく、スマートメインでバランスアタックするようになったセルツのオフェンスは、総合的な得点力は変わらなくても、テイタムやブラウンがラッシュしてリードを得られるようになった気がします。これまでは、そもそも2人のハンドラープレーが多かったので、2人が点を取ってもラッシュにはならなかった。今は基本が違うからラッシュになる。どこかでリードを得られる戦い方になったのかな。

◎続く

追い上げたいホークスですが、セカンドユニットなので前半と同じ現象が起きます。ボグダノビッチが個人技で決めるくらいで、連携もクソもない。リバウンドを頑張るのはオコングくらいだし、タフショット打ったらおしまいなオフェンス。ってことで残り10分でヤングが戻ってきます。

いや、それよりも3ガードの問題って気がするんだけどさ。案の定、ホワイトに個人技仕掛けてブロックされたヤング。トランジション3Pも外し、マッチアップ相手がプリチャードになったボグダノビッチの個人技くらいしか決まっていないホークス。

そしてホーフォードではなくグラントをいれて全員が生え抜きのスターターユニットにしたセルツは、例のゾーンをグラントでさらに強固にし、個々のマッチアップで激しさを忘れず、にタフショットをうたせまくりました。うん、まぁそれくらい。

4Qは18-17と超ロースコア。一向に突破口を見いだせないホークスと、もうこのままでよいセルツの構図が延々と続きましたとさ。

そんなわけでセルツはディフェンスの改善が著しいですが、それが何かっていうとゾーン導入で自分たちの武器を出しやすくしたのが戦術的変化ですが、それ以外は個人が頑張ったって感じにすぎなかったです。でも、それは本来のブラッド・スティーブンスの戦い方であり、久しぶりにブラウンとスマートが働く試合でもありました。

基本的にオフェンスはドライブと3Pを中心にしており、ディフェンスとハードワークの選手をドラフトで集めてきたセルツ。最近はプリチャードやエドワーズみたいな例外もいるけど、自分たちのマインドと特徴を取り戻しに行っている今日この頃だったのかもしれません。

ホークスはやる気がなかった時期を乗り越え、ディフェンスする気が出てきたけど、オフェンス戦術不足な空気が出まくり。コリンズがいないから、動きに乏しくなったし、だったらレディッシュの個人技が欲しかったぜ。あとさ、去年はガリナリのポストアップとか、もっと上手く利用していたじゃん。

ジェイレン・ジョンソンとか、TLCとかを起用しても良い試合でしたが、それもしなかったし、マジで何故レディッシュを放出したんだろうか。オフで良かったじゃんオフで。休んでいるのはコリンズだけなのに、何人も足りないような気がしたホークスでした。

◎ホワイト

新加入のホワイトには両ウイングを巧みに操るインテリジェンスを期待していましたが、そうではなくて万能性を期待されているかのようでした。セルツにはシューターがいないし、控えPGも不安だし、テイタムに合わせてコーナー担当になるガードも欲しい。ディフェンスでのチェイス役も含めて、全部ホワイトで何とかしておこう。そう見えました。

個人的にシーズン前のセルツの考え方は、特徴の違う選手をベンチに置き、展開に合わせて使い分ける作戦だと思いましたが、それはウドカには出来なかった。今日だってホークスに合わせるようなことはなく固定ローテに近いもんね。だから何でもOKなホワイトを獲得したのかもしれません。

ってことでフィットしていたけど、目立ってはいなかったホワイト。ホワイトらしいっちゃらしいか。

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